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首都圏の千葉や埼玉で火ぶたを切った中学受験が、いよいよ2月1日、東京、神奈川でもスタートする。
今年も、首都圏の小6生のうち、14~15%前後の子どもたちが、ヤマ場を迎える中学受験にチャレンジすることになる。
御三家(男子=開成、麻布、武蔵、女子=桜蔭、女子学院、雙葉)や神奈川の栄光や聖光、それに早慶の附属中、さらには国立の筑波大駒場を頂点に、裾野が広がるというのが、これまでの受験地図。
しかし、去年あたりから、志願者の動向にははっきりした特徴が見られるようになった。
東京都内に多い、有名私大の附属中がそろって志願者を減らし、大学受験に力を入れている郊外の新興勢力の進学校の競争率がアップしているのだ。
その要因は、リーマンショック以降、学費が割高の有名私大の附属中は、しだいに敬遠されてきたことに加え、震災の影響で、神奈川や千葉、埼玉の保護者が、子どもを越境させてまで東京都内の附属中に通わせなくなったこと、そして、少子化に伴い、大学がおしなべて広き門になり、「附属中からエスカレーター式に大学まで通わせなくても何とかなるだろう」という風潮が生まれてきたことにある。
特に3つめの理由は大きく、たとえば、埼玉の栄東、開智、千葉の渋谷幕張、市川、茨城の江戸川学園取手といった大学進学実績を年々上げている学校に入れておけば、MARCH(=明治、青山、立教、中央、法政)レベルの大学なら入れるだろうと、親子ともに踏んでいるのだ。
大学受験に力を入れている新興勢力の学校は、まず、首都圏で言えばMARCH、関西圏で言えば関関同立に合格者が増え始める⇒やがて早慶にも合格者が出るようになる⇒東大や京大、旧帝大系や国立医学部に合格者が出るようになる・・・というサイクルで進学校化していく。
そこをきちんを把握しておけば、何も年間130万円も140万円も払って有名私大の附属中に入れるより、100万円以下で済む新興勢力の進学校に入れておいたほうが「お得感」があるとも言える。
もっと言えば、中学の段階で中央大の附属に行けば、99%、大学も中央大どまりだが、進学校に入れておけば、早慶、いや東大だって夢ではない、という思惑もあるだろう。
事実、早稲田大の附属中である高等学院中学部ですら、今年は志願者がガタ減り。麻布中や武蔵中のような御三家クラスですら、「駒場東邦のほうが実績がいい」となると、そっちに流れてしまう傾向が、はっきり出ている。
公立の中高一貫校も、それぞれ1期生や2期生が大学受験で実績を出し始めているので、「私立より公立の一貫校」という選択肢も当然ある。
来年以降、首都圏の受験地図はまた微妙に変化をするかもしれない。
要は、入口(=今現在の評判や見栄、偏差値)などで判断せず、出口(=大学進学実績の伸びとか、勉強面以外でどんな力をつけてくれそうな学校か)で判断する時代が来ていることは確かなので、子どもの適性なども見ながら、志望校を選んでいただけたら、と思う。
進学校を選んでも附属中を選んでも、塾代はプラスでかかるので、家計との兼ね合いも考えて「中学受験はしない」という選択肢だってある。
今のところ、「極力コストは抑えたいが、わが子を難関大学へ入れたい」と言うなら進学校に、「格安で近所の公立中よりはプラスαが期待できる学校に」と思うなら公立の中高一貫校に、そして「受験地獄はかわいそう、勉強面以外で何か得させたい」と考えるなら有名私大の附属中に、というすみ分けはできるだろう。
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