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2012年4月 5日 坂の上の雲はどんな雲?

 写真は、わが故郷のシンボル、松山城だ。司馬遼太郎の小説やNHKドラマ『坂の上の雲』でますます全国区になった名城である。先日、帰郷した際、久々に登ってみたのだ。
 私もこの城に登る度、秋山兄弟や子規に負けないよう、自分の夢(=一朶の雲)を求めて、今の境遇がどうであれ、坂を上り続けなければ・・・という気持ちになる。
松山城.jpg さて、話を私の専門分野に移せば、野田政権は今、一気に3つの坂を上ろうとしているように見える。
 1つは消費増税、もう1つはTPP参加、そして原発再稼動である。どれも大変な急勾配だ。しかも、上りきったとき、そこにそれぞれ「安定的な社会保障」「各産業の発展」「安心安全なエネルギー供給」という雲があるとは限らない。
 坂の途中で、仲間と思っていたシェルパに行く手を遮られることもあれば、登山に反対する人たちの激しい抵抗に遭遇する可能性だって大きい。
 それでも野田政権は3つの坂を上っている。最初の坂は原発再稼動である。こいつはもっとも厄介だ。
 慎重に一歩一歩、坂を上りながら、「お~い」と叫んでも、「大飯原発再稼動はんた~い」のこだまが返ってくる。
 個人的には、この坂を今、上るべきではないと思うが、上るなら万全の備えをし、住民にもきっちり説明したうえで上るべきだ。それも、たとえ上りきれたとしても、坂の上に、さらに坂があることを知ったうえで、だ。
 坂と聞けば、小泉純一郎元総理の名言を思い出す。
「人生には3つの坂がある。上り坂、下り坂、そして『まさか』だ」・・・原発再稼動はもちろん、消費増税もTPPも、この「まさか」がないことを望みたい。

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