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消費増税法案が閣議決定された。国民新党は賛否をめぐり分裂状態。民主党内でも小沢元代表に近い副大臣や政務官が辞任の動きを見せている。
年末の大綱をまとめるための協議は何だったのか。そして8日間45時間に及んだ事前審査は何だったのか。増税の是非と個々の議員の主張だけに終始し、一体改革にふさわしい社会保障の議論、さらに「名目3%の成長率を確保するにはどういう政策が必要か」という議論はほとんど見られなかった。
さて、東大を言いだしっぺに、大学の秋入学の話が広がりを見せ始めている。京大や阪大をはじめ旧帝大、それに私学では早稲田と慶応義塾に声をかけ、懇話会を立ち上げるという。
私も基本的に、秋入学は国際化を思えばいいことだと思うが、早慶には声をかけても、たとえば「大東亜帝国」には声をかけない点はどうかと思うし、すでに秋入学を実施している学部や大学院はあるのだから、その枠を拡大する程度でいいのでは、と思う。
話を今日のブログのテーマに戻せば、永田町界隈で日々繰り返されている不毛な議論を考えると、秋入学以前に、学生には「言うだけ番長にならない実行力」「不満分子を説得できるコミュニケーション能力」「組織をまとめることができるリーダーシップ」をいかに身に付けさせるか、カリキュラム改革や教授陣の改革に乗り出すのが先だと思う。
京都大学では、2013年にリーダー育成のために学寮型大学院「思修館」を設ける。他にも「学内志塾」を設置し、将来の政財界のリーダーを育成するところが出始めている。関係者に話を聞けば、社会科学系の学生や院生だけでなく医学部をはじめ理科系の学生にも受講希望者が多いそうだ。
教授陣は「ハーバードでPh.Dを取りました」といった研究者ではなく、実務型教員が中心で、実学が展開されているから、というのが人気の秘密らしい。
アカデミズムだけにとどまらないこうした動きこそ、秋入学よりももっと多くの大学に広がっていいのではないかと思うのだ。
写真の慶応義塾(上)と早稲田(下)には学部に政治学科があれば、大学院にも公共政策コースがある。
そういう大学は早慶に限らず多々あるので、まずそういうところから、今の民主党政権を反面教師に、次代を担うまともな人材を世に送り出していただきたいと願う。
政治家だけでなく、我々マスメディアにも反省は残る。民主党の内紛や国民新党の分裂に軸足を置きすぎなかったか、法案の中身よりも法案をめぐる政局話に終始していなかったか、私たちメディア人にもリカレント(=学び直し)が必要かもしれない。
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