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2012年3月30日 与党の不毛な議論と大学改革

 消費増税法案が閣議決定された。国民新党は賛否をめぐり分裂状態。民主党内でも小沢元代表に近い副大臣や政務官が辞任の動きを見せている。
 年末の大綱をまとめるための協議は何だったのか。そして8日間45時間に及んだ事前審査は何だったのか。増税の是非と個々の議員の主張だけに終始し、一体改革にふさわしい社会保障の議論、さらに「名目3%の成長率を確保するにはどういう政策が必要か」という議論はほとんど見られなかった。
慶応大学.jpg さて、東大を言いだしっぺに、大学の秋入学の話が広がりを見せ始めている。京大や阪大をはじめ旧帝大、それに私学では早稲田と慶応義塾に声をかけ、懇話会を立ち上げるという。
 私も基本的に、秋入学は国際化を思えばいいことだと思うが、早慶には声をかけても、たとえば「大東亜帝国」には声をかけない点はどうかと思うし、すでに秋入学を実施している学部や大学院はあるのだから、その枠を拡大する程度でいいのでは、と思う。
 話を今日のブログのテーマに戻せば、永田町界隈で日々繰り返されている不毛な議論を考えると、秋入学以前に、学生には「言うだけ番長にならない実行力」「不満分子を説得できるコミュニケーション能力」「組織をまとめることができるリーダーシップ」をいかに身に付けさせるか、カリキュラム改革や教授陣の改革に乗り出すのが先だと思う。
 京都大学では、2013年にリーダー育成のために学寮型大学院「思修館」を設ける。他にも「学内志塾」を設置し、将来の政財界のリーダーを育成するところが出始めている。関係者に話を聞けば、社会科学系の学生や院生だけでなく医学部をはじめ理科系の学生にも受講希望者が多いそうだ。
 早稲田.jpg 教授陣は「ハーバードでPh.Dを取りました」といった研究者ではなく、実務型教員が中心で、実学が展開されているから、というのが人気の秘密らしい。
 アカデミズムだけにとどまらないこうした動きこそ、秋入学よりももっと多くの大学に広がっていいのではないかと思うのだ。
 写真の慶応義塾(上)と早稲田(下)には学部に政治学科があれば、大学院にも公共政策コースがある。
 そういう大学は早慶に限らず多々あるので、まずそういうところから、今の民主党政権を反面教師に、次代を担うまともな人材を世に送り出していただきたいと願う。
 政治家だけでなく、我々マスメディアにも反省は残る。民主党の内紛や国民新党の分裂に軸足を置きすぎなかったか、法案の中身よりも法案をめぐる政局話に終始していなかったか、私たちメディア人にもリカレント(=学び直し)が必要かもしれない。
 

2012年3月16日 朝から銀座は大賑わい

 今日(3月16日)は朝から東京・銀座が大賑わい。アップルストア銀座店の前では、今日一斉に発売される「iPad」の新モデルを買い求める人たちが長蛇の列。
eooA1LAkh7Zts_3-31065-1-attach-d3.jpg なんでも一番乗りの学生はおとといから並んでいたとか。私がインタビューした若者も昨晩、店の前で待っていたそうだ。
 正直、「なんで?」と思う。「ひまだねえ」とも思うし、「初日の朝に買うことに何の意味があんの?」というのが実感。でも、商品をゲットした顔は皆、誇らしげで、そういう価値観もあるんだなーと感じた。
 アップルストアから300メートル歩くとまた長蛇の列。ソフトバンクモバイルが孫社長自ら、新型「iPad」のPRをするのだと言う。ここも取材したかったが、あえてスルーしてさらに50メートル進むと、今日オープンのユニクロ銀座店の前に、これまた人、人、人。
eooA1LAkh7Zts_3-31066-1-attach-d3.jpg ここでも正直、「なんで?」と思う。「ひまだねえ」とも思うし、「割引商品があるにせよ、ユニクロの店舗はそこかしこにあるし、銀座まで来るコストを考えると割高なんじゃない?」って思う。
 ただ、やはり、初日に話題の銀座店に来て買うことに意義を感じている方もたくさんいらっしゃるのだということを、ここでもあらためて感じさせられた。
 銀座と言えば、愛媛出身の私からすれば、高級ブランドと老舗百貨店が軒を連ねる大人の街という印象。それが年々、安さを売りにした外国のファッションブランド、家電量販店等の進出で変化していることに、時代の変化と同時に寂しさも感じる。
 NYの5ThアベニューやPARISのシャンゼリゼ、ROMEのコンドッティ通りもいつしかこうなっちゃうのだろうか・・・。

2012年3月15日 予備罪

去年8月に東京・渋谷のライブハウスで
ガソリンがまかれるなどした事件。


殺人予備や現住建造物等放火予備など5つの罪に問われた
大阪府茨木市の無職、島野悟志被告に対し、
東京地裁はきょう、懲役4年の実刑判決を言い渡しました。


「殺人予備罪」とは・・・


殺人をする目的で、凶器や毒物を用意したり現場を下見するなど、
いわば「殺人の準備をする」罪です。
同じように「放火予備罪」とは、「放火の準備行為をする」罪。


判決によりますと、島野被告は
火をつけるためのマッチを持った上で
バケツに入ったガソリン約7・7リットルをまいた 

ものです。

2012年3月11日 REMEMBER 3.11

まだ1年、
いやもう1年?
1万5千人以上の命を奪い、今もなお行方不明の人が3千人を超す、
「国難」とも言える東日本大震災の発生から今日で丸1年が経つ。
きょう放送する特番
~『日常が失われた日~3.11被災地メディアの戦い』(12:00~13:00)
では「被災地との向き合いはむしろこれからが重要だ」と訴え、自戒を含めて締めくくりの言葉とした。
我々は2011年3月11日という日を決して忘れない。
文化放送はこれからも報道機関の端くれとして被災地の復興とそのための被災地の努力と
政治が指し示す方向と行動をしっかりと伝えていく。
そのために我々は常に試行錯誤しながら自問自答する。
「着眼は正しいか?視界は曇ってはいないか?」
REMEMBER 3.11
「もう1年」でも「まだ1年」でもない。
「これから」だ。
文化放送報道スポーツセンター部長 関根英生

2012年3月10日 「お互い様なんだよな」

03101.JPG写真は「KIZUNA NIPPON」の文字が光る東京タワー。
この1年「絆」という言葉を何度も目にし、耳にしてきました。
 
その一方、被災地では大量のがれきが復興への大きな妨げとなっています。
取材で出会った、仮設住宅暮らしを続ける男性の言葉が印象的でした。

 「東京でも大阪でも津波来ないとは限らないんだよな。
  お互い様でやっていければいいのになって思ったりする。
  『絆』だの何だのって言葉では言うけどさ、実際その通りになんねえもんな。
  言葉ばかりでさ。情けねぇもんだなーってさ、世の中ってさ。」
 

2012年3月 8日 予告先発

プロ野球セ・リーグが今シーズンから、先発投手を事前に
知らせる「予告先発」の制度を導入するになりました。
セ・リーグは昨シーズンまで2年続けて観客動員数が
減っているため、観客を増やすことを目的に予告先発の
制度の取り入れを検討し、今月1日の理事会で議論しました。
そしてきょう開かれた臨時の理事会で実施が決まりました。
プロ野球の予告先発は、パ・リーグが1983年に開幕戦で
導入した後、1994年からは交流戦を除く全ての
試合で採用していますが、みなさんはどう思いますか?
もちろんパ・リーグで行われている予告先発も野球の
楽しみの一つですが、私はお互いのチームが相手チームの
先発ピッチャーを読んでオーダーを組んだり、読みが外れて
相手チームの先発が左ピッチャーなのに左バッターを
何人も打線に入れてしまったり、そういうのも野球の
おもしろさの一つだと思いますが、いかがでしょうか?
子供の頃から野球が大好きな私としましては、統一球や
試合数の増加、FA制度など、いいと思ってやっている
ことが、もしかしてプロ野球のおもしろさを損なっては
いないかと、ちょっとだけ気になっています。

2012年3月 6日 報道スペシャル「日常が失われた日~3・11被災地メディアの戦い」

RIMG0949.JPG

東日本大震災発生から11日で1年。
この日、

文化放送報道スペシャル
「日常が失われた日 ~3.11 
被災地メディアの戦い」をお送りします。 

(全国15局ネットですが
放送局によって一部放送時間が異なります)

震災発生直後から被災地に記者が入り
被災者の皆さんの置かれている状況などを
お伝えしてきましたが

それと平行して、
「別の視点」でも、取材をしてきました。

それは、

「被災地のメディア」は、あの日から
何をどのように伝え、
これからどうしていこうとしているのか、
・・・ということです。

僕自身、現地から報道をしていて感じるのは
在京メディアと被災地メディアの
「伝え方の違い」でした。

それには
理由があります。

それは被災地のメディアが
「自らも被災していること」

それから、
「地元と一緒に成長してきて、
そして、
これからも一緒によりそってゆくこと」

南三陸には、自宅兼支局を流され、
幼い子供と逃げながら、町を飲み込む津波を
連続撮影した新聞記者がいました。

住む場所がなくなった今も
彼は、その場所に通っています。

それはなぜか。

「被災地を忘れないで」という思いがあるからです。

時がすぎたり
原発報道が多くなると
被災地で生きる人々の姿が
あまり報道されなくなります。

そうなると
援助の手も、少なくなりますし
被災者の気持ちに沿わない対策しか
なされなくなります。

被災地メディアの葛藤と奮闘から
震災報道のあるべき姿を考えると同時に
今、被災地の皆さんは、
どういう気持ちでいるのか。
どのような情報を求めているのかも、
お伝えできればと思います。


ナレーターは
今回は一緒に取材もしていただいた
福島のテレビ局出身、
唐橋ユミさんです。


※画像は取材風景、テレビユー福島
藤間報道部長へのインタビュー。

2012年3月 5日 あったのか、なかったのか・・・

野田谷垣.JPGのサムネール画像

先般、話題になっている野田総理と自民党の谷垣総裁のこけし、
これは自民党・参議院議員の山本一太さんの地元・群馬県こけし連盟の作品。
場面は、党首討論。山本一太さんの秘書の方が、封筒で演題を、綿棒でマイクを作った力作である。
                                                                                                                                                               
さて、2人の密談はあったのか・・・
記者の質問に対し、野田総理も谷垣総裁の答えはそろって「あっていない」。
仮に会談していたとしても顔と顔を突き合わせなければ「あっていない」ということ?
山本一太さんは・・・
「谷垣総裁はウソをつくはずがない」
「日本国の総理大臣が国民の前でウソをつくのはありえない」
ゆえに「2人は密会しているわけが無い」と強調。
あったのか、なかったのか・・・
たとえ会ったとしても認めることはないだろう。
これまで谷垣総裁は繰り返し「まずは解散して信を問うべき」と語っていたはず、
「将が迷えば、兵も枯れ草を失う」と山本一太さん。
あったのか、なかったのか・・・・
尾ひれがついた憶測とともに永田町を駆け巡り、
魑魅魍魎と化していく。
                                                                                                                  
来年度予算案は今週中に衆議院を通過する見通し。                              
そして舞台は野党にとっての主戦場、参議院にうつる。
年度末、政治に向けられた国民の期待と願いを見失わない議論を期待したい。

2012年3月 2日 福島・双葉高卒業式

 きのう、福島・郡山経由で田村市文化センターに出張してきた。福島第1原発から3キロの距離にある福島県立双葉高校の卒業式を取材するため。
 事故後、4つの学校に分散して授業を受けてきた卒業生94人が集まっての卒業式。「元気だった?」「進路、決まった?」など、同じ釜の飯を食べてきた同級生同士が近況を確認し合う光景がそこかしこで見られた。
eo5FrsEL_B0qI_3-30830-1-attach-d3.jpg この写真は式の風景。山崎校長の「大変な1年だったけど、そればかりじゃなかった。見ず知らずの人の優しさ、先端技術の難しさなど学ぶものも多かったはず」という式辞、そして2年生の送辞や卒業生の答辞を聞いていると、ホント、涙が出てきちゃったよ。
「こちとら、言葉のプロ。みんなから聞いた音声を使って、いい現場リポートをしてみせるぜ」と思っても、どんな言葉を駆使したって、当事者の思いは伝えきれない。考えれば考えるほど、言葉が安っぽく見えてきて困ったよ。
 自分も昔、小学4年の時にね、四国を襲った集中豪雨で裏山が崩れ、自宅が全壊して避難生活を送ったことがあるんだよ。
 もう40年近くが経つのに、いまだに「ゴーっ」という音が聞こえた気がして、夜中に飛び起きてしまうんだ。情けねえけど、トラウマになっちゃってんだね。
 でもね、同時に、腰まで泥につかりながらランドセルを背負った私をおんぶして公民館まで連れていってくれた消防隊員や、公民館でパンを分けてくれたおばちゃんの顔は覚えていて、今でも「いつか愛媛に、今治に恩返しする」という気持ちの起点になっている気がするんだ。
 きのう、インタビューに答えてくれた卒業生の男の子に、「明日、ブログに書くからね!」と約束したので書くけど、君たちは双葉の"希望"。「これがボクの好きなこと」「これだったら私は輝ける」といったものを見つけて生きていくことだよ。つまり、君の「本領に生きる」ことだ。
 具体的には、V-MAPが大切。
 Vは「こうなりたい」というビジョン、夢だね。Mは「そのためにこれをする」というミッション、Aは実際に行動するというアクション、そしてもう1つ必要なのがPのパッション(=情熱)なんだよ。
 でも、情熱を持続可能にするには、「好きなこと」「輝けそうなこと」「得意なこと」で勝負してみるのが一番。私もそうしているし、君たちもやってみてほしい。
 社会は甘くない。いつまでも「双葉町出身者なの? それは大変だったね」って言ってはくれない。だけど、ふるさとを思う気持ちがある人間は強い。そして、自分の中で「これだ!」と思える部分を発掘できたやつは負けない。
 君たちの生き生きとした姿が、双葉町の皆さんの力にきっとなるので、新たな世界、新たな場所、新たな仲間の中で思いっきり若き血を燃やしてほしい。


 明日から 全てがはじまるよ 君の日々だよ
 明日から 新しい日々だよ 君の日々だよ (猪苗代湖ズ『I love you & I need you ふくしま』より)


2012年3月 1日 「幸せな家庭が許せなかった」

マンションの敷地内に置いてあった子供の三輪車に
雑誌から切り抜いたわいせつな写真を貼ったとして、
わいせつ図画陳列などの疑いで、東京・葛飾区の鉄筋工、
油橋和輝(ゆはし・かずてる)容疑者(45歳)が
警視庁「さくらポリス」に逮捕されました。


江戸川区や葛飾区では、おととし11月頃から
女性の裸の写真など、わいせつな切り抜きが
幼稚園や小学校の壁などに貼られる被害が、およそ200件発生。
油橋容疑者は、これらについても関与を認めているということで
警視庁が裏づけを進めています。


調べに対し、油橋容疑者は容疑を認め、


「仕事や家庭のストレスを発散するためにやった。
写真を見た人がどう思うか想像してニヤニヤしていた。
子供がいる幸せな家庭が許せなかった」


などと供述しているということです・・・。

文化放送報道制作部では「ニュースパレード」を中心に、日々のニュースをお伝えしています。

その一方で、私たちの周りには普段のニュースでは伝えきれないような話が溢れています。

それをお伝えする場所が、このリニューアルしたブログ。
部員それぞれがゆるやかに伝えていきます。
ニュースの「おまけ」として楽しんで頂ければ幸いです。
よろしくお付き合いください。

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