先週、在京政治部長会として第2次菅改造内閣の経済財政担当大臣に
就任した与謝野馨大臣と会食をし、話を聞きました。
この会は大臣からの呼びかけに応えたものです。
就任早々、新聞各紙、テレビ&ラジオキー局各社、
そして通信社の政治部長らと会食を設定することを大臣の「やる気」と見るか、
「あせり」と見るか、ですが,ベースにあるのは後者でしょう。
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与謝野大臣の「あせり」はふたつあります。
①たちあがれ日本からの離党、そして入閣という行動に至った「思想」を
いかに理解してもらうか、という「あせり」。
②入閣したからには粉骨砕身、取り組まなくてはならない「消費税率引き上げ」
という直近にして最大の政治課題の実行に関する「あせり」。
①についてはどうあっても中々理解しがたいでしょう。
会で与謝野大臣は、昨夏の参院選で菅総理大臣が突然高らかに打出した
「消費税率10%」をもって、
菅総理が国を思う真剣さに心を打たれたとおっしゃった。
与謝野大臣は自民党時代から消費税引上げ論者であることは周知であり、
国家の財政を破綻させないために消費税問題に真剣に取り組む!
という政治家としての気合は「少し」感じます。
でも、だからと言ってなぁ・・・、という印象です。しかも菅総理は参院選惨敗の後、
自身の「消費税」発言を参院選敗因だったと公言して、
「消費税」論議については見事なくらい口を閉ざしたのは記憶に新しいところです。
そして今また通常国会の施政方針演説で「最小不幸社会」実現に向けて
消費税率と社会保障の問題を政治課題の3本柱の一つとして打出してきました。
与謝野氏は菅総理に消費税議論の批判の盾、あるいはスケープゴートとして
迎え入れられたという見方は決して「穿った見方」ではないと思います。
また、与謝野氏が政治家として「与党」に身を置くこと、
そして「大臣のイス」に座すことに価値を見ているという「予測」も
あながちはずしてはいないでしょう。
しかし、何たって去年、与謝野氏が上梓した本のタイトルは
「民主党が日本経済を破壊する」です。
やはり客観的に見れば誰も理解できない入閣であり、
氏の思考はスパイラルしています。
きのう開会した通常国会で自民党から「よその大臣!」と
揶揄られた与謝野大臣。
自民党としては一昨年の衆議院選の選挙区で敗れ、
比例で復活当選した与謝野氏を受け入れる事は感情的にまずありえない。
150日間続く通常国会で議論の中心となるであろう
消費税と社会保障の問題において「よその大臣」は
議論のサークルの中には決して存在しえない大臣と言えるでしょう。
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