たまには辞書を手元に本を読んでみましょう。
高度経済成長の時代を舞台にした経済小説などを読んでいますと、
そこに出てくる官僚や政治家が「就業」という言葉を使っているのに気づくはず。
大辞泉によると、「就業」は、その日の業務に従事すること。
当時の官僚や政治家は、国民がいかに一日一々を働くことが出来るかに
知恵を絞り、汗をかいていたんですね。
今、彼らは「雇用」という言葉を使います。
「雇用」は、人を雇い入れること。
視点がいつの間にか、働く側から、使う側に移っています。
国民に対する官僚や政治家の姿勢が昔とは全く違うことが、
このような言葉の変化からもわかりますね。
皆さんも言葉の変化を大辞泉で感じてみてはいかがでしょう。
辞書は日本語のワンダーランド。 今朝も意外な発見と出会いましょう! アナウンサー生活38年、喋りのプロ・福井謙二が「大辞泉」をひらいて、 「言葉」の持つ本来の意味や語源、正しい使い方を探ります。