第11回 2009.12.31 ON AIR
2009/12/31
『センパツ!』毎週木曜日の『情報満載スタジアム』は
「弁護士中田のタイムリートーク」。
毎週、その時々の“タイムリーなニュース”を
中田総合弁護士事務所の中田
“法律”の観点から解説します。
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○注目のニュース
悪質な訪問販売を規制
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悪質な訪問販売などを規制する
改正特定商取引法が今月1日から施行されました。
「断ったのに強引に勧誘された」との苦情が
後を絶たないことから、改正法では、
訪問販売で商品を「買わない」と意思表示した
消費者への再勧誘を禁止しています。
しかし、抜け道を探す悪質業者が後を絶たず
行政の監視体制が課題になるとみられています。
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◆ポイント1 対象は全ての商品・サービス
一定期間内であれば、無条件で解約できる『クーリングオフ』は
これまで【指定商品・サービス】=58商品28サービスに
限られていましたが、
原則として、全ての商品やサービスが対象に。
これまで、“指定商品の類似品を販売する”など
抜け穴を見つけようとする業者が続出していることから
規制の抜け穴の解消と、後追い規制からの脱却を目指します。
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◆ポイント2 継続的な勧誘を禁止
「契約しない」意思を表明した消費者に対して
勧誘を継続、再勧誘が規制されました。
中田 「『夜討ち朝駆け』というように“営業行為”として
「仕方がない」という話もあったんですけど
消費者保護の観点からいえば、
一度断ったら『勧誘したらダメ』と
徹底した方がいいというようになったんです」
●違反した場合、悪質性が高ければ
『1年間の業務停止』処分が科されます。
●ポイントは“断り方”。
消費者は明確な拒絶の意思表示が必要です。
×「忙しいからまた後にしてください」
○「いりません」「お断りします」「来ないでください」
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◆ポイント3 自治体独自の「訪問販売お断りシール」
過去、自治体が独自に各家庭に配布している
『訪問販売お断りシール』が
“再勧誘を断る明確な意思表示となっているか”
議論されたことがあります。
2009年8月には経済産業省が
“シールは、意思表示の対象、時期などが不明瞭である”として
“契約を締結しない旨の意思表示”にはあたらない――
という考えを示していました。
中田 「その商品を“今”はいらないけど
“半年後”にはいる――ということもあります」
断る期間、社会通念、常識に照らし合わせて
誰に、何を、断っているのか明瞭に表示しなければいけない――
と考えていましたが、
2009年9月に発足した消費者庁は
当初、この考えを受け継ぎ、シールでは拒絶の意思表示に当たらない――
と運用指針に明記します。
これに対し、自治体からは疑問の声が上り
特定商取引法の解釈は変えず、
自治体の取り組みも尊重し、お互いに補完しあうことになりました。
法律よりも、自治体の条例の方が厳しく規制している
“上乗せ規制”として認められ
訪問販売お断りシールを無視して勧誘を繰り返す不当な取引に対し、
自治体独自の規制が有効と認められました。
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中田 「消費者の立場からすると
“悪質な訪問販売に対する自衛”という意識をよくもって
特定商取引法の改正されたポイントをよく理解をして
使っていくことになるのでしょうか」
吉田 「まず私たちがハッキリと
『いりません!』という(ことが大事ですね)」
中田 「もうひとつ、悪質業者は
お年寄りを狙うケースが多いんです。
家族の方々の見守り、地域行政の見守り・・・
そういう体制を作り上げていくことも必要だと思いますね」
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■中田先生セレクションの1曲
イフ・ユー・ドント・ノー・ミー・バイ・ナウ / シンプリー・レッド
次回もお楽しみに!
投稿者 senpatsu : 2009年12月31日 21:00