第3回 2009.10.29 ON AIR
2009/10/29
『センパツ!』毎週木曜日の『情報満載スタジアム』は
「弁護士中田のタイムリートーク」。
毎週、その時々の“タイムリーなニュース”を
中田総合弁護士事務所の中田
“法律”の観点から解説します。
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○注目のニュース
裁判員制度の問題点は?
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「裁判員制度に関する検討会」の初会合が
先月9日に行われました。
検討会は、裁判員制度の実施状況を検証するもので
制度改善に向け、3年間かけて議論。
裁判員経験者の意見をふまえ、
制度や運用面の改善点を検討します。
座長を務める井上正仁 東大法学部長は
「まだ制度は始まったばかり。
まずはじっくりと裁判員裁判が進むのを見守りたい」
と話しています。
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◆ポイント1 「裁判員制度」とは?
従来、職業裁判官だけで行われた裁判に
一般の国民から選ばれた「裁判員」が加わり
裁判を行う制度。
人数:職業裁判官3名+裁判員6名=合計9名
適用される裁判:重罪事件
中田 「これまでの重罪事件をみると
“年間3千件”と言われています」
→ (単純に)1件6名 × 3,000件 =年間 18,000人が参加?
中田 「裁判という制度は、手の届かないところにあった
という印象があったと思うんですけど
これからは『自分が次の裁判員になるかもしれない』
と、もっと身近なものとして感じられるように
なることが、制度の目標といわれています」
◆ポイント2 「裁判」とは?
裁判の中では、犯罪を行った嫌疑を受けた人(被告人)の
その嫌疑の内容が本当なのかどうか、検察官が立証します。
中田 「“立証されたかどうか”を判断するのが裁判です」
・100% 立証に成功した場合、
被告人は有罪となり刑罰を受けます。
・裁判を経なければ、有罪として刑罰に処せられません。
中田 「裁判を経なければ刑罰に処せられないという
一般市民の権利を守る手続きが『裁判』だと
捉えるべきなんです。
この機会に、大事なものだ意識して
『裁判員制度』をよく知るべきだろうと思います」
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◆ポイント3 問題点・・・「守秘義務」とは?
裁判員には“守秘義務”があります。
中田 「どの範囲が『守秘義務』の対象になるのか
明確にわからないんです」
◆職務上、知った秘密
・被害者・加害者関係者のプライバシーに関する事実
・裁判員の名前
◆評議の秘密
※評議=有罪か無罪かを決め、有罪の場合の量刑の内容を決める
評議の中で、どのような経緯・発言があったのかという
『事実』について話してはいけません
→ では『あの裁判官のやり方は強引だった』と話すことは?
中田 「評議の“内容”かというと、そうではなさそう。
“ややアウト”(守秘義務違反)の感じがします」
→ さらに“どのように強引だったのか”話すのは・・・?
中田 「たとえば“議論が煮詰まっていないのに打ち切った”
と、具体的な事実を話すと、どうなのか・・・」
守秘義務違反は処罰の対象になるため
『処罰されたくない』と“萎縮効果”がはたらき
国民的議論ができない、ということにも
つながるかもしれません。
◆ポイント4 制度導入のメリット・デメリット
◆メリット
・一般の人が「裁判制度」について意識的に学ぶようになる。
・公開法廷での手続きが重視されるようになる。
◆デメリット
・仮に、IT技術の導入が進み
殺人現場の生々しい現場が 大画面に映し出された場合・・・
裁判員が印象に流される可能性が考えられる。
犯罪に至った“プロセス”が無視され
画面に映し出されたイメージに左右され
“結果”で量刑が決められることにつながるのでは?
中田 「印象的・感情的に流されないことが大切です」
・拙速化が懸念される
裁判員制度のもとに行われる裁判は
裁判員を引き留める必要性から
短期間(3~5日間など)に
迅速に行われなければなりません。
しかし
被告人が「私はやってません!」と否認し、
徹底的に争われる裁判を、
はたして、3日や5日でできるでしょうか?
中田 「“迅速”は行き過ぎると“拙速”になります。
裁判員制度が適用される重罪事件について
拙速にならないように、十分に注意しながら
制度を見守る必要があると思います」
吉田 「我々も裁判員になる可能性があるわけですから
しっかりと、一人ひとりが
注目していかなければいけないと思います」
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■中田先生セレクションの1曲
千の風になって / ソ・ウォノ
次回もお楽しみに!
投稿者 senpatsu : 2009年10月29日 21:00