第2回 2009.10.15 ON AIR
2009/10/15
『センパツ!』毎週木曜日の『情報満載スタジアム』は
「弁護士中田のタイムリートーク」。
毎週、その時々の“タイムリーなニュース”を
中田総合弁護士事務所の中田
“法律”の観点から解説します。
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○注目のニュース
新型インフルエンザで自宅待機の間の賃金は?
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新型インフルエンザに感染した従業員を
「自宅待機」にした場合、
通常通り賃金を支払う企業は約3割。
(労務行政研究所が調査した
民間企業360社へのアンケート結果)
感染した従業員に自宅待機を命じた際の賃金は・・・
「通常通り支払う」・・・33.1%
「未定」・・・27.2%
「賃金、休業手当は支払わない」・・・22.2%
「休業手当のみ支払う」・・・8.6%
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◆ポイント1 「自宅待機」にできるのか?
労働安全衛生法に基づき
伝染病その他、感染症にかかった人には
「就業を禁止」しなければならず、
就業させた場合、使用者=企業側が罰金を科されます。
中田 「病気から社会を防衛する観点が勝るということなんです」
→「新型インフルエンザ」は
“伝染性の病気・感染症”になるのか?
「感染症の予防及び 感染症の患者に対する
医療に関する法律及び検疫法」により
従来のインフルエンザとは違う扱いが
必要であると認められ
使用者は感染した従業員を
「自宅待機」させなければなりません。
◆ポイント2 賃金を払う必要はあるのか?
従業員が「自宅待機」させられた
=働くことが出来ない状況に陥った責任の所在が
どこにあるのか――という点が重要で、
使用者=企業側に責任がなければ
「ノーワーク・ノーペイ」の原則により
使用者は、
(労働がなければ)賃金を支払う必要はありません。
◆ポイント3 賃金請求することが出来る場合
従来のインフルエンザのように
法的には「自宅待機」させることが
認められていない症状にも関わらず
「自宅待機」させられた場合
従業員は賃金を請求することが可能です。
民法に基づけば、全額、
労働基準法に基づけば「6割」請求することができます。
中田 「労働基準法で“6割”というのは
6割を払わない使用者には“罰金”がある――ということで
(最低限)“保障されている”という意味ですから
この場合“雇用契約の原則”に基づいて
全額請求できる――と考えていいと思います」
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◆ポイント4 受験生が新型インフルエンザにかかったら
今度は学生のケース。
もし、学校側が
新型インフルエンザにかかった学生の受験を
断るような事態が起きた場合、
学校側の対応は、法律上、問題があるのでしょうか?
→ 学校側は、感染症法に基づいて、
建物への立ち入りを制限することができます。
(=結果的に、受験することが出来ない)
→ 学校は、私立であっても“公共”のものであり
伝染性の強い病気からの感染が広まる事態を
防ぐ義務があります。
中田 「ただ、学校側の対応としては
追試験の機会を与えるという“救済措置”を
とってしかるべき――という考え方もありますし
対応している学校も多いと思います」
吉田 「まず、われわれに出来ることは、
うがい、手洗いで新型インフルエンザに
かからないようにすることですね」
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■中田先生セレクションの1曲
Midnight Rendez-vous / SUITE VOICE
次回もお楽しみに!
投稿者 senpatsu : 2009年10月15日 21:00