July 19, 2009 06:48 PM
スタッフ日記~36~
どうも、番組スタッフの剣持です。
第36回の今回は『中東』という地域について、
財団法人中東調査会・上席研究員の大野元裕さんを
ゲストにお迎えし、お話を伺いました。
【中東の場所】
『中東』という概念自体は、もともとヨーロッパが中心になって出来たものの為、
ヨーロッパから見て一番端を極東といい、真ん中ぐらいの東を中東という。
アフガニスタンからモロッコぐらいまで(つまり)アジアの西から、
アラビア半島・アフリカの北を指す。
しかし共通のものは無く、どちらかと言うと“イスラム教が
多くを占めているような地域”という認識。
【パレスチナ問題の歴史的背景】
あの地域にもともと力を持っていたのはイギリス。
イギリスは当時、トルコとの戦争で負けそうになった為、ユダヤ人側に、
『我々に協力(お金を貸)してくれるのならば、この場所に国を作っても良い』と
約束をした。
と同時に、アラブ人側にも同じ約束をする…
“二枚舌外交”というのを使った。
そして、1948年にイスラエルが一方的に国を作り、
それまで共存(何千年も一緒に暮ら)していたのが、
突然パレスチナ人に対し、『出ていけ!!』という話になった。
そしてもう1つ、その背景にはヨーロッパが関係していて、
ドイツで、『ゲルマン人の為の国がドイツだ!!そこにいるユダヤ人は…』と、
不幸なユダヤ人迫害がおこった。
↓
ユダヤ人は、
『何も悪いことをしていないのに…こんな目に遭うのは、国が無いからだ!!』と
イスラエルに行って自分の国を作る。
↓
ところがユダヤ人は、ドイツでの迫害があった為、
『俺達の国なんだから、パレスチナ人は出て行け!!』となり、
↓
追い出されたパレスチナ人は、
『何がいけないんだ…我々に国が無いせいだ!!
じゃあ、あいつ等と同じく、力でもって対抗しよう!!』ということで、武器を持った。
この、ネイション・ステイ(国民国家)という近代的国家観が、
それまで一緒に共存していた民族を、『自分達以外はダメ!!』とさせ、
不幸な歴史の始まりとなった。
そして現在…
それを乗り越えて、中東和平“和平を結んで共存しましょう”と、
国連はパレスチナ・イスラエルを上手く分割して
国にしようとしているが、問題点も…
●すでに自分の土地がある
●入植地をパレスチナ側に返すかどうか
●そして一番の問題は、エルサレム
(キリスト教・ユダヤ教・イスラム教それぞれにとって極めて重要な場所)の取り合い
それに対し国連は、領土を線引きし、
エルサレムに関しては国連が管理するという提案をしたが、
基本的に強いほう(イスラエル)は言うことをきかない。
(冷戦が終わって以降は、パレスチナ側の後ろにいたソ連がいなくなり、
アメリカとイスラエルが一方的に強い!!)
さらにイスラエル側は、今年の2月に今までの歴史の中でも
最も強硬な政権が出来てしまっている
(たとえば、今の外務大臣は『イスラエルの平和の為に戦争の準備をしろ!!』と言って
大人気を博した人)
と、問題解決には至っていない。
【イラク戦争の理由】
1990年8月2日イラクがクウェートに進行する
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これを撤退させるために多国籍軍が出来、
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クウェートから撤退させて、その後制裁をかける
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安全保障理事会は、イラクに義務を定める
(大量破壊兵器の破棄、人権の尊重等)
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が、イラクは十分に協力しなかった
↓
と言うのが1つ。もう1つは、テロリストとの関係。
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との理由で2003年、アメリカ側は、イラクに対して戦争をしかけた。
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…結果、イラクは大量破壊兵器を保有していなかった。
また、テロリストとの関係も未だ証明されていない。
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何の戦争だったのだろう…
アメリカが中東地域に入り込む方法として、仲良くなるパターンもあるし、
悪者を作り上げ、“敵の敵は見方”の論理で入っていくパターンもある…
そういった、アメリカの戦略の中にイラクは揉まれていったのかもしれない…
とのお話でした。
いろんな国々(人種)の思惑によって起きている問題なので、
まず、原因を辿るのが大変!!(汗)
さらにその思惑は、現在も続いているわけですから、
今すぐ解決しようというのは無理な話ですよね…
それよりも、大野さんのように、中東の良い所(文化・風習)などを伝えて、
少しでも分かり合える部分・興味を持てる部分を見つけていく事の方が
大事なように思いました。
まとめ ・血で血を洗う争いに終わりは無い!!
・“中東”は、報道されていることが全てでは無い!!
大野元裕さんのリクエスト曲♪ノー・ワン・バット・ユー/クイーン
♪イフ・ディス・ベース・ クッド・オンリー・トーク/スタンリー・クラーク
投稿者 newsclub : 06:48 PM