July 11, 2009 07:10 PM
スタッフ日記~35~
どうも、番組スタッフの剣持です。
第35回の今回は、日本人に急増しているという『うつ病』について、
防衛医科大学校教授で、日本うつ病学会理事長の野村総一郎さんを
ゲストにお迎えして、お話を伺いました!!
Q.うつ病は増えている?
A.正確な統計はありませんが…統計を見るまでも無く、
どこの学校・職場でも、『うつ病の人が増えたな~』と実感している方は多いはず。
Q.うつ病と思われる人の割合は?
A.大まかに言って5%(日本人の場合約600万人程度)
決して日本人に多いという訳ではなく、世界的に観てもこのくらいの割合。
むしろアメリカは10%と多く、とても意外だが、
陽気な文化だからこそ、うつを病むと病気として際立つ・症状が
露骨に目立つのではないか?
日本人はもともとが内向的なので、うつになっても症状が分かりにくく、
本人も周りも気づかずに、それなりに対応してしまっているのかもしれない…
Q.増えた理由は?
A.原因は2つ…
●『うつ病とは何か?』という定義を広げた為、
より多くの人が当てはまるようになった。
●時代のストレス、うつ病になりやすい社会状況(世界的に)
この2つの理由がたまたま重なって、増加の一途へと…
Q.では、うつ病になりやすい社会状況とは?
A.うつ病の原因とされるストレス…
ストレスは、現代に限らずいつの時代にもあった。が、
今は、うつ病になりやすいタイプのストレスが多いのでは?と考えられる。
昔は(良いか悪いかは別として)、割と単純で、社会が確固としていた為、
人々は、そのガッチリとしている社会に適応する努力をすれば良かった。
しかし今は、自由であるが故、価値の基準が曖昧で、
何が良くて何が悪いのか…、何を目標にすればいいのか…良く分からず、
ボンヤリとしたストレスに。
さらに、地球温暖化や、不景気などの問題が圧し掛かると、
“経済が発展すればするほど、温暖化は進み、オゾン層が失われる…”
と言った矛盾にもストレスを感じたりする。
Q.うつ病になりやすいタイプとは?
A.昔から言われているのが、几帳面で生真面目・気配りの人。
こだわり性だったり、キチンとやらないと気が済まないような人は、
うつ病になる危険性が高い!!
●几帳面・生真面目=自分のこだわりを持つこと
●他人に気を使う=そのこだわりを邪魔されること
…と、相反し、その矛盾がストレスになる。
また、“自分は出来る人間だ!!”など、自負心がありすぎると、
自分のプレッシャーに負けてしまう。
時代性なのか…最近は、上記のような人に限らず、うつ病になる恐れがある。
Q.うつ病の症状とは?
A.憂鬱感、やる気がしない、眠れない、食欲がわかない。
それから、頭が痛い、腰が痛い、なんだかしびれる等の体調不良。
憂鬱感が、2週間以上ほぼ毎日続いた場合に、うつ病と思われる。
経過や特徴から、大きく分けて2つに分かれる。
●単極性障害=大うつ病(メジャー、オーソドックスなうつ。うつのみの症状)
●双極性障害=躁うつ病(躁の症状と、うつの症状を併せ持つ)
躁=ハイな状態。それが余りに極端になると人に迷惑をかけることにも。
怒りっぽくなったり、気持ちが大きくなって浪費してしまったり。
Q.ずばり対処法は?
A.基本的には病気と判断し、病院にかかることをオススメする。
抗うつ薬でかなり症状も良くなる…が、薬だけでは駄目!!
薬と休養を組み合わせないと治りにくい。
本当に軽い症状であれば、休養だけでも十分。
そして、“自分は几帳面で生真面目で…うつになりやすいタイプ”と
自覚のある人は、肩の力を抜いて、あまりこだわらないよう意識する。
Q.身近な人間がうつ病になったら?
A.お説教をしたり、強く励ましたりはNG!!
真剣に相手の気持ちを受け入れる、話を聴いてあげること。
とのお話、大変ためになりましたぁ!!
“うつ病”や“躁うつ”などの言葉は、今や当たり前に使われていますが、
実際に病院にかかっている人はまだまだ少ないのでは?と感じます。
周りや社会も、“やる気が足らない”とか、“甘ったれているだけ”など、
うつ病を認めない傾向にあるように思うし、毛嫌いしているようにも思う
…私自身も。
その境界線があいまいなので、ジャッジがまだまだ難しい現状ですね…
まとめ ・憂鬱感が、2週間以上ほぼ毎日続くようなら要注意!!
・休養はキチンととる(ゴロゴロするだけでもOK)!!
野村総一郎さんのリクエスト曲♪ワルツ・フォー・デビイ/ビル・エヴァンス
♪アバヴ・ザ・トゥリートップス/パット・メセニー
投稿者 newsclub : 07:10 PM