東洋大学 酒井俊幸監督(12/25放送)
(学生時代の箱根駅伝の思い出)
学生時代、三度箱根駅伝を走りましたが、私自身として非常に悔しい、
そういう思い出が強いですね。スタートラインに立つまでに足が痛かったり、
貧血になったりとかベストなコンディションで臨めることが非常に少なかった大会です。
トラックでは(10000m)28分台、インカレでも入賞していたんですけど、
やはり箱根駅伝はそんなに簡単なコースでもなく、あれだけ注目の浴びる大会ですので、
一年二年で準備できるものではありません。
やはり長期スパンで、箱根路を走れる脚と箱根路のコースを克服できる強い心と
そういった準備がちょっと足りなかったのかなと今振り返ってみると思いますね。
(指導者としてのポリシー)
基本的には選手は一人一人箱根や夢や目標として入部してきてます。
本当は全員箱根を走らせてあげたいと思いますが、
やはり力のある者、強い者が箱根を走ると思います。
その強くなる選手はどういう選手が強いのかというと
当たり前のことをしっかりと当たり前にできる選手だと思いますので、
やはり普段の自分にいかにして勝つか、克己心という言葉を
生徒にも言いながら指導しています。
(就任後最初に気を配ったことは)
まずは故障者をなくすこと。それがチームの底上げにもつながります。
前回大会の主力の卒業生が四人いました。
いずれも往路の主要区間、そして復路の区間賞を走った。この穴は非常に大きいです。
人数的には埋まりましたが、その中で3区を走った大西智也、柏原が本当に頼れる、
そんな存在の彼がいなくなったのは非常に大きいです。
そこは本当に一人一人がレベルアップをし、チームが底上げをし、
総合力でカバーするしかないかなと思っています。
(出雲・全日本を通して箱根への手ごたえ)
(出雲)3区で出遅れたんですが、そこから立て直したところに
勢いが出てきたのかなと思いますし、また最後早稲田と競り合って
3番以内に入ったっていうのは大きいですね。
出雲も全日本もいずれも1区は柏原です。
彼を1区に起用したことによって流れを作り、そして前の方で
レースができたのがあったからこそ3番、2番になれたと思います。
ただ2番でもやはり出雲同様、最後は明治大学と接戦で競り勝って
また順位を上げることができました。そこにまた今年のチームの底力が
見えてきたのかなと思っています。
出雲は3位、全日本は2位。周りが注目するのはその上だと思っています。
もちろんディフェンディングチャンピオンとして優勝というのは
意識せざるを得ないと思います。
ただ、闇雲に“優勝、優勝”ではなく、優勝争いを狙うんだというスタンスの下に
しっかりと地に足をつけながら謙虚さを持って臨んでいければ
チャンスはあるのかなと。ただし、自分達のレースが出来なければ、
優勝争いどころかあっという間に二ケタ順位に
なってしまう危険性もあるのは今回の箱根だと思います。