2017年6月26日 我が家の茅の輪
気が付けば、今年も半分が過ぎようとしている。
6月の晦日(みそか)は、前の半年の最終日。
大晦日(12月31日)は新年を迎えるための大切な日。
同じように、6月晦日も、神様に前半の無事を感謝し、
後半の無事を祈るための祓いの日と考えられていた。
近くの神社には水色の「夏越しの大祓え」の幟が
梅雨のじめじめ感を遠ざけてくれている。
夏越祓いの方法は、人形に穢れを移して水に流す方法と、
「茅の輪くぐり」がある。
茅の輪くぐりは、神社の境内に竹で作った直径2、3メートルほどの輪に
カヤを巻きつけたものが置かれ、
参拝者がそれをくぐることによって身の穢れを祓う。
古には、夏の恐ろしい伝染病や水の災難を防ぐ祈りがあったという。
なぜ、夏越祓いとして茅の輪くぐりを行うようになったのか。
「備後風土記」に書かれている話が由来となっているそう。
あるとき、北の海にいたある神様が、
南の海にいた女神を訪れようとして道に迷ってしまう。
迷った所には村があり、兄弟が住んでいた。
弟は金持ち、兄は貧しかった。
神様は姿を変えて、まず弟に一夜の宿を頼んだ。
弟は断わった。
続いて神様は兄に頼んだ。
兄は喜んで家に招き入れ、出来うる限りのもてなしをした。
粟殻の座布因に座ってもらい、粟飯を御馳走した。
神様は感激し、お礼として兄に「茅の輪」のお守りを授け、
一家の腰に着けさせた。
時は流れ、村に疫病が流行した。
村の人達は皆死に絶えてしまった。
兄の一家だけを除いては。
それから、茅の輪は疫病退散、無病患災のシンボルとなったと言う。
今年も茅の輪くぐりの季節を迎えた。