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diary

2016年8月22日 帰ろうか

何かと心配されたリオデジャネイロ・オリンピックも
21日午後7時の時点では、大きな事件・事故もなく
過ぎようとしている。
金メダル12、銀メダル8、銅メダル21(上記時間現在)
日本選手団のメダル獲得数は史上最多となった。
それぞれの種目で日本選手は、勝っても負けても、私達に感動をくれた。
週末は、シンクロナイズドスイミングのチームと男子400メートルリレー。
共に、これぞ日本人の強さというものが出たと感じた。
シンクロナイズドスイミング。
3大会ぶりに日本を率いた井村雅代ヘッドコーチ。
メダル奪還という目標のため、徹底的に選手を鍛え上げた。
その練習は想像を遥かに超える。
先ず150メートル潜水で泳ぐ。
私は20メートルも出来ないと思う。
その直後に、演技を通しでやる。
誰かが失敗すると、連帯責任でまたやり直し。ほんの一例だ。
今回銅メダルを取った後に、一人の選手はこう言った。
「これまで楽しいことは殆どなかった」
選手を極限まで追い込む指導には、賛成意見だけではないのも事実。
しかし、コーチが信じた方法にコーチを信じた選手達は堪えた。
練習が、難易度の高い構成をやりきれる体力と集中力を育んだ。
シンクロ界、ロシアは群を抜いている。
次に中国。井村コーチが先年教え、井村イズム踏襲されているという。
ライバルはウクライナ。
長い手足を武器に今回も芸術性を押し出した。
日本は、技術と高い同調性の脚技で対抗。
練習によって培われた強い気持ちが、ダイナミックな演技を加速させ
身長差に打ち勝った。
強豪の一角に返り咲いたとき、前出の選手はこう続けた。
「大きな物を手にした。ついて来て良かった」
練習は裏切らない、改めてそう感じた。

陸上男子400メートルリレー。
日本チームに100メートルのファイナリストはいない。
9秒台もいない。
それでも、世界で2番になった。ボルトの次にフィニッシュしたのだ。
勿論、国内ではトップレベルの選手たち。
しかし、世界に出れば、超人ではない。
勝つために、バトンパスワークを磨く。
今回の銀メダルは
個のタイムの足し算だけで勝負は決まらない
ということを教えてくれた。
力量が違うからと端から諦めず
可能性を探る、日々の教訓となった。

レスリング女子、吉田沙保里。
決勝戦敗退、その瞬間、連覇は途切れた。
日本中の空気が重たくなった。
直後の表彰式、吉田選手は笑顔を作れないでいる。
笑って!銀メダルでも立派なのだから。
彼女の表情は、オリンピックで結果が出せず
無念の気持ちのアスリートを代表していた。
吉田選手の表彰台での泣き顔を見て感じたことがある。
彼女はこれまで連覇で見せ続けた笑顔に加えて、
今回、敗れた悲しみまでも私たちに教えてくれたのだ。
オリンピックには、参加した人の数だけドラマがある。
この後行われるパラリンピックにも物語が。
そして、4年後の舞台は東京。
「選手の努力に負けないよう、自分を律していかねば。」
台風が近づく前の夕焼けを眺めながら、そう思った。

貴方はどのシーンが最も心に残っていますか?

帰ろうか
帰ろうか