« 2016年7月17日のゲストは浜美枝さん | メイン | 2016年7月25日 サルスベリゲットだぜ! »

diary

2016年7月19日 梅雨の終わり

都心でもセミが鳴き始めた。
JR浜松町駅に降り立つと
旧芝離宮恩賜庭園の樹々の方向から賑やかに聞こえて来る。
アブラゼミとミンミンゼミの声だ。
「アブラゼミ」という名前の由来をご存じだろうか。
鳴き方が「油で揚げているような音」だから。
数年前まで私はこのセミが「オイリー」なのかと勝手に決めていた。
セミから、
「ゴキブリと一緒にするな!」
文句が聞こえてきそうだ。
最初「ジッジッジッ」と勢いをつけるように鳴き始め、
勢いがついたら一気に「ジジジジジジジ~」が20秒ほど続き、
「ジ、ジ、ジ、ジ、ジ...」と尻すぼみに終わる。
体長は6センチ程度だが,網戸にとまり、近くで鳴かれると
強烈な鳴き方である。
アブラゼミは成虫も幼虫も暑くて湿度の高い気候を好む。
暖冬で雪が少なかったりして、幼虫が冬場に乾燥にさらされると
生育に良くないようだ。
昔は、セミといえばこのアブラゼミだったのだが、
都市化による緑地の減少や
温暖化の影響から来る都市部でのヒートアイランド現象による乾燥化で
現在はかなり生息地域が偏っていると聞く。
関東地方では、まだまだ多数生息しているし,
他のセミより優勢を保っている。
一方東京では,乾燥に強いミンミンゼミがじわじわと増えているそうだ。
ミンミンゼミは、「ミーンミンミンミン...」と聞き取れる。
鳴き声からの名称だ。
ミンミンゼミの幼虫は、乾燥した土を好み,その意味で都市向き。
東京、横浜、仙台の市街地にもいるが、
元々暑さに弱く涼しい所を好むため、
主な生息地は森林地帯で、午前中によく鳴いている。
セミは体内に発生器があり、筋肉で鼓膜を振動させている。
その振動のさせ方や発音器の大きさ・形が違うので、鳴き声が違って来る。
ちなみに鳴くのはオスだけ。
では何のために鳴くのか。
鳴いているのは求愛のためなのだ。
また、同じ種類のセミを探しやすいように、
鳴き声や鳴く時間が違うのだそうだ。
更に、鳴いた後の行動も違うという。
ミンミンゼミは、ひとしきり鳴くと、
すぐ他の木に移動してメスを探す。
アブラゼミはずっと同じ木にいてメスが来るのを待っているのだ。
例えれば、素敵な彼女を見つけるのに
港区のミンミンゼミは、
旧芝離宮恩賜庭園、浜離宮、増上寺と移動しつつ探す。
他方アブラゼミは、旧芝離宮1地点勝負。
メスの行動にもよるのだろうが
どちらが効率的なのだろう。
子供のころ
そうとは知らずに補虫網で採りまくっていた自分。
「ジジジ」という声が
「おい!セミの恋路を邪魔するな!」
と叫んでいたことに気が付く。
そりゃあ、おしっこもひっかけるよなあ。
視界の中を赤とんぼが飛ぶ。
今年も夏がやって来た。

梅雨の終わり
梅雨の終わり

夏色
夏色