2016年6月13日 白無垢の花嫁
梅雨の晴れ間の日曜日、久しぶりに旧芝離宮恩賜庭園へ行った。
梅、桜、藤、紫陽花と花は過ぎ、今は緑ばかりなり・・・
と思ったら大間違い。
濃さを増した緑の中で、目立ちたがりの花々が
様々な色を披露している。
入り口を入ってやや右に目をやれば、ユリの形をした白い花が
あまりに清楚で感動。
白無垢の花嫁を彷彿とさせる。
右手に歩を進めると左右に紫陽花が今を盛りと咲き誇る。
ふと右に首を回すと、夾竹桃の濃いピンク。
その赤さに目を奪われる。
歩きながら余韻に浸っていると
小道の先に、小粒で上品な赤紫の花が。
これが萩の花。
冬には根元から伐採し、もう栽培をやめたのかと心配した。
ところがどっこい、強かに成長してきたのだ。
今年もおはぎが見られた、と安堵しながら左手に回り込む。
すると、春先に私たちを楽しませてくれた梅の木が姿を現す。
青々とした枝の中から、卵を産むように
今は果実を足元に降らせていた。
池を左回りに歩くと、オレンジ色が鮮やかだ。
のかんぞうの花。
人間ドックが近いので、肝臓という言葉が頭をよぎった。
異常値が出ませんように。
橙の花の脇をよく見れば小さな地味目の白い花。
あれま、ドクダミではないか。
我が家の庭に断りもなく生えてくる植物だ。
庭園にもちゃっかり居ついていた。
大したものだと苦笑しつつ
池を見ながらゆっくり歩くと、池の畔に花菖蒲、
白と薄紫が涼やかである。
いよいよ出口に近づく。
私を見送ってくれたのは、桔梗。
五角形の高貴な紫が見物客の足を止めさせる。
所要時間15分。今度は雨の日に来てみよう。
きっと晴れとは違った趣があるはずである。