2016年4月11日 極み
ソメイヨシノの花びらが舞う中
水泳界を牽引してきた男が
現役という花を散らす時が来た。
競泳の北島康介選手が現役引退を表明。
33歳、スーツ姿の北島選手は
「現役生活を退きます」と引退を正式に表明したうえで、
「幸せな選手生活だった。
平井先生(コーチ)がいたからこそ金メダルを取れたし、
仲間がいたからこそ、やってこられたと思う」と心境を述べた。
その表情には、国民の期待という重圧から解放された
安ど感があった。
彼の飾らない言葉が好きだった。
印象に残っているレースについては
「あえて挙げるなら北京オリンピックの100メートル平泳ぎ。
100%勝てるかどうか分からなかったなか、
パーフェクトで会心のレースができた」と振り返った。
そうか、あの時か・・・
北島選手に北京でインタビュー出来たのが良い思い出だ。
引退会見、今だからという内容にも感動。
2004年の流行語大賞にもなったアテネオリンピックでの
「チョー気持ちいい」という言葉について、
「泣きたかったのを我慢して言ったことば」
と笑いながら明かした。
泣きたいほど嬉しかったけれど涙を流したら・・・
そんな「うれし涙の代わり」だったからこそ
私達の心に刺さったのだ。
どんな表現でも、思いが乗れば人に伝わる
人が発する言葉とは、単なる音声ではない。
その響きや強弱に繊細な心が込められているものなのだ。
今後については、
「水泳界だけでなくスポーツ界に貢献したい気持ちが強い。」
と話していた北島選手。
花びらの後には青々とした葉が出てくる。
次のステージも楽しみだ。