2015年2月16日 ほっ!
バレンタインデーが過ぎ、街は「ひな祭り」の話題に移った。
私の話題は、前回までの続きである。
眼の痒みのため、眼科に行った。
すると、緑内障の心配が発覚。
そして、検査。
幾つもの検査の終わりに受けた「視野検査」
これが、私を悩ませた。
「画像の中心をぼんやり見ていてください」
「はい」
「すると、周りに小さい明りが点滅します」
「ほう」
親父の返事をしてしまった。
「見えたと思ったら、手にしているスイッチを押してください」
「はい」
「では、練習です。硬くならないでいいですよ」
きっと、肩が上がって来ていたのだろう。
顔が熱くなった。50半ば過ぎの親父が緊張しているのだ。
練習が済んだ。
「その調子です。これからは光るものが小さい場合もあります」
「はい」
「これをおよそ5分やってもらいます。長いけれど頑張ってください」
テストが始まった。
滑り出しは順調。中心の上下左右を視野に入れ、何処かが光ると
スイッチを押した。
ゲーム感覚で順調。
しかし、そのうちに点滅の印が小さくなってきた。
バックは薄暮状態、大変見にくい。
「あれ?今光ったかな・・・錯覚?あれ?」
ふと、疑問が。
「これ、点灯していないのにスイッチを押すと、大減点かな・・・」
ゲームだとかなりの減点だ。
金の斧銀の斧のように、嘘をつくととんでもないことになるのだろうか。
あとで、医師から
「寺島さん、検査をなめていませんか?あなたの検査ですよ!」
などと、叱責を受けるのでは・・・。
性格テストも兼ねているのか?
そんな余計なことが頭に浮かぶと、心がさざ波だってきた。
点滅しているのか、いないのか自信がない。
「まずい、このままだと、とんでもない結果になる。落ち着け」
迷いながらボタンを押した。
「はい終了です」
脇の下から汗が出ているのがわかる。
「あの、これって、見えたと確信したら押すのですよね?」
「いえ、見えたと思ったらですよ~」
え~~、それ先に言ってよ~!
きっと、極端に私のスイッチオンは少なかったと思う。
石橋をたたいて、橋を渡ったからだ。
「あのう、私、押すの少なかったですよね。」
「そうですね、少なめでしたね」
キャンディーズ、スーちゃん似、係の女性が微笑んだ。
私は、微笑み返しが出来なかった。
10分ほどして、さだまさし氏タイプの医師に呼ばれた。
データを見る目が厳しい。
「う~む、寺島さん、データを見ますと・・・」
再検査という言葉が出たら、
「先生、私、視野検査に不慣れでした!もう一度やればもっといい結果
叩きだしてやります」
そう言おうと身構えた。
「問題ありませんね」
カックーン・・・脱力した。
「先生、検査、悩みました」
「あ~、そんな人も考慮に入れてプログラミングしてありますから」
「よっ!先生!憎いね!おっしゃる通り!」
世の中、そういうものなのですねえ。また良い経験をした。