2014年10月20日 タイムスリップ
3週ぶりに台風の心配がない日曜日。
秋特有の高い青空が爽やかだ。
昼前、港区大門界隈を散策中、目を細めて空を見上げていると、
何処からか拍手の音が。
この時間に拍手と言えば・・・。
幅が3メートル位の路地を抜けると、
コンクリート製のグレーの鳥居が見えてきた。
芝大神宮である。拍手(はくしゅ)は柏手(かしわで)の一杯バージョンか。
参道には、礼服姿、20人位の集団が祝福を音で表現していた。
視線の先には人力車。黒の躯体に赤いソファーが鮮やかだ。
車上で白無垢の新婦と黒紋付きの新郎が笑顔を振りまいている。
引手は茄子紺の法被姿に笠。
道はアスファルト。ビルが並ぶ。
都会の街に、3人がタイムスリップしてきたかのようだ。
車が動き出した。
大通りへ向かう。信号のないT字路。
人力とはいうものの、歩道ではなく車道に進んだ。
人力車には音響装置が付いていて、控えめに雅楽が聴こえる。
日曜ということもあって、交通量は少ない。
片側3車線の道をゆっくり左、新橋方向に折れた。
何処まで行くのだろう・・・。
歩道側の車線を静かに進む。
暫くついていくことにした。
100メートル程進むと、1つめの赤になっている信号
急に横断歩道を渡り始めた。
どうやらUターンしたかったようだ。
そして浜松町方向へ。
駅の近くには披露宴会場がある。
そこまで行くようだった。
部屋に戻り、カレンダーを見ると、仏滅。
神式なので関係ないか。
近頃は結婚プランに仏滅割引もあると聞いた。
「愛する2人に悪い日などないよね。」
新郎新婦の笑顔がそう語っていた。