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diary

2014年3月17日 いずれにしても春は来る

先週金曜の未明、西日本の愛媛、山口、大分あたりで
震度5クラスの地震があった。
南海トラフを含むこの地域、このクラスの地震・・・。
気象庁は、「今回の地震が直接南海トラフ大地震につながるものではない」
としている。
この見解にほっと一安心。
ラジオ放送に携わる者として、今一度『南海トラフ地震』について
確認してみた。
そもそも南海トラフとは何か。
南海トラフとは、駿河湾から九州にかけて、プレートが接する境界にある溝のこと。
この南海トラフ付近で起こる地震は、
震源域が、3つに分けられる。
まず、駿河湾から浜名湖にかけてのものを東海地震、
浜名湖から潮岬にかけてのものを東南海地震、
そして、潮岬から四国沖でおきるものを南海地震という。
この3つが同時に起きる最大規模の地震を、南海トラフ巨大地震という。
南海トラフ巨大地震が、どれだけの被害をもたらすのか?
首都圏に来る、津波のシミュレーションを参考にする。
津波は、震源の西からやってきて、まず伊豆諸島に到達する。
第一波の到達は最も早い場合、地震発生からわずか11分。
その数分後には20メートルを超える大津波が押し寄せると想定されている。
最悪の場合津波の高さは、最も高い新島で31メートル、
神津島で25メートル、小笠原諸島で20メートルだという。
首都圏の沿岸部も、大きな被害予想が出ている。
津波の高さは、最大で千葉県館山市で11メートル、
神奈川県鎌倉市で10メートルなどと、10メートルを超えている。
横浜市や千葉市、東京都の臨海部など
東京湾内でも3メートル以上の大津波が想定されている。
津波の第一波が到達するのは地震発生から30分余り。
東日本大震災の時、たとえば気仙沼に津波が到達したのがおよそ47分だった。
津波の到達時間は様々なのがわかる。
東京都内では、中央区、港区、江東区、品川区、大田区、江戸川区の6つの区で、最大で2メートルから3メートルの津波が押し寄せると想定。
国は、いずれも防潮堤や水門などを越えることはなく、人的被害や建物への被害は出ないとしている。
ただし、防潮堤や水門よりも海側にある公園などでは、
津波がそのまま押し寄せる恐れもあって、
地震が起きた際には、津波に関する情報に十分に注意が必要だ。
津波が原因の死者も出ると想定される。
被害が最大となるケースでは、神奈川県でおよそ2900人、
千葉県でおよそ1600人、
伊豆諸島と小笠原諸島でおよそ1500人などと想定されている。
ではどう対応すればよいのか。
早めの避難、これに尽きる。
具体的には、地震発生から10分以内に、津波被災地域の全員が避難を開始。
津波警報が出たら、とにかくより高い場所、
沿岸から遠い場所に避難すること。
さらに、想定では、関東の沿岸には津波が半日ほど繰り返し押し寄せるので、
津波警報が出ている間は高台に留まることが大切だ。
普段は沿岸で暮らしていない人でも
旅先や仕事先で地震が起きる可能性がある。
大きな揺れから身を守った後で
海の近くにいた場合は、津波に注意しなければならないのだ。
心の備えも必要である。

いずれにしても春は来る
いずれにしても春は来る