2013年10月7日 秋の色
先週の続き
10月31日から11月2日までのハロウィン。
ハロウィンの起源は、古代ケルト民族に遡り、年越しの祭りだという。
そして、精霊を迎えて新年を迎えるにあたり魔よけと豊作を祈って
かがり火を焚く。
街は、オレンジ色のかぼちゃに、顔が書いてあるものだらけである。
あれは何?
「ジャック・オ・ランタン」ジャックの提灯のことで、
アイルランドに伝わる民話が元になっているという。
掻い摘んでお伝えする。
その昔ジャックという男 がいた。
ジャックは酒好きでケチで乱暴者。
いつも人をだましてばかりいた。
あるハロウィンの夜のこと。
ジャックはいつものように酒場で 飲んで酔っ払っていると、
地獄からやってきた悪魔に出会った。
ハロウィンの夜はこの世とあの 世の境がなくなり、
その時だけ時間がとまってしまう。
この時を狙って多くのお化けたちが人間に 取り付こうとやってくる。
悪魔は「お前の魂をとってやる。」とジャックの魂を奪おうとした。
ジャックは魂をとられたくない。
悪魔にこういった。
「わかった。魂をあげよう。でもその前に酒を一杯ご馳走してくれ。」
悪魔は、その一杯のお酒を買うお金に変身した。
すると、ジャックはお金に変身した悪魔を
すばやく自分の財布の中に入れた。
「出せ!出してくれ!」と悪魔。
「出して欲しければ 取引をしよう。」
「何でも聞くから出してくれ!」
ジャックは悪魔にこれから10年間は
ジャックから魂をとらないと約束させて、悪魔を財布から出した。
10年の月日が経った。
ジャックがハロウィンの夜に道を歩いていると、
またあの悪魔と出会った。
「今度こそお前の魂をもらう。」
ジャックはまだ魂をやりたくない
「わかった。魂をあげよう。
でもその前にあの木になっているリンゴを一つとってくれないか?」
悪魔はリンゴくらいやってもいいかと木に登った。
すると、ジャックはすばやく木の 幹に十字架を刻んだ。
悪魔は十字架が怖くて下に降りることができない。
「頼むから降ろしてくれ。」
「降ろして欲しければ取引をしよう。」
ジャックは 悪魔に自分の魂を絶対にとらないことを約束させて、
木から降ろした。
何年か経ち、ジャックは年をとって死んだ。
天国に行こうとしたジャックは生きている時、
ケチで乱暴者だったために天国には行けなかった。
仕方なく地獄の門をたたいたジャックは
そこに 立っているあの悪魔と出会った。
「地獄へ入れてくれ。」ジャックが頼んだ。
「お前の魂は とれない。約束したからな。」
と地獄へ入れてくれない。
ジャックは困った。
「だったらどこへ行けばいいんだ?」
悪魔は言った。
「元の所へ戻るんだ」
ジャックは来た道をトボトボと戻りはじめた。
道はとても暗く、風も強い。
真っ暗では道がわからない。
ジャックは悪魔に頼んだ。
「わしに明かりをくれ。」
悪魔は地獄で燃えている火の塊を一つジャックにやった。
ジャックは その火の塊をカブの中に入れて提灯を作った。
そしてその提灯を持ってこの世とあの世を さまようようになった。
いつしか、ジャックの持つちょうちんが死んだ人々の魂のシンボルとなった。この話がアメリカ に伝わるとカブがカボチャになった。
いかがだろうか。
正直、話を知っても、ハロウィンはまだ身近ではない。
頭が固くなっているからだろうか・・・。