2013年4月8日 期待と不安
新年度がスタートして、1週間。
個人的には、あっという間に流れて行った。
そして、週末の嵐。各地で被害が出た。
土曜の夜、用事があり、街にいた。夜9時頃である。
風はさほどではない。
雨は、まさに「ザーザー」降り。
布製の傘に当たる雨粒が「ボツボツ」と喧しい。
歩道は、いたるところに深さ1.5センチ位の水たまりができている。
防水仕様の靴の中にすら雨が浸入しそうな気配。
一方で地面に跳ね返った雨粒が、ズボンの裾を重くし始めた。
その水分が靴下に伝わり、靴の中へ。
「外から中から」の挟み撃ち。
「やはり、こんな時に外出はだめだ・・・」後悔しながら歩いた。
通行人はまばら・・・と思いきや、結構いる。
大きな交差点の少し行ったところにタクシーが止まった。
中からは披露宴・二次会会場に移動しているのであろう。
着飾った20代の女性たちが降りてきた。
酔いも手伝って、傘もささずに「キャーキャー」言いながら店に走る。
5メートル先に目的地があったようだが、豪雨の餌食となった。
ただし、皆笑顔。楽しんでいるようだ。
人はそれだけではなかった。
交差点横断歩道付近に、大きめの透明なビニール傘をさした人が5人。
先ほどの人たちと決定的に違うのは、滞留していること。
何かを待っているのだ。
初めは皆コートを着ていてどういう人たちなのかわからなかった。
その中の一人、20代前半の男性が声をかけてきた。
傘に当たる雨音が「バチバチ」いっている。
「お客さん!居酒屋いかがですか?今、生ビール半額です」
彼の足元を見れば、ふくらはぎにズボンがぴったり張り付いている。
「雨の中大変ですね。また今度にします」
「失礼しました。今度、お待ちしています」
「何時までお客さん見つけるのですか?」
「いやあ、何ともいえません。今夜は厳しいですけれど・・・」
仕事とは、やはり大変なものなのだ。礼儀正しい分、残念な気分。
もう少し暑くなったら、生ビールを飲みに行こうと思う。あの店に。