2012年7月30日 天と海と大地の産物
ロンドンオリンピックが始まった。開会式前に行われたサッカー、男女ともに幸先のよいスタート。
柔道男子で銀メダルがでた。
さらには、一度出した判定が正反対に覆るという珍事。
覆って当然なのだが。
204の国や地域からおよそ1万人。
1万通りのドラマがあるのだ。
土曜から一泊で北海道に行った。
年間で風速10メートル以上の日が290日ともいわれる、えりも町。
北海道の背骨、日高山脈が海に入りこむ場所、襟裳岬でお馴染みの町だ。
夜は冷えると言われて、サマーセーターと上着を用意し、帯広空港に降りたところ、33度!
「東京の暑さを出前してくれましたね」
と現地の人からジョークを飛ばされるほど場違いな気温。
風も弱く、風力発電のプロペラが暇そうにしていた。今回の目的は、コンブとり体験。
出汁をとったり、個人的にはおでんで初めに食べる
海藻である。
結論から言うと、知らないことだらけ。
今回経験したえりも町庶野(しょや)では、朝5時にサイレンがなり、出漁。
1人か2人乗りの小さなボートで漁場へ。
浜から近い。
水深8メートル位の場所にゆらめくものを先に鈎がついた竿に引っかけて取る。船いっぱいに成ると浜に戻り、束ねておいたコンブをクレーン付きのトラックに乗せかえる。
コンブ漁には晴れの日にしかでない。
何故か。
とった直後に天日干しをするからだ。
えりも町には至るところに砂利を敷いた広場がある。そこにとりたてのコンブを一本一本広げながら並べていく。
それは家族の仕事。
奥さんが中心となり、子供達が干している。
6時頃から干しはじめ、
トラック3往復もすれば10時頃。
合間に握り飯を頬張る。
磯の香りが食欲を旺盛にさせる。
少し手伝ってみた。
おかみさんが笑顔で言った。
「明日、腰痛くなるから、覚悟しときなよ」
確かにほぼすべてが中腰の作業だ。
午後3時までには乾燥完了。
その後用事のない父さんは、飲み始めることも珍しくないそうだ。
コンブは国内では北海道産が9割以上。
家族総出で手間ひまかけて商品化している。
農作物ももちろんだ。
生産者の作業を見学するのも食物に対する有り難さ見直しに繋がると改めて感じた。