2009年12月27日 野菜の種子(タネ)
昔ながらの伝統野菜を残していくことはとても意義のある
ことですが、今日は、野菜の種子(タネ)を保存し、
あとの世代に継承しよう!という活動をご紹介します。
広島県 東広島市「財団法人 広島県農林振興センター」
「農業ジーンバンク」の船越建明さんにお話をお伺いします。
◎農業ジーンバンクとは、どのような施設なのでしょうか?
ジーンバンクの「ジーン」は、遺伝子の意味。
種子の保存を目的とした施設で、1989年に設立されました。
野菜だけでおよそ2,550品種、稲、麦などを含めると
国内外18,500種余もの品種を保存しています。
国の機関で農林水産省が管理している施設はあるが、
県レベルで取り組んでいるのは大変珍しいんです。
◎この取り組みをはじめたきっかけを教えて下さい。
全国各地を回っているうちに、昔ながらの種子を集めて
みようという話になったのがきっかけです。
◎どのような方法で、種を集めるのでしょうか?
伝統野菜を残している県や、各県の大学などに呼び掛けをします。
大学では、種子を研究用に所持している場合が多く、そこに相談を持ちかけ、譲り受けています。
◎膨大な数の種を集められているわけですが、どうやって保存しているのでしょうか?
大きな冷蔵庫があり、2つにわけて保管しています。
1つはよく種子を出し入れする冷蔵庫で、マイナス1度 湿度20~30%に保っています。
2つ目は、マイナス10度で入れっぱなしにしています。
こちらは、永久保存を目的として、ほとんど出すことはないんです。
◎集めた種は、その後、どうするのでしょうか?
栽培を希望する県内の農家にタネを無償で配布し、
県外の希望者には、その地方の伝統野菜の種子と物々交換しています。