2008年9月22日 静寂の先に
久しぶりに披露宴の司会をした。人の幸せに立ち合えるのは大好きで、話をいただくと光栄なのだが、直前になるとプレッシャーで憂鬱になる。毎回そうだ。今回は特に先輩の息子の宴。雨の中原宿・東郷記念館に向かった。竹下通りがいつも以上に渋滞。次第に威勢の良い掛け声が聞こえてきた。地元秋祭りの御輿が練り歩いていたのだ。若者が珍しそうに様子を見守る。肩口を濡らしながら会場に着き打ち合わせに入った。
祝電チェックや流れの確認であっという間に開始五分前。明るく和気あいあいでお願いします!先方の要望だ。二十年前は仲人がいて二人のプロフィールは任せていたものだが、今は媒酌人をたてず紹介は司会の役目となった。その他、ファーストバイトやデザートブッフェなど、それなんですか!?なるものが発生している。お客さんのタイプによって、盛り上げ方が多少異なる。若い人が多い時は腹から声をだす。年配が半数なら落ち着いて喋る。微妙な空気を探る。何処で笑い、何処でしんみりするかも貴重な参考材料だ。今回は、初っぱなから乗りの良いお客さんだ。プロフィールで笑いとウルウル両方を堪能していただき、鏡開きでカメラマン魂をくすぐり、歓談はたっぷりとお腹を満たして貰う。キャンドルサービスで目の保養の後、新婦の手紙で会場は感涙のクライマックスだ。新郎新婦の人徳も大切で、大人の弾け方をしてくれさらに場が和んだ。お開きの後、心から感謝されて、やっとこちらも開放される。今回も喜んで貰えた。幸せに立ち合えた。この満足感は筆舌に尽くしがたい。今度はいつ立ち合えるのだろう。でも、直前になればまた・・・。因果な役割である。