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diary

2008年3月31日 淡々と咲く・・・悠久

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淡々と咲く・・・悠久


先週の土曜(22日)に開花した東京のソメイヨシノが、1週間も経たない27日(木)に満開を迎えた。これは統計開始から3番目の早さだ。一方で南の九州はというと、鹿児島に至っては28日に漸く開花が発表されたばかり。何とも不思議な話だ。今年の桜は東京と静岡が全国のトップを切って開花。例年ならば、四国の高知辺りからほころび初める。九州がこれに次いで、以降桜前線は北上してくるのが常だ。なのに今年は何故開花が東西逆転したのか・・・。「休眠打破」という言葉がある。秋に木々の成長をとめ、冬の一定期間を過ごす。そして、気温が5度前後になると目覚めのスイッチが入り、春に向かって気温が上昇するにつれて、開花の準備に入る仕組みだ。東日本の気温は、比較的大過なく推移した。しかし西は、秋から冬にかけて気温が下がらず、春先に気温が上昇する時期に適度な気温にならなかった。故に東西逆転した、ということらしい。植物には、気温のメリハリが特に大切なようだ。

週末、法事で山梨・塩山に行った。この時期ビニールハウスの設営に忙しい。何を作るのか聞いてみると、言わずとしれた「ブドウ」。早期出荷用だ。需要があるのは勿論、しかしそれよりもブドウ栽培はとにかく手間がかかるから、畑を4分割し時間差で栽培しないと手が足りないし美味しいものが出来ない。そんなブドウも、昼間暖かくて夜は気温が下がる甲府盆地の土地柄ならではだと言う。昼間に暖かなたくさんの日を浴び、光合成でエネルギーを蓄える。夜も暖かいと、植物自体の活動も活発化しエネルギーを大量に使ってしまう。しかし気温が低いと、活動は抑えられ木に栄養分が残る。それが美味しい果実、ブドウに繋がるのだ。

「敵に塩をおくる」でお馴染み、海の無い山梨県。海の幸は無いが、大地の恩恵は受け、武田信玄など学びたい歴史もたくさんあるところだ。偶然だが、懐かしいSLにも遭遇した。4月に1部区間で走ると言う。私が小学生の頃はまだ実際に走っていた。黒い車体に黒い石炭、そして黒い煙。黒ずくめから放たれる煙の匂いが妙に懐かしかった。数百年の歴史がある寺の桜を眺めていた。するとこんな声が聞こえた。「長い時の流れの中には、たまにはへんてこなことが起きたり、忘れられたりもあるもんだ。しかしコツコツ努力をしていれば、花は咲くし、光も再びさしてくるよ 」と。素敵な日帰り旅行だった。


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黒い光る思い出 1


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黒い光る思い出 2