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diary

2008年3月10日 春・実感

近所の梅が漸く花を開き始めた。よく言われるが、平安時代以前は桜より梅に人気があったと言う。梅が咲くのも散るのも比較的ゆっくり。花の付き方も桜に比べれば隙間がある。花自体は似ているのに。そう考えていくと、けっこう梅は損な立ち回りの花だ。

「松竹梅」という表現を耳にする。「特上・上・並」と同じで、モノのランキングを語るときに使う。松やや竹と違って毎年綺麗な花を咲かせる。松や竹だけでは有料の公園は成立しないが、梅は梅園として立派に客が訪れる。さらに花が済めば、今度はその実は干されたり酒に漬け込まれ私たちを楽しませてくれるのに!である。歳寒三友(さいかんのさんゆう)といって、元々は松竹梅に順位はなく、松は一年中緑を保つことから「長寿」の象徴。竹は真っ直ぐ勢いよく伸びることから「成長」。梅は一番に花を付けることから「生命力」を表現する。ではどうして・・・。どうやら語感らしい。「梅松竹」「松梅竹」「竹梅松」は語呂が悪いし、「梅竹松」は何だか悔しがっている響きだ。

そんな目で改めて隣家の梅を眺めた。そうするとこんな声が。「いいんだよまわりの評価なんて。私は私、精一杯生きる。それが皆の役に立っているならばこんなに嬉しいことはないから」桜は桜、梅は梅なのである。そんな梅に顔を近づければ、馥郁たる香りをプレゼントしてくれた。梅的生き方も素晴らしいなあ。


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春・実感

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ゴーイングマイ梅ー