2007年11月19日 雲走る
朝晩はぐっと冷えてきたが、昼間は相変わらず20度前後の暖かさである。
「この暖かさがずっと続けばいいのに・・」冬が苦手の人は誰しもそう思うだろう。まさに小春日和。裏の家では、剪定の小気味よいハサミの音が響いていた。
一方で、この季節に相応しくない気温のため、悔しい思いをした人がいる。東京女子マラソンに出場した渋井陽子選手。
「ただの惨敗です。力がなかっただけ」大会新記録で優勝した野口みずき選手の走りを見てしまえば、あれこれ言うことは出来ない。しかしこの短い言葉の裏に、29キロまで優勝争いをし、脱落していった悔しさが滲んでいる。気温の高さは予想以上に体力を奪う。野口選手は何度も首や足に水をかけていた。晴天の日射しもジリジリ照りつけていた。スポーツに言い訳はない、結果が全て。アスリートは、気力・体力・そして環境の3拍子が揃ってはじめて栄冠に届くのだ。ゴール時にはジョギングのスピードまで消耗し、関係者に肩を抱かれ、サングラスを外さないまま何度も目尻を手で拭い引き上げる渋井選手に勝負の残酷さを感じた。栄光には、胸の張り裂けるような悲しみを何回重ねれば届くのだろうか・・・。だが、世の中で1番幸せな笑顔と絶望を洗い流す涙・・・どちらも人を動かす力を持っていると改めて感じた。
野口さん、おめでとう!渋井さん、頑張れ!
2人の一所懸命さは、アスリートの直向きさは風邪気味の私に力をくれた。