7月27日 ゲスト:太田直子さん
◆テーマ
『“映画の字幕屋” 奮闘記
―― 太田直子さん 』
この日のゲストは
映画字幕翻訳家の太田直子さん。
『ボディガード』『ヒトラー、最後の12日間』
『バイオハザード』シリーズ(II~V)
『マダガスカル』シリーズ『シュレック2』
『天使の分け前』など、これまで1000本以上の
字幕翻訳を手がけられ
自ら“字幕屋”を自称する太田さんに
様々な制約に縛られる字幕制作の苦労や
現状をお伺いしました。
▲スケッチブックの言葉について詳しくは こちら(PC版)
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直訳では成り立たない映画字幕の世界――。
“日本語力”が求められる字幕屋の真実が明らかに!
■セリフ1秒に 4文字
映像を目で追いながら、字幕を読む速度には
限度があるため、日本語字幕は
1秒のセリフに対し約4文字の目安があります。
太田 「毎セリフ、計算しながら翻訳していきます」
また、登場人物の口の動きと連動していなければ
不自然になるため、画面に字幕が映るのは
“しゃべっている間だけ”。
太田 「黙ってしまったのに
字幕があるのはおかしいですから」
日本語吹き替えと字幕翻訳で
セリフがどのように変わるのか、
太田さんの著書
『字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ』に
紹介されている例を
弘兼さん&唐橋さんが実演しました。
■日本語吹き替え
(男)「どうしたんだ?」
(女)「あなたが私を落ち込ませているのよ」
(男)「僕が君に何かしたか?」
吹き替えの場合「文字数」の決まりはありません。
(口の動きにあわせる必要はあります)
字幕の場合は、文字数制限(1秒4文字)があるため
次のようになります。
■字幕翻訳(太田直子さん作)
(男)「不機嫌だな」
(女)「おかげでね」
(男)「僕のせい?」
唐橋 「見事ですね!
でも、難しいですね」
■字幕翻訳の苦労
日本と海外との文化の違いにより
日本語翻訳に苦労することがあります。
太田 「あれはもう必死で考えて、考えて、考えて、
でも、考えすぎると凝りすぎて
誰も笑ってくれない・・・」
直訳では意味が伝わらないことはザラ。
英語のダジャレを日本語字幕にする場合
直訳では観客が理解できないため
字幕翻訳担当者が考えに考え抜いて
日本語を当てはめます。
しかし、笑いを取れず
“寒~い”ことになることもあるとか。
また、物語の流れが観客に伝わるように
意訳をすることがありますが
時に、意訳しすぎて「誤訳だ!」と
非難されてしまうこともあるそうです。
文学的表現、前衛的表現がある作品、
難解な作品の場合も苦労が多く、
意味を理解するために
セリフを何度も繰り返し聞くことも。
太田 「雰囲気、シャレ、諧謔(かいぎゃく)、
ウィット・・・そういうものも
字幕に出したいんですけど
なかなかうまくいかないですよね」
これまで約25年の字幕翻訳者人生で
「本当に泣きそうでした」という作品は
ロシアのアレクセイ・ゲルマン監督の
『フルスタリョフ、車を!』(1998年 ロシア・フランス合作映画)
医者が陰謀に巻き込まれ・・・、
スターリンの死亡シーンもある作品。
( ↑ この説明もアバウトですが・・・ )
太田 「何を言ってるのかさっぱりわからない。
流れもわからない・・・。
ロシア文学をやっていた小説家の方が
試写会で見て『字幕なくても同じだよね』と
言われちゃったことがあります。
監督に直接いろいろ
聞きに行きたかったくらいです」
■太田直子さんの最新情報
■新刊『字幕屋のニホンゴ渡世奮闘記』
(岩波書店/1,700円+税/2013年4月発売)
▲画像をクリックすると岩波書店のサイトにジャンプします
■ペリー荻野の怪傑!暴れん坊将軍
今週はペリーさんが
シェアオフィスサービスをご紹介しました。
■シェアオフィスの主な特徴
◆ひとつの部屋で、机やコピー機などを共用
◆低予算で利用可能(月額1万円以下もあり)
◆法人登記が可能
今回ぺりーさんが取材に訪れたのは
定年退職されたシニアの方たちの起業を
パックアップするシェアオフィス
「銀座アントレサロン」を展開する
銀座セカンドライフ株式会社。
代表の片桐実央さんは、
介護が必要になる前の予防介護や
老後も働くこと=起業することを支援したい
――と考え、自ら起業し、
シェアオフィスのサービスをスタート。
「銀座アントレサロン」は現在、銀座に3店舗、
東京駅に1店舗を展開。
秋には横浜にもオープン予定で
720社が利用しています。
■銀座アントレサロンのフリーデスクプラン
◆月額利用料9,980円
◆銀座&東京のレンタルオフィス4店舗の利用
◆郵便物を受け取り
◆商談のためのスペース利用
■銀座アントレサロンの個室プラン(プラス要素)
◆鍵付きで自分専用に区切られた空間
◆月額52,500円
弘兼 「それでも52,500円ですか。
これいいな」
今回の取材では、実際に銀座オフィスで起業された
東京金子特許事務所の金子 宏さん
株式会社デジタルキッスの畑迫ツトムさんに
インタビューを行いました。
金子さんは「知的財産」について
企業側の立場で考える弁理士が少ないことを感じ
自ら弁理士になり活動中。
◆メリット・・・
“権利を取りたい”方が弁理士を訪ねるため
「シェアオフィスにいるという、そのことだけで
仕事が入ってまいります」
畑迫さんは、動画配信、プロモーションビデオ制作、
Webデザイン・制作を行う会社を経営。
◆メリット・・・
「銀座を会社の住所として登記できることが大きい。
東京に事務所を構える立地条件が便利です」
荻野 「夢をかなえるために、
銀座を起点に頑張っていらっしゃいます」
720社の利用者の中で交流会があり
ビジネスの輪を広げている方もいるそうです。
荻野 「やってみたいという方は、
調べると(シェアオフィスは)いっぱいあります」
弘兼 「ペリーさんもぜひやってください。
『ちょんまげカンパニー』で」
■お送りした曲目
◆すみだ川 / 島倉千代子
(弘兼セレクション)
◆初めからもう一度
(『ジーザス・クライスト・スーパースター』より)
◆ワンダフルライフ~想起~
(映画『ワンダフルライフ』オリジナルサウンドトラックより)
◆ふるさと / 阿部篤志
(阿部篤志ソロピアノCD『Tanka~短歌~』より)
◆さよなら / オフコース
◆It's a Small World / バハ・メン
◆体操しようよ / RCサクセション
◆恋はみずいろ / ポール・モーリア
(RN・どすこい大好き!さんが初めて買ったレコード)
◇太田直子さんの名言・好きな言葉はこちらをご覧ください。
◇過去の放送レポート バックナンバー(PC版)はこちら