6月29日 ゲスト:山藤章二さん
◆テーマ
『 “ヘタウマ文化論” ―― 山藤章二さん 』
この日は、イラストレーター・風刺漫画家の
山藤章二さんをゲストにお迎えして
“ヘタ”の面白さについて語る――
ヘタウマ文化論を展開!
今回の番組ご出演をきっかけに
初めて『課長 島耕作』を読まれたという
山藤章二さんと弘兼憲史さんとの漫画(劇画)論も
繰り広げられました。
▲スケッチブックの言葉について詳しくは こちら
(画像をクリックすると拡大します)
芸能、芸術からサブカルまで席巻する
「へタウマ文化」とは何なのか・・・?
山藤章二さんが記した本『ヘタウマ文化論』をもとに
「ヘタウマ」という言葉の登場や
漫画におけるヘタウマについて語り合いました。
■ヘタウマ 過去と今
「基本は うまくなければいけません」
“うまい人”=クリエーターは創造を続け、
やがて「自分」に飽きてしまう――。
山藤 「うまさだけで一生食えるんだけども、
そこで飽き足らない人たちが
ヘタウマに挑戦するんです」
◆「ヘタウマ」という言葉が使われ始めた時期は?
コピーライター・糸井重里さんが手掛けた広告で
ウディ・アレンが毛筆で書いた「おいしい生活」――。
山藤さんがこの文字を「ヘタだな」と指摘すると
糸井さんは「下手だからいいんじゃないですか。
達筆だったら誰も驚かないでしょう」と答えたそうです。
山藤 「糸井重里は曲者ですから。
(“ヘタウマ”の)仕掛け人は
僕の中では糸井なんですよね」
◆“ミスター・ヘタウマ”は東海林さだおさん
2001年まで続いた「文藝春秋漫画賞」の選考委員だった
東海林さんと山藤さん。
弘兼 「東海林さんは漫画も面白いですけど
エッセイも面白いですよね」
山藤 「まさに“天は二物”ですよ。
その分、ハッキリ言うと絵が手抜きしてますね」
山藤さんは東海林さだおさんを次のように評価。
――本来、クリエーターは経験を積めば
どんどんうまくなるところですが・・・
山藤 「うまくなることを我慢してる感じがある。
うまい絵には、
関心はしても笑いはこないんですよ。
漫画家は笑わせなければいけないという
宿命がありますからね。
絵がうまくなりすぎると困るんですよ」
弘兼 「たしかにギャグ漫画ですごく面白かった人達が
だんだん描いていくうちに
うまくなっちゃうと、ギャグ漫画としての
面白さがなくなっちゃうんですよね」
山藤 「打ち融けて、笑ってもらうには
絵はヘタな方がいいんですね」
◆ヘタウマが減った?!
山藤 「1コマで“ふふっ”と笑って
すぐページを閉じちゃうような
軽いユーモア、そういう場がなくなっちゃって」
弘兼 「東海林さん、園山(俊二)さんのような漫画が
少なくなったというか、場がないですね」
時代の流れと共に世代交代した編集者には、
これまで“ヘタウマ”が息づいてきた
「日本文化の流れがないのかも」。
弘兼 「今みんな“ストーリー漫画”になっていて
ちょっと昔の“漫画”がないのは寂しいですね」
■『島 耕作』を読んで・・・息子さんを想う
山藤 「『課長 島耕作』を読み出したら
やめられなくなった」
今回の番組出演をきっかけに
これまで“食わず嫌い”だったという劇画から
弘兼憲史さんの代表作『課長 島耕作』を
初めて読まれた山藤章二さん。
その感想は「すごく衝撃を受けた」というものでした。
山藤 「漫画というよりも“文芸”に近い。
ものすごい情報量と、
社内における“ハニートラップ”というのかな。
すごいショックで、面白いな~」
山藤さんの息子さんは島耕作とほぼ同世代で
大手企業に勤めているそうですが・・・
山藤 「ハニートラップに遭って、
たぶん踏み間違えたり、失敗したりしながら
男を磨いてるんだな、と思ってね。
あの情報からずいぶん勉強しましたよ」
▲似顔絵を描くコツは「“あだ名”を浮かべる」ことという山藤さん
唐橋さんは「仏壇のロウソク」 弘兼さんは「コッペパン」と命名
■雑俳句会「駄句駄句会」
高田文夫さん、松尾貴史さん、林家たい平さんら
落語好きの仲間による句会「駄句駄句会」が
山藤章二さんを宗匠として23年前に発足。
「95%バカを言って、5%で句を作ってる」という
月に一度の集まりでは
山藤 「せきを切ったようにバカを言い出すんです」
(季語がないため本来はルール違反ですが)
山藤章二さんの最近の傑作は・・・
袋とじ 一応 開く 草食系
友人の前だから
“付き合い”で雑誌の袋とじを開くも
“草食系”なので興味がない様子――。
山藤 「どこに出しても恥ずかしい句というのが
我々の了見なんですよ」
■山藤章二さんの最新情報
■駄句だくさん(講談社)
(発売中/2013年3月発売/税込み1,300円)
■ヘタウマ文化論(岩波新書)
(発売中/2013年2月発売/720円+税)
■ペリー荻野の怪傑!暴れん坊将軍
今週は、入会金3千円で専属スタイリストが
ファッションのコーディネートをしてくれる
阪急メンズ東京のサービス
『スタイルメイキング クラブ』のをペリーさんがリポート。
▲阪急メンズ東京 スタイリストの西ケ峰充宏さんと
一度入会すれば以後の利用は、商品代金だけでOK。
完全予約制で、
予約時に欲しいアイテムの希望や用途を伝えると
オススメ商品を用意してもらえる場合もあります。
弘兼 「時間がない時、いいですね」
会員専用のフィッティングルームは
実際の着用イメージがわかりやすくなるように
屋外・屋内のシーン別に照明を変更可能。
スタイリストの西ケ峰充宏さんから
クールビズファッションをオシャレに着こなすための
アドバイスをいただきました。
西ケ峰 「ネクタイを外しただけだとだらしなく見えます。
スーツをカジュアルにして、ドレス感を落とせば
ノーネクタイでもサマになる・・・。
柄の調子を大きくするとカジュアル感が増します。
綿のスーツでノーネクタイだと
そんなに違和感はないんです」
メンズの場合、流行りの色を取り入れるよりも
「アズーロ エ マローネ」・・・「青と茶」を中心にコーディネートすると
洋服はまとまりやすくなるそうです。
西ケ峰 「男性は“自然の色”を取り込むことが大切。
青い空と大地の色で洋服を組み立てると
特に年齢を重ねた人は、
年齢ならでは質感が出ると思います」
◆弘兼さん向けのコーディネート◆
西ケ峰さんに弘兼さん向けの服を見立てていただきました。
テーマは“地中海”
弘兼さんに誠実な印象があることから、
アクセントカラーを取り入れ遊び心を注入。
細かい花小紋柄のリネンシャツ、
ジャケットはポップサック(麦の袋のような膨らみ)で
通気性もよく、真っ白な綿パンツでキメ!
白と茶のコンビで靴を合わせましょう。
▲弘兼さんのためにコーディネートしていただきました
弘兼 「いいじゃないですか!」
唐橋 「シャツがオシャレですね。
これは誠実に見えそうですよ!」
▲ペリーさんの今週のTシャツは「暴れん坊将軍」
阪急メンズ東京の『スタイルメイキング クラブ』について
詳しくはこちらをご覧ください。
また、洋服のコーディネートを学べる
「スタイルメイキングセミナー」も開講しています。
■お送りした曲目
◆その名はフジヤマ / アントニオ古賀
(弘兼セレクション)
◆キサス・キサス・キサス / トリオ・ロス・パン・チョス
◆ジャクソン5メドレー / ジャクソン5
◆さらばジャマイカ / ハリー・ベラフォンテ
◆愛の讃歌 / 越路吹雪
◆ライフ・イン・ア・ノーザン・タウン / ドリーム・アカデミー
◆めぐり逢えたら / セリーヌ・ディオン&クライヴ・グリフィン
◆勝手にシンドバッド / サザンオールスターズ
(RN・タカさんが初めて買ったレコード)
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