2月16日 童謡・唱歌 特集 ~ ゲスト 安田祥子さん
◆テーマ
『童謡には
十人十色の思い出がある
―― 安田祥子 』
お聴きいただいているリスナーの方からの反響が
回を重ねるごとに着実に増えている
「ドコモ団塊倶楽部」の音楽特集――。
この日は、声楽家で童謡歌手の安田祥子さんを
ゲストにお迎えして童謡・唱歌特集をお送りしました。
(画像をクリックすると拡大します)
たくさんのリクエストのほかに、
曲をおかけした直後に、
その曲の感想や思い出を数多くお寄せいただく
――という特徴が見られました。
歌詞を紐解き、作られた時代を振り返り…、
懐かしむと同時に、
日本のこころ・童謡を後世に伝えることの
大切さを感じた今回の特集。
山積みとなったメール・FAXに感謝と
驚きが入り混じり、
童謡を愛する方々の想いの大きさ、
温かさにも触れられた放送となりました。
■歌詞の世界を想像
1910年に文部省唱歌が誕生して1世紀――
かつての子供たちが歌った唱歌、
親が子供に歌って聴かせた童謡は、
今も歌い継がれているでしょうか?
歌詞に、現在では使われることの少ない言葉が
含まれていたり、「歌詞全体が難しい」ことから
歌われなくなった童謡も多いようです。
弘兼さんは少年時代、
「城ヶ島の雨」の歌詞の意味を調べたことがありました。
「利休鼠(りきゅうねずみ)の 雨がふる」の
「利休鼠」とは“緑色がかった灰色”。
この日の童謡・唱歌特集1曲目――
日本の童謡で「好きな歌」に挙げる声が多いという
「浜辺の歌」では2番の歌詞『もとおれば』――。
安田 「『もとおれば』だけをとれば
“どういうことだろう?”って
思うかもしれませんが・・・。
この歌は日本のお好きな歌を聞いた時の
ナンバー1なんです」
歌詞を吟味することで、
歌の世界が“想像の中で膨らむ”――
これこそが童謡を歌うこと・聴くことの魅力。
安田 「“共感を呼ぶ”というか、
(歌の)後ろ側にある想いも
言葉の中に歌われている――
そこを想って歌ってくださると、
お歌いになる方たちそれぞれの
バックボーンの中で歌っているから、
聴いている方の想像の中で
みんな“絵”が違うんです。
それがこの歌(浜辺の歌)の
すごさだと思うんですね」
弘兼 「この頃は完全に
プロ中のプロの(作詞家の)作品ですから
歌詞がきれいというか、美しいというか、
言葉が難しい・・・(苦笑)」
■童謡の中で ストーリーを歌う
♪ピッチピッチ チャップチャップ ランランラン♪
軽快な歌詞で、楽しさあふれる「雨ふり」は
5番まで歌うと
ストーリーになっていることがわかります。
1番・・・母さんが迎えに来る
3番・・・あの子がずぶ濡れになっている
4番・・・あの子に僕の傘を貸す
5番・・・僕は母さんの蛇の目に入る
安田 「坊やが、傘のない(別の)坊やを見つけて
“僕の傘に入っていきなさい”
“僕は母さんの蛇の目に入っていく”
“僕のことは心配しないでいい”
そこまでちゃんと歌ってほしいんです」
弘兼 「なるほど。
“蛇の目傘”も
今の子はわからないかもしれない」
■安田家のテーマ『やさしいおかあさま』
“お父さん”の歌って少ないですね。
でも、愛情深いお母さんの歌はたくさんあります。
子供のお母さんに対して
「“母”をアピールする歌を歌ってほしい」と伝えている
安田祥子さんご自身が、
お母様から歌って聴かされた歌――
“安田家のテーマ”が「やさしいおかあさま」。
3番には次の歌詞があります。
♪私が大きくなったら
ご恩をおかえしいたします
それまで達者で まっててね♪
安田 「うちの母は3番まで
歌って聴かせてくれたんです。
だから、ご恩返しをしきゃといけない…(笑)
そういうこともしっかり歌っているんです」
■リクエスト ベスト3
◆第3位 夕やけこやけ
弘兼 「夕焼けを見たら“早く帰らなきゃ”と」
安田 「夕焼けの物悲しさもあるし、
遊びをやめて帰らなきゃいけない…
いろんな想いが夕焼けの中にありますよね」
◆第2位 故郷
以前、テレビ番組「はじめてのおつかい」で
「ふるさと」を歌いながら帰途につく
子供たちの姿が紹介されました。
安田 「その子のお家には
こういう歌が流れているというのを見て
すごくうれしかったですね」
弘兼 「お母さんがちゃんと
歌って聴かせてたんですね」
安田 「意味がわかって歌っているわけではないので
何とは無しにインプットされていることが
すごく大事だな、って
本当にうれしくなりましたね」
なお、「はじめてのおつかい」に登場した子供たちは
♪小鮒釣りし の歌詞を
♪子豚釣りし と歌っていたそうです。
◆第1位 赤とんぼ
弘兼 「やっぱりこれが1位か、という気はしましたね」
今回の童謡・唱歌特集 リクエストで
1位となった「赤とんぼ」ですが
安田祥子さんは、童謡ではなく
歌曲としての印象が強いそうです。
そのワケは「誰しもが口ずさめる“音形”ではない」から。
歌詞の ♪ゆうやけこやけの♪ は
最高音が「えの母音」=「こやけ」の「け」。
安田 「“え” “い”の母音が最高音にきてる歌は
歌いにくいんです」
キーを低くして歌えば問題ありませんが
“歌曲”として歌う場合は難しいのだそうです。
安田 「妹(由紀さおりさん)なんかは
毎回『嫌だわ嫌だわ』って言ってる
すごく神経を使う歌です」
■安田祥子さん推薦の童謡『人形』
安田祥子さんが童謡・唱歌の名曲の中から
お薦めする一曲に選んだ「人形」は
“女の子のたしなみが”が含まれています。
◆物を大事にする教え
◆着物――七五三の情景
安田 「女の子の一番大事なことが
全部この歌の中にあると思うんです。
言葉は難しいかもしれないんですし、
可愛い歌なんだけれども
意味の深い歌だな、――と」
弘兼憲史 さんのお薦めの童謡は
「ちいさい秋みつけた」。
弘兼さんは、この歌の歌詞について
独自の解釈を披露。
◆子供が部屋の中で病に伏している
◆家の外で遊んでいる子供たちの声に
耳をすませると、モズの声が聞こえた
◆(2番)♪お部屋は 北向き 曇りのガラス
うつろな目の色 溶かしたミルク♪
(この歌詞から) 病気で寝ている
◆(3番)窓から風見鶏が見え、
ハゼの葉がが夕陽と重なっている
安田 「しっかり絵が浮かんでますね」
弘兼 「『おおきい秋』だったら
秋の真っ只中で遊んでいる――という
イメージがあるんですが
『ちいさい秋』だから部屋の中で感じる
秋じゃないかと思いますね」
▲曲をおかけしている合間には安田祥子さんが
『ちいさい秋みつけた』を歌う際の手の動きを
▲もし『おおきい秋』だったら・・・
■安田祥子さんの最新情報
◆午後のサロン Vol.157 安田祥子さん
『残したい 伝えたい 日本の歌』トークショー
■日時:3月6日(水)14時開演
■会場:十字屋ホール(東京・銀座)
■お問い合わせ:十字屋ホール 03-3561-5250
■お問い合わせ:(土日祝/休業日)
◆梅のうたコンサート
■日時:3月12日(火)13:30開演
■会場:川崎市高津市民館大ホール(ノクティホール)
■お問い合わせ:川崎童謡の会事務局 044-434-6417
◆安田祥子&中村由利子
Passeges ~そよ風の小径~
■日時:3月21日(木)19時開演
■会場:STB139(スイートベイジル139)
■お問い合わせ:レアード事務局 03-3582-0438
◆由紀さおり・安田祥子コンサート
■日時:5月24日(金)18:30開演
■会場:渋谷区文化総合センターさくらホール
■お問い合わせ:キョードーインフォメーション
■お問い合わせ:06-7732-8888
安田 「子どもさんたちも受け入れられるような
コンセプトで新しい形を作りたいね、
という思いがあったので
5月にそういうことを踏まえたコンサートを
立ち上げる準備をしているところでございます」
石川 「(観客の)皆さん一緒に歌えるといますか、
体もスイングしますし、楽しめますよね」
安田 「ご存じの歌ばかり歌いますから
緊張もあるんですけどね(笑)
(歌詞を間違えて)
あれ~?みたいなことにならないように」
詳しくは由紀さおり・安田祥子 安田音楽事務所 公式サイトを
ご覧ください。
■ツイッターユーザー・安田祥子さん
スマートフォンでツイッターをご利用の安田祥子さんは
今回の放送の数日前から「団塊倶楽部」出演を
フォロワーの方々に広めてくださいました。
そのおかげで、安田さんのファンの方や
初めて番組をお聴きになる方から
ツイッターや番組宛てのメールで
たくさんの反響をお寄せいただきました。
さらに放送後には
写真入りでツイートで、出演の感想も。
放送直後には、スマートフォンの使い方を
弘兼憲史さんがレクチャーする場面もありましたよ。
安田祥子さんのツイッターはこちら
団塊倶楽部のツイッターの
フォローもお願いいたします。
安田祥子さんの前回 2009年5月9日の
ご出演の模様はこちらをご覧ください。
■お送りした曲目
◆浜辺の歌 / 由紀さおり、安田祥子
◆砂山(中山晋平 作曲) / 由紀さおり
(CD『あしたへ贈る歌 I 安田シスターズ with オーケストラ』収録「メドレー」より)
◆砂山(山田耕筰 作曲) / 安田祥子
(CD『あしたへ贈る歌 I 安田シスターズ with オーケストラ』収録「メドレー」より)
◆早春賦 / 安田祥子
◆春よ来い / 安田祥子
◆おぼろ月夜 / 安田祥子
◆春の小川 / 安田祥子
◆花 / 安田祥子
◆月の砂漠(月の沙漠) / 由紀さおり、安田祥子
◆叱られて / 安田祥子
◆あめふり / 由紀さおり
◆赤いくつ / 安田祥子
◆やさしいおかあさま / 由紀さおり、安田祥子
◆里の秋 / 由紀さおり、安田祥子
◆夕やけこやけ / 由紀さおり、安田祥子
◆故郷 / 由紀さおり、安田祥子
◆赤とんぼ / 由紀さおり、安田祥子
◆人形 / 由紀さおり、安田祥子
(安田祥子さんがお薦めする童謡)
◆ちいさい秋みつけた / 由紀さおり
(弘兼憲史さんがお薦めする童謡)
◆みかんの花咲く丘 / 由紀さおり
(塚本ディレクターがお薦めする童謡)
◇安田祥子さんの名言・好きな言葉(PC版)はこちらをご覧ください。
◇過去の放送レポート バックナンバー(PC版)はこちら