1月12日 ゲスト:篠塚建次郎さん
◆テーマ
『自分の行き先は自分で決める
サハラの砂漠も人生も――
レーサー・篠塚建次郎 』
ゲストはラリードライバー
“世界”の篠塚建次郎さん。
世界一過酷といわれる
「パリ・ダカールラリー」で
1997年に日本人で初めて総合優勝!
(画像をクリックすると拡大します)
サラリーマン生活とラリードライバーとの両立を続け
“パリ・ダカ”(ダカールラリー)出場は22回。
現在は、ソーラーカーの可能性を見つめ、
ソーラーカーでの
ギネス世界記録更新に情熱を注ぐ
篠塚建次郎さんのカッコよさに触れた2時間!
■大学時代のラリーとの出会い、そして就職
“ラリードライバー”という職業があることを
知らなかったという大学時代、
篠塚建次郎さんは
友人にレースへの参戦を誘われ、
初めてラリーを知ることに。
この時はナビゲーターを担当。
そしてレースで車が横滑りすることが
「衝撃的に面白くて」
「これは!」と思った篠塚建次郎さんは
アルバイトでお金を貯めては
ラリーに出場する生活を続けていました。
そうして偶然親しくなった
三菱自動車の関係者に誘われ
大学3年から三菱チームに参加すると
大学卒業後は、三菱自動車に入社。
当初は宣伝部。
そして2年間のセールスマン時代を経て
“メカニックに知識が必要”と
メカニックを4年間担当後、
本社勤務に戻ります。
その間も、
土日に開催される国内ラリーレースに参加。
1997年、48歳で日本人初のパリ・ダカールラリー
優勝ドライバーになった時も
三菱自動車の社員としてレースに参加しました。
弘兼 「プロドライバーとして契約することも
可能だったのでしょうけど、
なぜサラリーマンにこだわったのか、
ということが
一番お聞きしたいところなんですが」
当時は“ラリードライバー一本”で
生活している人がほとんどいない時代。
プロスポーツとして定着した野球のように
ラリーを“確立”させることが必要
と考えた篠塚さんは、
会社員とラリードライバーとの両立の道を選択。
篠塚 「自分が“ラリー”というカテゴリーを
確立することによって
あとに出てくる人が食べていけるだろう
という気持ちもあって、
カテゴリーを確立するには
会社の中にいて
“ラリーは必要だ”と認めてもらわなくちゃいけない
という気持ちが強くあって…
自分で“今度のパリ・ダカールラリーには
絶対に出なくちゃいけませんよ”っていう
企画書を自分で作りたかったんですよ」
三菱自動車では3つの部門を
兼務することになりましたが、
いずれもラリーに関連した部署。
篠塚 「会社が理解してくれた
ということだと思うんですね」
また、新しい車が発売される前には
テストドライバーを担当することも。
しかし、ラリーで活躍しても
テスト走行をしても
“給料”はほかの一般の社員の方と同じだったそうです。
弘兼 「へ~、それは面白いな」
現在は、レーシングドライバー、ラリードライバーが
職業として確立されているため、
自動車メーカーや、
自動車雑誌、タイヤメーカーなどと
プロドライバー契約を結ぶことが多いようです。
■世界一過酷なレース“パリ・ダカ”
篠塚建次郎さんは1986年
「パリ・ダカールラリー」出場。
1987年 総合3位 / 1988年 総合2位、
そして1997年、日本人初の総合優勝!
パリを出発地点としていた頃のコースは
約1万2,000キロ。
途中、サハラ砂漠を縦断したり、
政情不安国を通過したりすることから
“世界一過酷なレース”と呼ばれます。
◆コース指示は かなり大ざっぱ!?
砂漠を走る際に頼りになるのはコンパス。
主催者からのコースの指示は
実に大ざっぱなもののようです。
「120度方向に20キロ走りなさい。
すると黒い山が見える。
山が見えたら、左側を通って
80度方向に20キロ走りなさい。
木が一本見えるだろうから、
今度は300度方向に10キロ走りなさい。
そうすると川がある」
弘兼 「ざっくりした数字ですけど、
それでいいんですか?!」
篠塚 「それだけなんです。
だいたい3~4キロ手前からは
普通の天気であれば見えるんです」
大変なのは、砂嵐になった時。
迷ってしまった時はどうするのでしょうか??
篠塚 「とにかく木とか山とかが見えるまで
ウロウロするしかないんですよ」
◆砂丘の先の恐怖
レース中、最も怖いこと
砂丘を乗り越えた先が見えないこと。
砂丘の頂上でスピードを緩めて
コースの先の状態を確認すれば
安全に走行できますが
優勝を狙っている場合は・・・
篠塚 「アクセル踏んで行っちゃうしかないんです」
減速することなく砂丘を乗り越えると
車は大きくジャンプ。
篠塚さんは2000年、2003年に
顔面に大きなケガを負い
“重症”と報道されたこともありました。
弘兼 「命を張った仕事…になるんですかね」
篠塚 「優勝しなきゃいけないと
プレッシャーがかかってくると
踏んじゃいけないところでも
アクセル踏んじゃうっていう・・・」
砂漠では、蟻地獄のように、
砂に飲み込まれてしまうことも多いそうです。
■ソーラーカー
2008年の春、篠塚建次郎さんは
母校・東海大学から講演の依頼を受けました。
東海大学は、アフリカのソーラーカーラリーへの
出場を考えていましたが、
現地で学生がアクシデントに巻き込まれることを懸念し
篠塚建次郎さんに相談したことから
篠塚さんが特別アドバイザー就任。
こうして東海大学チームが参戦した
「サウス・アフリカン・ソーラー・チャレンジ」は、
アフリカ大陸を4200km
太陽の力だけで走破する世界最長のソーラーカーレース。
篠塚さんも運転することになり
チームは見事優勝!
篠塚 「優勝しちゃったんですよ。
日本に帰ってきて、
これってもしかしてすごいことなんじゃないか」
地球温暖化が社会問題となる中、
CO2を排出しないソーラーカーの魅力に気付いた
篠塚さんは、ソーラーカーの未来に目を向けます。
ソーラーカーは2馬力程度と、
車で走るには力不足。
今後、技術が進み
40~50馬力まで発電することができれば
一般の交通に耐えうる出力を
得ることができるのだそうです。
篠塚 「それを一生懸命開発すれば
世の中の車が全部ソーラーで
走れるようになる時代が来る
可能性がある――。
今まで世界中をCO2で汚してきたんで
その反省も含めて、
自分が一生やる仕事なのかな、と
思ったんですよ」
そして、その後2009年には
オーストラリアで開催される
世界最大のソーラーカーレースでも優勝!
篠塚 「どういうわけか優勝しちゃったんです」
◆ソーラーカーレースの面白さ
ソーラーカーレースの特徴の一つは
バッテリーの残量を気にしながら
ペースを考えて戦う点。
篠塚 「このペースでいくと
あと1時間でバッテリーがなくなるから
ペースを下げよう――とか
そういう戦いですね。
面白いですよ」
運転技術だけでは勝てない
ソーラーカーレース特有の走り方を一部ご紹介。
◆ブレーキはなるべく踏まない
◆ハンドルを切ると抵抗を受けるため
ち ょ っ と だ け しか切らない。
弘兼 「僕もガソリンの消費量が
メーターで出るので
あの数字を上げるのが好きで・・・」
弘兼憲史さんが、夜間、ほかの車がいない場合に
燃費向上のために実践するドライビングテクニック。
◆赤信号の時は、手前からスピードを落とし
ノーブレーキで交差点を通過する。
◆ギネス世界記録への挑戦
去年2012年には、南アフリカのレースで
ギネス世界記録挑戦にしたものの失敗――。
ルールは、
ソーラーで発電した動力を
直接モーターに伝えて走る――というもの。
バッテリーを積むことは禁止されています。
この条件下で
加速して「500メートル」走る際の平均スピードを計ります。
発電量と消費量とのバランスをメーターで確認しながら
アクセルワークを調整しなければならず・・・・
篠塚 「アクセルコントロールが
とっても難しいんです」
オーストラリアのチームが保持するギネス世界記録は
「時速88.8km」。
この記録の更新を狙ったものの、
篠塚さん率いる
「シノヅカ・ソーラーカー・チーム」は
平均「時速79.08km」にとどまり、
記録更新はなりませんでした。
篠塚 「たぶん(記録更新は)できると思うんですけど」
「今年は何が何でもリベンジしたい」と語る
篠塚建次郎さんのソーラーカーにかける
熱い情熱に触れらることができた2時間。
現在も毎日走っているそうです。
鍛錬を怠らない篠塚さんの悲願が成就する時を
楽しみに待ちましょう。
■篠塚建次郎スノードライビングスクール&トライアル
雪道の運転を教えるスクールは
なかなかないもの。
そこで篠塚建次郎さんが
“やってはいけないこと”をすると
車がどのような状況になるか――
急ブレーキによりABSを作動させる、
スピンをする――などを経験してもらう
ドライビングスクールを開催。
◆シノケンドライビングスクール(初級者向け)
■日程:2月24日(日)まで毎日開催
■会場:八ヶ岳特設ドライビング会場
■料金:12,000円/1台1名[1日10台限定]
■オプション:+5,000円で“シノケン”篠塚建次郎さんが直接指導
◆シノケンスノートライアル
■日程:2月24日(日)までの土・日・祝日開催
■会場:シノケンスノートライアル特別コース
■料金:12,000円/1台1名[1日50台限定]
■オプション:+8,000円で“シノケン”篠塚建次郎さんが直接指導
詳しくは八ヶ岳グレイスホテルのサイトをご覧ください。
そのほか篠塚建次郎さんの最新情報について詳しくは
篠塚建次郎 オフィシャルウェブサイト をご覧ください。
■島耕作」シリーズ連載30周年記念 2013年カレンダー
この日は弘兼憲史さんからのプレゼントとして
「島耕作」シリーズ連載30周年記念の
2013年カレンダーを
弘兼さんのサイン入りで5名の方にプレゼントいたしました。
たくさんのご応募をいただきありがとうございました。
ご応募受け付けは終了しました。
「島耕作」シリーズ連載30周年記念カレンダーは
1,890円で発売されています。
季節商品の為、早期に品切れになる場合があります。
確実に入手したい方は、
どうぞお早めにお求めください。
■お送りした曲目
◆サファリ・ナイト / 大橋純子
(弘兼セレクション)
◆プレイバック prat2 / 山口百恵
(弘兼セレクション)
◆流恋草 / 香西かおり
◆恋の歌謡日 / ゆず
◆学生街の喫茶店 / ガロ
(RN・ポパイのオリーブさんが初めて買ったレコード)
◆故郷へかえりたい(カントリー・ロード) / ジョン・デンバー
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