ドコモ団塊倶楽部

放送レポート

5月19日 ゲスト:夢枕 獏さん

テーマ
 『 倒れるまで仕事
    起きられなくなるまで遊ぶ!
          夢枕 獏  

 
ゲストは小説家の夢枕 獏さん。
 
去年発表『大江戸釣客伝』が3つの文学賞を受賞。
作品のテーマにもなっている
夢枕 獏さんの趣味「釣り」のこと――
“最大の趣味”と語る仕事への取り組みについて――。
 
同じく釣り好きの弘兼憲史さんと
意外な接点があり
共通点も多いことが判明した夢枕 獏さんの
夢枕流生き方!・・・そして死に方?!
 
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▲石川アナが手にしているのは『大江戸釣客伝』(上・下巻)
  (画像をクリックすると拡大します)



文学賞3冠受賞『大江戸釣客伝』
 
江戸・元禄時代――
釣りが流行した江戸の街で・・・
 
実在した人物
旗本・津軽采女[つがるうねめ](小普請組の侍)が
釣りを始めてから
“釣り指南書”を書くまでの数十年間を物語にした
『大江戸釣客伝[ちょうかくでん]
 
 
昔の本を調べると
ひとつひとつ「○○流■■針」
自分の名前に“流”を加えて命名された釣り針が
30数種類 掲載されているそうです。
 
夢枕 「全部、そういう形で名前が付いてるんですね。
     その奇妙な面白さ――
     現在、針の種類が何十何百種類とある
     “異常”な状態の始めは
     元禄時代であることがわかりました」

 
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また、物語が長い年月にわたって描かれることで
津軽采女を取り巻く環境にも変化が・・・
 
夢枕 「後年、家族と死別する悲しみは
     釣りをやっていたことで
     相当紛れたんだろうなというところが
     ミソというか、
     書きたかった部分ですね」



その「釣り」は 趣味か、仕事か?
 
作品作りに必要なもの・・・
  それは資料取材――。
 
夢枕 獏さんの代表作には
「釣り」「格闘技」など、
ご自身の趣味を題材にした作品が多くあります。
 
“取材”のために「釣り」をする必要があれば
「この魚を釣るまで待って」
「あと何回、エベレストに登るまで待って」と
執筆が進まないケースもあり
編集者との“せめぎあい”もあるようです。
 
夢枕 「好きなことを書いてますので
     いろんなところへ、半分趣味で行かせてもらって…」

 
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小説を書く際、実際に役に立つのは
“文字”の資料――と語るさんですが
作品で描かれる“現場”の
“空気感”を知ることも大切――と、
同じく物語を創造する弘兼さんと意見が一致。
 
夢枕 「現場の空気を感じて文字にする・・・
     “やることはやった”という、
     その気持ちがほしいんです」
 
 
弘兼 「見てないで書いたら
     “後ろめたさ”がありますよね。
     人に聞かれて
     『あそこに行った』と言えた方が
     堂々と書けますよね」

 
夢枕(現場を見ておけば)
     自分にも言い訳が立つし
     “あとがない”と
     自分を追い込むための ひとつの方法」



最大の趣味は“仕事”
 
仕事と趣味とのバランスについて。
 
趣味に時間を割こうとも
仕事量は変わらない(減らしていない)というさんは
釣りに行く際にも仕事道具を持ち込むのだとか。
 
釣り仲間が一緒の場合でも
お仲間だけ、一日中 釣りをして、
獏さん一人が仕事をする――。
 
あるいは、お仲間が朝から釣りに出かけ
原稿を書き終えたさんが午後から合流
ということもあるそうです。
 
夢枕 「仕事が一番の趣味なんで
     そんなにつらくはない・・・
     つらいんですけど、
     “つらくない”と言い聞かせて書いてるんです」

 
弘兼さんも同じ経験をしていました。
 
オーロラを見るために3日間
アラスカ・フェアバックスを訪れた時のこと――。
 
スケジュールの都合で
オーロラを見られるのは2日間。
残り1日は仕事をこなさなければならない
という状況で、一人仕事にいそしんでいた弘兼さん。
  
弘兼『みんな、いいオーロラを見てるだろうな』
     と思ったら、帰ってきて
     『きょうが一番すごかった』…」

 
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一方のさん――
 
夢枕『きょうは釣れなかった』
     って帰ってくると
     ホッとしたりなんか(笑)」



自作の ぐい飲みで酒がうまくなる・・・陶芸
 
15年前から続けているという陶芸
 
「うまいじゃない!」
 
「オレ、才能あるかな」
 
知人のお坊さんに促されて挑戦した“陶芸”が
褒められて・・・
 
夢枕 「自分で始めちゃったんです」
 
夢枕 獏さんは
40歳で“人生設計”をしたことをきっかけに
山小屋を建てました。
 
  そこは、選び抜いた“いい川”のそば
  陶芸もできて、原稿が書ける場所。
 
夢枕 「自分で作ったぐい飲みでお酒を飲みながら
     自分で作ったお皿に
     釣った鮎を焼いて乗せて・・・食べる」

 
弘兼 「究極の自給自足ですね」
 
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山小屋計画に、釣り好きで
“陶芸をやりそうな”仲間4人を引き込んださん。
はじめに声をかけたときは・・・
 
夢枕 「『自分で作った ぐい飲みでお酒を飲むとうまいよ』
     ・・・なんて嘘をついて。
     お酒の味は同じなんだけど(笑)」



夢枕 獏さんの最新情報
 
 ■『闇狩り師 2 <新装版> 』
  (徳間文庫/税込み690円)新発売(5月)
 
 ■『呼ぶ山 夢枕獏山岳短篇集』(単行本)
  (メディアファクトリー/1,785 円)新発売(4月)
 
 ■大江戸釣客伝
  (講談社/上・下巻 各1,680円)
 
  「第5回 舟橋聖一文学賞」
  「第39回 泉鏡花文学賞」
  「第46回 吉川英治文学賞」3冠受賞!!
 
  特設サイトはコチラ
 
  そのほか夢枕 獏さんの最新情報は
  夢枕獏公式HP--蓬莱宮--でご確認ください。


お送りした曲目
 
I'll See You In My Dreams / ドリス・デイ
 (弘兼セレクション)
いつでも夢を / 橋幸雄、吉永小百合
 (弘兼セレクション)
釣りに行こう / THE BOOM、矢野顕子
 
I'll Be Seeing You / キラ・スコーフ
 (夢枕 獏さんのリクエスト)
恋する季節 / 西城秀樹
 (RN・虹色ひまわりさんが初めて買ったレコード)
ゴーン・フィッシン / マンハッタン・トランスファー


夢枕 獏さんの名言・好きな言葉・理想の死に方(PC版)はこちらをご覧ください。
 
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