5月12日 金環日食特集! ゲスト:国立天文台 渡部潤一さん
◆テーマ
『 2012年 三大天文ショー 渡部潤一さん 』
世紀の天体ショーまであと9日!
5月21日(月)金環日食
さらに今年は
6月 6日(水)金星太陽面通過(経過)
8月14日(火)金星食 と
貴重な天文現象の当たり年。
ゲストに今年2月発売『金環食ガイド』著者
国立天文台の
2012年に見られる3大天文現象、
オリオン座の1等星
「ベテルギウス」の超新星爆発…
そして“宇宙人”と遭遇する可能性・・・
宇宙の神秘・謎に迫りました!
▲石川アナウンサーが手にしているのは
『Newton 臨時増刊 金環日食2012』(日食メガネつき)
弘兼さんは そのメガネを手に (画像をクリックすると拡大します)
■金環日食
金環日食(金環食)は
月が太陽と重なりながら、隠し切ることができず
太陽の縁がリング状に残る日食。
楕円軌道を描いて地球を周回する月と
地球との距離は
近くて約36万キロ、遠くて約40万キロと
約4万キロの差があり
地球から見える大きさは数パーセント変化します。
⇒ 月が近い(大きい)とき・・・皆既日食
⇒ 月が遠い(小さい)とき・・・金環日食
“金環日食”として見られる地域(=金環日食帯)は
限られますが
今年5月21日(月)は日本列島の大都市圏が
金環日食帯に含まれるため、多くの人が
“金環”日食を見ることができます。
(その他の地域では「部分日食」として見える)
弘兼 「(金環日食帯の)ど真ん中はどこですか?」
渡部 「レインボーブリッジ、お台場のある
このあたりが真ん中なんですね」
弘兼 「ここじゃないですか!」
石川 「文化放送のあるあたりというのは、そうなんですね」
※文化放送の所在地は東京都港区浜松町
■太陽を見るときは「日食観察用」のものを使いましょう
■肉眼で太陽を見る・・・×
・・・目に重大なダメージを及ぼす可能性あり
渡部 「網膜がやられて、回復できないと
これを『日食網膜症』と呼んでます」
「金環日食」は「皆既日食」のように
太陽全体が隠れるわけではありません。
一部でも太陽が残ると、その光はとても強く
目を傷めてしまいます。
渡部 「ぜひ注意点をお守りいただきたいと思います」
石川 「専門の日食グラス――質のよいものを
入手されるのが一番いいですね」
■望遠鏡や双眼鏡で太陽を見る・・・×
・・・太陽の光を強めてしまうので
絶対におやめください。
日食観察用メガネを使用しても
望遠鏡を使ってしまっては
メガネが光を弱める意味がありません。
■色つき下敷き・・・×
弘兼 「子供の頃、黒い下敷きを持って
みんなで見てました」
・・・「日食観察用」ではない場合はやめましょう。
■ススをつけたガラス・・・×
・・・ムラがあり、黒い色が薄い場所から
有害光線が入ってきてしまいます。
■サングラス・・・×
・・・太陽を見るために作られていません。
“太陽に照らされた地上のまぶしい景色”を
見るためのものであって
太陽そのものを見るためにできていません。
□市販の日食観察用メガネ・・・○
・・・穴があいた欠陥品でないかどうか
事前に室内(蛍光灯)で確認しましょう。
渡部 「自宅にあるもので
簡単に代用できるものは
実はあまりありません」
弘兼 「自分では作れないということですね」
◆日食グラスがない場合は ピンホール法で簡単に観察
ボール紙に小さな穴を開け
穴から太陽の光を通し
紙や地面に投影すると、太陽の像が写ります。
穴は複数でもOK。
渡部 「五つ穴をあけて
それぞれに、色のセロファンをあてると
五輪のマークが作れます」
◆木漏れ日
木々の葉っぱからの木漏れ日が
ピンホール効果を生みます。
木漏れ日を見ると、
かけた太陽が数多く写った様子を見ることができます。
※ピンホール、木漏れ日から直接太陽を見ないでください
◆手鏡に映す
手鏡を使用し
ある程度遠くに太陽光を反射すると
鏡がピンホールの役割を果たし
太陽の形になります。
渡部 「集団で見る場合に有効な方法で
学校の校舎の壁に映すと、
みんなで太陽を眺めることができます」
弘兼 「映ったところの影が
だんだん金環食になっていく・・・
これは面白いですね!」
石川 「練習しておいたほうがいいですかね?」
渡部 「今回朝方の日食になるので
太陽の高さが東京で35度くらい、
西は30度くらいで、低めなんです。
東側にビルがあると見えないので
あらかじめ確かめておくといいですね」
■金星の太陽面通過(経過)
6月6日(水)午前7時頃~午後2時頃まで
太陽の表面を金星が通過。
日食グラスで見ると
“金星のシルエット”が確認できます。
渡部 「これは珍しい現象ですね。
太陽、金星、地球と並ぶために見えますが
これを逃すと2117年までありません」
今回、日本は観察条件がよいため
世界中から天文ファンが集まるそうです。
■月による金星食
8月14日(火)早朝
月による金星食を見ることができます。
渡部 「金星、月、地球と並ぶ現象です。
月が金星を“隠す前”“現れた後”
細い月と金星がキラっと光って
まるで月の雫が垂れてるような
非常にきれいな景色になります。
しかも朝焼けの中で見えるので
ものすごくきれいです」
■ベテルギウスの超新星爆発
Q.寿命が近いといわれるオリオン座の1等星「ベテルギウス」が
超新星爆発を起こすと地球はどうなる??
◆考えられる可能性◆
■地球から640光年と“比較的近い”ため
“月が二つある”ように見える。
■日中も、太陽のように“明るい星がある”ように見える。
■自転軸の極方向に有害なガンマ線が出ることがあるが
ベテルギウスの場合
ガンマ線が出ないと考える説がある。
ガンマ線が出たとしても
極(北極・南極)が地球に向いていないため
何も起こらないと考えられている。
■爆発による光よりも先に
ニュートリノ観測装置
「スーパーカミオカンデ」(岐阜)から知らせが入る。
渡部 「装置で、アラームが出る可能性があります。
そのあと“光”で変化が起こりますので
世界中の望遠鏡が
ベテルギウスに向く可能性がありますね」
弘兼 「640光年というと…
明日爆発(による光)が見えたとすると
それは640年前に
爆発してるということですね。
現在は“ない”かもしれない?」
渡部 「600年~現在までの間に
(爆発が)起こっているとすると
現在の向こうの状況は
星自身ががなくなっているかもしれないですね」
弘兼 「“光”は届き続けているけれど、
ということですね」
■宇宙人とのコンタクト・・・その可能性は??
番組をお聴きのリスナーの方の質問
Q.宇宙人はいると思いますか?
私は絶対にいると思います!
石川 「私もいると思います!」
弘兼 「いるでしょうね、どっかには」
渡部 「天文学者の99%はどこかにいると思ってます。
ただ、宇宙は非常に遠いですので
いても、連絡を取ることは難しいし、
こっちにやってくることはもっと難しい。
それに相手と
進化のフェーズが合わないといけないですね」
これまで地球から
M13(ヘルクレス座の球状星団=百万個の星の集団)へ
“手紙”を出したことがあります。
届くのは・・・23,500年後。
“返事”があってもその倍の年数がかかります。
石川 「届いてたらどうしよう?!」
弘兼 「届いてると思いますよ。
でも向こうが返したときは
地球があるかわからない」
宇宙人(地球外知的生命体)が
地球にやってくることはあるのでしょうか??
渡部 「今のところは(可能性は)少ないと思いますね。
(やってくるにしても)10万年20万年(かかる間)
世代交代しなければいけないので
その間の居住空間を含めた
宇宙船を作らなきゃいけないですから
そのコストに見合わないと思いますね」
■渡部潤一さんの研究・活動 / 国立天文台サイトのご案内
渡部潤一さんの研究・活動について詳しくは
渡部 潤一 のほーむぺーじ
金環日食をはじめとする天体ショーについては
自然科学研究機構 国立天文台 ウェブサイトを
あわせてご覧ください。
■お送りした曲目
◆キャッチ・ア・フォーリング・スター / ペリー・コモ
(弘兼セレクション)
◆いつも心に太陽を / ルル
(弘兼セレクション)
◆時間旅行 / DREAMS COME TRUE
◆ジャコビニ彗星の日 / 松任谷由実
(渡部潤一さんのリクエスト)
◆銀河鉄道999 / ゴダイゴ
(雅樹さんが初めて買ったレコード/劇場版/日本語版)
◆輝く星座~レット・ザ・サンシャイン・イン / フィフス・ディメンション
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