4月7日 ゲスト:米長邦雄さん
◆テーマ 『 われ敗れたり 米長邦雄 』
ゲストは永世棋聖で
日本将棋連盟会長の米長邦雄さん。
米長さんは、2011年のコンピュータ将棋世界選手権で優勝した
将棋対局ソフト『ボクラーズ』と今年1月
『将棋電王戦』で対戦。
なぜ米長さんが対戦することになったのか、
どのような準備をして対局に臨んだのか、
『ボンクラーズ』の強さは?
そして米長さんは なぜ敗れたか――
▲石川アナウンサーが手にしているのは
米長邦雄さんの著書『われ敗れたり』
■プロ棋士対コンピュータ 将棋電王戦
■対局 料金表
◆羽生善治さん 7億800万円
羽生善治さんがボンクラーズとの対局を
打診されたさいに提示した条件は
対局料「7億800万円」。
これは、人との対局を1年間休み
対コンピューター戦に専念する必要性があることから
その間に得られるはずの対局料、タイトル料などから
試算した金額。
米長 「羽生の2年間くらいの報酬を保証するということですね」
◆旧名人・米長邦雄さん 1000万円
米長 「現役じゃないし、でも引退者の中では
相当強い方だろうから
『どうですか?』と出したら
『1000万円でいいからやってくれ』
という人が出てきたんですよ」
ニコニコ動画が名乗りをあげ
今年1月14日
引退から7年の米長邦雄さんと
2011年の「コンピュータ将棋」世界一『ボクラーズ』による
『プロ棋士対コンピュータ 将棋電王戦』が実現。
■米長・泥沼流が通用しないコンピューター
秒間1,800万手を読む『ボンクラーズ』に
“泥沼流”は通用せず。
泥沼流とは・・・
「難しい局面になった時
僕も、どの手がいいのかわからない。
相手はもっと分からない。
そうすると、弱い方が悪い手を打って先に負ける」
泥沼流に持ち込もうとしても
米長さんが1時間かけて「こうすれば勝つんじゃないか」
と考えても・・・
米長 「コンピューターは秒間1,800万手を読むから
1秒足らずで答えが出てくるんですよ。
だから、そういうこと(泥沼流)をやっちゃダメなんですね」
■奥様の予想
米長邦雄さんは自宅に『ボンクラーズ』を2台設置して
自分より弱いところを見つけるために
練習対局を重ねました。
米長 「人間より『やっぱりバカだな』
というところと両極端なんです。
“こんな簡単なことが分からないのか”
――というのがあるんですよ」
お酒を断ってパソコンに向かうこと2か月。
一日6時間、のべ300時間――
1局1局、ノートにつけて
相手の弱点を研究する日々を送り
迎えた2012年1月――。
大晦日の夜と元日はお酒を解禁し
上機嫌の米長さんが奥様に
「どうだ、勝てそうか?」と問いかけると・・・
「勝てません」
米長さんには“ある点”において
全盛時代との差があることから敗戦を断言。
「あなたには愛人がいないはずです」
米長 「どうして愛人がいなきゃ勝てないのかと思って
“御言葉に甘えて”と思ったけど
そうもいかないんで」
石川 「頼もしい奥様です」
■ついに決着
1月14日午前10時に始まった『将棋電王戦』の対局は
夕方5時過ぎまで続き・・・
我慢に我慢を重ねての対局で
イライラが募った米長邦雄さんに痛恨のミス!
米長 「愛人がいないような男は
神経質になりすぎる――だから
(奥様の言葉の真意は)『心に愛人を』っていうことですね」
弘兼 「“ゆとり”を持てるような気持ちのあり方
ということですね」
米長 「一手やり損ないますと
人間同士だったら、まだ取り返せるんですけど
コンピューターの場合は
『負ける』ということがわかってますから
あとはバタバタ…っとやって負けました」
米長邦雄永世棋聖 vs ボンクラーズ
プロ棋士対コンピュータ 将棋電王戦 について詳しくは
米長邦雄さんの著書をご覧ください。
■『われ敗れたり ~コンピュータ棋戦のすべてを語る~ 』
■中央公論新社/税込み1,300円
2013年の「電王戦」は 5対5で行われます。
米長さんが再戦を挑む可能性はあるのでしょうか?
米長 「出ないと思いますね。
若い人が5人出ると思います」
コンピューター陣営の顔ぶれは
今年5月に行われる
コンピュータ将棋世界選手権でほぼ決まり
1~5位、上位5本のソフトが推薦され
電王戦に駒を進めることになるようです。
■米長邦雄さんの最新情報
米長邦雄ホームページ『米長邦雄の家』をご覧ください。
■お送りした曲目
◆王将 / 村田英雄
(弘兼セレクション)
◆ベサメムーチョ / 桂 銀淑
(弘兼セレクション)
◆MR. ROBOTO / Styx
◆再会 / 松尾和子
◆YES-YES-YES / オフコース
(RN・かかりちょう さんが初めて買ったレコード)
◆悲しき口笛 / 美空ひばり
(米長邦雄さんが初めて買ったレコード)
◆桜 / 熊木杏里
◇米長邦雄さんの名言・好きな言葉(PC版)はこちらをご覧ください。
◇過去の放送レポート バックナンバー(PC版)はこちら