5月28日 ゲスト:岡村喬生さん
◆テーマ
『 真実の蝶々夫人 オペラの楽しみ方教えます 』
28歳でイタリア留学
ローマ・サンタチェチリア音楽院声楽科卒業。
ウィーン・国立音楽アカデミー・リード・オラトリオ科修了――。
ゲストはオペラ歌手の岡村喬生さん。
楽譜を読めなかった岡村喬生さんが
“声が大きい”と誘われた早稲田大学グリークラブで
「これは面白い!」と合唱に開眼。
79歳の今も今年8月の
『蝶々夫人』新国際版の世界初演に向けて精力的に活動されている
岡村喬生さんの低音の魅力に しびれ続けた2時間――!!
■オペラに“かしこまったイメージ”があるのはなぜ?
日本で、関が原で天下分け目の戦いが繰り広げられていた
1600年頃、イタリアでは「オペラ」が誕生。
400年の歴史を誇る本場イタリアと
明治維新後に輸入された日本――。
日本が300年遅れて取り入れたのは
はるか昔の貴族時代のオペラでした。
岡村喬生さんは
“指揮者が登場するだけで拍手をすること”
“燕尾服 着用”は
貴族時代のイタリアオペラの名残――と指摘します。
岡村 「どんな指揮をするかわからないのに、先に拍手をするのは
貴族社会の“儀礼”なんです。
(間奏中の拍手は)自由なんです。いつ拍手をしてもいいんですよ」
石川 「楽しみ方は自由なんですね」
■『蝶々夫人』新国際版 今年8月待望の世界初演!
『蝶々夫人』“カミサルンダシーコ”とは何のこと??
岡村喬生さんは『蝶々夫人』における
日本に対する誤り(誤認識)を10数か所発見。
「カミサルンダシーコ」の意味を
イタリアの指揮者に尋ねても
『イタリア人の我々にわかるわけがないだろう』――。
岡村さんが辿り着いた答えは
“導き(道案内)の神”『猿田彦の神』だった・・・!
岡村 「日本でもそのままやられてるんです。これはダメですよね」
最も誤認が「ひどい」と感じたのは
ドイツ・ケルンの歌劇場でボンゾを演じた時のこと。
衣装は“酒屋の前掛けのようなスカート”
“サンダル履き”に“ちょんまげ”
「南無妙法蓮華経」と字を逆さまに掘った“鳥居”を持たされ…
岡村 「日本人は自分の国のことを間違っていても平気だと
思われちゃ イヤなんです。
これは絶対に直そうと思ってました」
岡村喬生さんは2003年、04年、音楽には全く手をつけず、
明らかな間違い11か所を改訂した台本を作り国内で上演。
これを観たイタリア文化会館 前副館長の勧めで、
公演を収録したDVDを
プッチーニ・フェスティバル財団に送ると、
財団総監督は、改訂版公演の日本イタリア共催を提案。
そして今年8月、ついに『新国際版』の世界初演が行われることに。
岡村 「リコルディ社が版権を持ってますから、
日本語を正しくして世界のスタンダードになることを心から願ってます」
■オペラは人間の心 ~ 初心者が楽しむポイント
この日、最も多く寄せられた質問は“オペラの楽しみ方”。
「難しく考える必要はない」という岡村さん。
岡村 「“人間のドラマ”が起こってるんです。
喜び、哀しみ、嫉妬…これを観に行くのが舞台芸術。
オペラの筋は実に簡単ですから」
弘兼 「外国の言葉で歌われる場合は
ストーリーをつかんでおいた方がいいですね」
岡村 「聴きどころは、中のアリアはどんなものがあるか――
それはどんなことを歌っているのか――
それを聴いておくといいんじゃないですか」
◆新国際版『マダマ バタフライ』世界初演 / 応援ツアーについて
今年8月にイタリア「第57回 プッチーニ・フェスティヴァル」で上演される
『マダマ バタフライ』は
日本を誤認した歌詞を世界で初めて訂正した“新国際版”の初演です。
■日程:8月 6日/8月11日/8月18日
■会場:イタリア・トーレ デル ラーゴ 湖畔野外歌劇場
■プッチーニ音楽祭イタリア公演・応援の旅について
■出発日:8月 5日(8月6日の初演を鑑賞)
8月16日(8月18日の最終公演を鑑賞)
8月17日(8月18日の最終公演を鑑賞)
■お問い合わせ:赤いりぼんツアー
■TEL:03 - 5298 - 1784 (平日 9:30~17:30)
■お送りした曲目
◆バス・ストップ / ホリーズ
(弘兼セレクション)
◆有楽町で逢いましょう / 岡村喬生
(弘兼セレクション)
◆冬の旅 ~ 菩提樹 / 岡村喬生
◆洒落男 / 岡村喬生
◆可愛い花 / ザ・ピーナッツ
(RN・ハマのかっちゃん さんが初めて買ったレコード)
◆フィジカル / オリビア・ニュートン・ジョン
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