12月11日 川口淳一郎さんの名言
■はやぶさ 大気圏再突入を研究室で一人で見届けた
本当に育てた子供のようですから、
カプセルが帰ってくるかはわかりませんが、
はやぶさが散っていくことだけは確実だったんで・・・。
弘兼 「もしかしたら命が絶えるかもしれない」
はやぶさは、実はもう命は絶えているんですよね。
再突入の前に完全に日陰に入ってしまって。
だけども、散っていくのは・・・
本当は助けてあげられるはずだったんだけど、助けてあげられなかった。
だから・・・本当に、正面から見ていられないっていう感じですね。
■地球に帰還させたい思いが強かった
帰る時には、燃料漏れがあって、
本当は、カプセルを離したあと、
自分は突っ込む軌道から脱出するはずだったんですけどね。
ですから、本当はああいう痛ましい映像にはならなかったはずなんです。
それは、燃料がなくなったとき、
2006年にはわかっていた運命なんですよね。
そうは思いながら運用してきた経緯があって、
救出もしたし、イオンエンジンも動き出したし、
そういう経緯がありながら、運命が決まっているというところが
かわいそうですよね。
■はやぶさのカメラで地球を撮影
カプセルを分離してしまうと、
はやぶさ自身は、運用してもしなくてもカプセルの運命は同じなんですけど、
はやぶさを運用する時間が2時間あまり残されていましたから、
みんなで「はやぶさのカメラで地球を撮ってあげよう」ということでした。
■もし宇宙旅行に行けるなら・・・
(行きたいところは)いろいろなところがありますけど、
人間の命は有限ですから、
往復できる――というと、そんなに遠くには行けないわけですよね。
だけど、木星とか土星までは行けるのかな、という気がしますけどね。
弘兼 「“脱太陽系”ができたらすごいですね」
太陽系を出るだけだったらできると思いますよ。
弘兼 「帰ってこられない(笑)」
石川 「戻ってきて『すごかったよ!』って言ってみたいですもんね」
“旅行”っていうのは戻らないと。
■金星探査機 あかつき の金星 周回軌道への投入失敗について
残念なことですけど、可能性が残っていることで、
ぜひ あきらめずにやってほしいですね。
一発勝負でありながら、可能性が残されたというのは、
むしろ不幸中の幸いかもしれませんよね。
弘兼 「この失敗は次のステップに大いに役立つわけですよね?」
もちろんそうです。
宇宙探査機は試作機しか作りませんので、
試作機でいろんなことをしなければいけないのが
宇宙開発の難しいところで、
もちろん試作機がその継ぎになりますと、
本当に信頼性の高いものにかわっていきます。
■川口淳一郎さんの好きな言葉
『高い塔を建てなければ
新たな水平線は見えてこない』
これからの“将来・未来”は見えてない…
いわば、今の“水平線より向こう”にあるわけですよね。
だけど、同じ目線の位置を保っていたんでは、
その水平線の向こうは見えないですよね。
ですから、思い切って背伸びをしてもらって・・・どんなに無茶でも。
そうして挑戦してもらえれば、そこの視点からだと次の水平線が見えてくる。
そういうことをしてほしいな、と…次の世代にもね。
挑戦をしなければ、将来はない――っていう意味です。
■団塊ホームルーム ~ ゲスト・クエスチョン
◆ 川口淳一郎さんへの10 Questions ◆
Q.昨夜の睡眠時間は?
A.5時間半
Q.今朝の朝食のメニューは?
A.混ぜご飯、魚、サラダ
Q.気になっているニュースは?
A.対中国問題、レアアース
Q.今、気になる人は誰?
A.ノーベル化学賞を受賞した根岸英一さん
Q.子供の頃のニックネームは?
A.・・・わかりませんね。なんだったろう?
Q.毎日必ずする日課は?
A.犬の散歩
Q.2010年を漢字一文字で表すと何?
A.実
Q.今年中にやっておきたいことは?
A.ダイエット
Q.宇宙人、地球外生命体の存在を信じますか?
A.これは確実に存在するでしょう。
(先日のNASAの発表は すごいニュース?)
どういうことをエネルギー源として存在する生物がいるか――
人間が地球上で見て『生命体とはこういうものだ』と決めつけているところは
実はそうではないだろう――ということですよね。
(宇宙人はいる?)
いるのでしょうね。確率的な話になってくるので断言は難しいですけど、
“生命体”という意味でいえば、NASAの発表にもあったように、
“生命として存在する環境”というのは、人間が知るよりも、もっと広いんでしょうね。
少なくとも、太陽系の天体の中でも、きっと存在しうるんだと思いますよ。
生命の存在は100%あり、というか…
逆にいうと“生命が存在しない確率”というと、もっと(少ない)
Q.無人島に“一つ”持っていくなら何?
A.文化放送に敬意を表してラジオ
■川口淳一郎さんの最新著書(12月10日発売)
『はやぶさ、そうまでして君は
~生みの親が初めて明かすプロジェクト秘話』(宝島社/税込み1,260円)
石川 「カバー写真には、大気圏に突入して
きらめきながら燃え尽きた瞬間が掲載されています。
きれいな写真ですよね」
弘兼 「こう言ってはなんですが、花火が散っていく感じですよね」
きれいっていうより、本当は痛ましいんですね。
本来は、はやぶさは突っ込まないはずだったんですよね。
そういうストーリーだったものですから、
逆に我々にとっては、本当に痛ましいんですよ。
■川口淳一郎さんが初めて買ったレコード
◆ピーター・ポール&マリーのアルバム
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