3月20日 ゲスト:ねじめ正一さん
◆テーマ:『詩人・ねじめ正一の心に響くギザギザ言葉塾』 ◆
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ゲストに詩人・作詞家の
ねじめ正一さんをお招きして
詩の魅力、詩を作るポイントなどを
お伺いしました。
また、文化放送が取り組むキャンペーン
『言葉の力 × ラジオのチカラ
ことバリュー 文化放送』も始動!
ラジオの魅力を再確認し、科学的に解明することは可能か?!
ラジオ好きの皆さんにとっては、大注目のプロジェクトが動き出しました!
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■朗読『かあさんになった あーちゃん』
【朗読】 『かあさんになった あーちゃん』
あーちゃんは いつつのおんなのこです。
かあさんの おけしょうをしているのを みていると・・・
おしろい ぱたぱた おしろい ぱたぱた・・・
かんぜんに あーちゃん かあさんきぶんにむちゅうになってきて・・・
じてんしゃ きこきこ じてんしゃ きこきこ・・・
もっと きこきこ もっと きこきこ・・・
この日のゲスト、詩人の ねじめ正一さんのご登場は
オープニングから4分間にわたる
『かあさんになった あーちゃん』(ショートバージョン)の朗読から――。
弘兼 「熱演していただきました!(拍手)
ご本人の読まれる『詩』っていいですね」
石川 「迫真の朗読ですね!」
あーちゃんとは・・・ねじめさんのお嬢さんで、5歳の頃に書かれた詩。
ねじめ 「(ロングバージョンは)
お月さまが出てきたり、ユラユラお月さまが落ちてきちゃって
そのお月さまをどうやって支えようか、とか・・・」
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■ダジャレ王・ねじめ正一少年
「現代史に“バカ詩人”が現れたような…
今 振り返ると、珍しいタイプの詩人でしたね」(ねじめ正一)
『言葉』の世界に生きる ねじめ正一さんのルーツは
小学生時代に“ウケなければいけない宿命”を背負ったダジャレだった!
ねじめ 「勉強ができなかったから、野球がうまくても
女の子が注目してくれない・・・。
笑わせるには『ダジャレ』しかなかったんです。
相当、切羽詰まった思いでダジャレを作ってました」
はじめてウケたダジャレは・・・「ゴジラさん、ごじらへどうぞ」
ダジャレによって、クラスないでの自身の存在を大きくしていった
ねじめ少年でしたが、次第に、ウケるダジャレのハードルが上がって・・・
ねじめ 「やさしい女の子が『昨日お父さんがこんなダジャレを言ったの』
と、ネタを教えてくれて、それをメモしてる自分が情けない(笑)」
昨今、ダジャレを披露すると『オヤジギャグ』として
冷たい視線を浴びることも少なくありませんが、
ねじめさんは『ダジャレ』のよさを 次のように力説。
ねじめ 「すごく緊張した時に、しょうもない『ダジャレ』をいうと
緊張感がほぐれるんですよね。役に立つんですよ!」
弘兼 「僕も週刊誌で『パプアニューギニア』と『パパは牛乳屋』が似てる
――と、読者から集めて、選んでますよ」
(週刊朝日で連載中)
ねじめ少年に『詩人』になることを勧めたのは中学2年の時の担任の先生。
クラスの班ごとに、生徒が交代で記入する『班ノート』を
なぜか、ねじめ正一さんが一人で書くことになって・・・
ねじめ 「俺の係になっちゃって、ウケなきゃいけないから、
詩を書いたり、いろんなパターンで書いていたら
先生に『面白い。おまえは詩人になれるぞ』って言われて…」
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■講師:ねじめ正一『詩の特別授業』
谷川俊太郎さんの詩集『はだか』に収録されている
『さようなら』を教材に、詩の特別授業を披露していただきました。
谷川俊太郎さんが今も活躍されている最大の理由を
『庶民よりも“一歩先”を言葉で表現・・・
その“一歩先”をずっと守り続けていること』と語るねじめ正一さん。
●一歩先――高級感があり、詩の持つ“不思議さ”を秘める
●二歩先――難しすぎる
●半歩先――“ベタついている”
弘兼 「『さようなら』という詩は、ロジカルに作られてる感じがしますね」
ねじめ 「書いているうちに
(家出をしている“ぼく”が)『おかあさんごめんなさい』と言うわけです。
読み手は 読みながら(詩の中の“ぼく”と)一緒に歩いてるけど、
そこで、一回止まって“後ろを振り向くような感じ”にするんです」
「そして『(いちばんすきなものを)みつけたらたいせつにして しぬまでいきる』
これも抽象的な言い方ですよね。
でもここで、読む人は“何かわかったような”
谷川俊太郎の世界を垣間見たような気になるんです」
ねじめさんが『さようなら』を初めて読んだ時には
“自殺の詩”と感じたそうですが、
“家出”“独り立ち”の詩――という捉え方も可能。
ねじめ 「一つの詩で、三通りも四通りも読むことができる詩人って
なかなかいませんよ」
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■詩と作るポイント
「素直に伝えればいいとよく言われるけど、素朴な言葉では表現にはならない」
と語る ねじめ正一さんに、詩を作るポイントをご紹介いただきました。
◆ “素朴”の先にもう一つある“的確・正確な言葉”が大切。
現在大学生のミヤザキさんが高校時代に書かれた詩の中の一節
『ちょうど39個』という表現を「素敵だと思った」そうです。
◆ 「ちょうど」と「39個」が結びついた時に、詩の言葉となる。
◆ 素朴な言葉はいいけれど、
まだほかに、正確な言葉があるんじゃないか――と疑ってみる。
◆ 自分の中には言葉が少ない――としても
自分の中の言葉をすべて使い切って、的確な言葉を使う。
◆ 言葉の繰り返し
ある日、お子さんの友達が、訪ねて来て遊びに誘う声を
耳にしたねじめさん。
うちで遊ぼう――と繰り返す声がやがて・・・
うちであそぼう・・・ウチ de ア ソボー
フランス語のように聴こえたのだとか。
ねじめ 「繰り返すうちに言葉がどんどん強くなることの楽しさ――
これが詩にとって大事」
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■『言葉の力 × ラジオのチカラ ことバリュー 文化放送』
文化放送が4月から1年間かけて取り組むキャンペーン
『言葉の力 × ラジオのチカラ ことバリュー 文化放送』の
アドバイザー・東京大学准教授の 渡邊 克己さんに電話でお話を伺いました。
団塊の世代の方々が語る“ラジオの魅力”にひかれている――という渡邊さん。
テレビやインターネットにはない、ラジオの魅力
音だけのメディア『ラジオ』がどのような力を持っているのか――
学者として強い興味をお持ちです。
Q.ほかのメディアとの違いによるラジオの可能性は?
渡邊 「(音声だけで伝えるラジオは)
ある意味“情報を隠す”こと・限られた情報で伝えることで
“特殊な意味”を持たせることができるのでは…。
あえて「隠す」ことで“生まれてくるもの”は存在すると思っています」
弘兼 「3~4人のパーソナリティー、ゲストが話をしているのを
その横でじっと聴いている感じがしますよね?」
渡邊 「パーソナリティーの方が話していることを
隣の部屋からひっそり聴いている感覚があって、
『いつでも(会話に)入ってきていいよ』という感じもするので、
そういうものがあるとするなら、
それを、他のメディアに持ち込むにはどうしたらいいか興味があります」
一方、マイクの前で話す喋り手には、どのような思いがあるのでしょうか?
弘兼 「ラジオは『言葉がすべて』ですから
キッチリしゃべらなきゃいけないプレッシャーがあるんですけど…」
石川 「絵で表現するメディアと違い『音声だけ』ということになると
喋っている私たちのフォーカスで、
どこに視点を当てているか――ということによって、
伝えるポイントがずれてくることもあると思いますし、
そのあたりは、気を配ることはあります」
インターネットラジオ、デジタルラジオの到来…ラジオの未来は??
渡邊克己さんが挙げたポイントは次の通り。
●ウェブサイトと連動するラジオは出てくる。
●それが昔のラジオとどう違うのか?
インターネットと違って、どのように発展するべきか――。
●パーソナリティーの顔を
そのまま(端末の画面に)出すのが、いいことなのか?
●顔を見たことがない・声を聴くだけで(相手を)想像している――
ということが重要。
●パーソナリティーの顔がわかると
(イメージと違うことで)ガッカリすることが多いのでは?
ただ、その“ガッカリ”もまた楽しいことなのかも。
●そういうものをきちんと計算して盛り込んだ上での
インターネットとの付き合い方をしないと
ラジオの特性が失われてしまうかな――と思う。
●今回のキャンペーンは、そういうことを見直すいい機会。
渡邊 克己さんには、研究内容について、
今後も随時、お話を伺ってまいります。どうぞお楽しみに!
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■お送りした曲目
◇おもいでのアルバム / 芹洋子
(弘兼セレクション)
◇ホームラン教室 / 小柳徹
(弘兼セレクション)
◇一人で大人 一人で子供 / HIGH-LOWS
(ねじめ正一さんのリクエスト)
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ねじめ正一さんの名言や、
今話題の問題に対する弘兼憲史さんの見解もお見逃しなく!