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8月4日 石川真紀 放送後記

◆没後10年 音楽家・山本直純特集の回◆
 
ご長男の山本純ノ介さんと、
直純さんの晩年13年に亘り
マネージャーをお務めになった
岩永直也さんのお話を伺っていて、
お亡くなりになった後も、
こうして、やがて語られる日を見据えて
過ごしていらしたのかと思えるほど、
逸話を豊富に遺された音楽家のようです。
 
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直純さんが
音楽とどのように向き合っていらしたのか。
その思いは、
純ノ介さんが仰った
「音楽家にとって、
 その場に音楽が流れているということは、
 話しかけられているのと同じこと。
 お寿司屋さんを好むのは、
 たいて音楽がかかっていないから」

というエピソードによく現われています。
 
生み出そうとして生み出し、
触れようとして触れるのが、
いわゆる商業音楽だとすれば、
直純さんご一家は、
音楽が共存する日々の営みを基盤に、
求められる商業音楽を世に送り出したことで、
バランスを保つことに
成功されていたように感じます。
 
お寿司屋さんを好む理由が、
以前、ご出演くださいました
前田憲男さんと同じだったことも、
感慨深いものがあります。
 
次から次へとアンコールに応える直純さんを、
オーケストラの方々やお客さんが
どんな表情で囲んでいらしたのか。
生前、直純さんが指揮をとられたコンサートを
会場で拝見できなかったことが、
残念でなりません。
 
直純さんが遺された
日本の心を巧みに映す名曲たちを、
これからも耳にする毎、
堪能させていただきます。
 
 
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2012年08月04日