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5月5日 男が泣ける歌対決! ゲスト:三田誠広さん
◆テーマ
『 男が泣ける歌対決 三田誠広 』
ゲストは芥川賞作家、武蔵野大学教授
(1977年『僕って何』で芥川賞受賞)
『男が泣ける昭和の歌とメロディー』(平凡社)
著者の三田誠広さん。
▲石川アナウンサーが手にしているのは
『男が泣ける昭和の歌とメロディー』
(画像をクリックすると拡大します)
■三田誠広 VS 弘兼憲史“泣ける歌”対決
三田誠広さん、弘兼憲史さんがそれぞれ
昭和の時代に登場した楽曲の中から
泣ける歌(メロディー)ベスト5を選出。
5位から1位まで一曲ずつ、
その曲への想い・エピソードと、
泣ける理由を熱く語りながら、
ゴールデンウィークのお昼を涙色に染め上げました。
■第5位 対決!!
ジャンケンで勝った弘兼さんが先攻。
別れの宿 / 美空ひばり (弘兼憲史)
●泣かせるポイント
“今度どこかで出会う時は
きっと今より幸せな『私のあなた』でいてほしい”
五番街のマリーへ / ペドロ&カプリシャス (三田誠広)
●泣かせるポイント
阿久悠さん(作詞)の最高傑作。
過去と現在の距離感を取った歌詞――
都倉俊一さん(作曲)の曲がよく、奥深い。
■第4位 対決!!
愛するってこわい / じゅん&ネネ (弘兼憲史)
●泣かせるポイント
大学時代に上京して初めて付き合った人は
タレントの卵で“売れ出す”につれて
次第に自分に冷たくなった・・・。
ある日、東北沢のスナックで飲んでいると
彼女が(いわゆる)“ギョーカイ風”の男性と
やってきて・・・
弘兼 「目が合っても『何も言うな』みたいな顔して
仲良く目の前で見せ付けられて
『金もない学生が この人に勝てないな』
という悲しい思い出なんですが、
彼女が『じゅん&ネネ』の
じゅんさんに似てる…
この曲を聴くと胸がキュンとくるんです」
錆びたナイフ / 石原裕次郎 (三田誠広)
●泣かせるポイント
海岸で「錆びたナイフ」を・・・
ゴミを拾うというだけの歌だが
裕次郎が歌うとカッコいい!
三田 「裕次郎のカッコよさは“神秘”ですね」
■第3位 対決!!
It's A Lonesome Old Town / ビリー・ヴォーン (弘兼憲史)
●泣かせるポイント
5位、4位と「歌詞」にツッコんで
笑ってしまった反省から、3位は
本来、フランク・シナトラやブレンダ・リーの
ヴォーカルのある歌ですが、あえて演奏モノで勝負。
日本人ウケしそうなメロウな曲調。
弘兼 「夜、一人ウイスキーを傾けながら
これを聴くと泣けるんですよ」
襟裳岬 / 森進一 (三田誠広)
●泣かせるポイント
男二人の挫折の歌。
一人、先に“夢”を諦めた人が襟裳岬へ。
「ペンションか何かをやっている」
そして後から襟裳岬へ行った人が
慰めてもらう。
三田 「私は学生運動だと確信しております。
傷ついた奴が、先にやめた人のところで
コーヒーで慰めてもらってる。
本当に胸がズキンと痛む歌です」
歌詞には
“捨ててきた煩わしさ”が書いていないため
誰にでも当てはまる曲。
弘兼 「我々世代は、学生運動で挫折した二人と
解釈できるということですね」
■第2位 対決!!
宿命(映画『砂の器』より) (弘兼憲史)
●泣かせるポイント
映画『砂の器』の背景・名シーンを
セリフを交えながら熱く説明する弘兼さん。
弘兼 「(劇中のセリフで)
“…そんな奴は知らん!”と言った時に流れて、
この瞬間に涙がドーっと流れる
今でもすごい泣ける曲です」
石川 「身振り手振りで映画について
語ってくださった様子を見たら
“活弁士”をやっていただきたいなと
思いました」
ヤマトより愛をこめて / 沢田研二 (三田誠広)
●泣かせるポイント
アニメ映画『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』
主題歌ですが、ヤマトといえば「戦艦大和」。
親の世代には、戦争で
“死に損なった影”を引きずった人が多かった――。
影を引きずった男の気分になる一曲。
三田 「沢田研二が歌うから
少し明るさもあっていいんだけど、
これは“死ぬ歌”ですね。
我々の世代は戦争の影を引きずっていた。
我々も“死に損なって”
還暦まで生きてしまった思いがあって、
今でも泣きながら生きてる気がする」
■第1位 対決!!
I'm A Fool To Want You / ビリー・ホリデイ (弘兼憲史)
●泣かせるポイント
邦題は『恋は愚かというけれど』。
オリジナルは1951年のフランク・シナトラ。
ビリー・ホリデイは
44歳で亡くなる1年前(1958年/昭和33年)に
この曲を
“体がズタズタ”になるかという状況下
“しゃがれた声”で録音。
ホリデイの“人生”を歌った
いつ聴いても泣ける一曲。
(曲後)
弘兼 「どうですか!」
弘兼さんは想い極まり、
日本語訳詞の一部を読み上げ・・・
弘兼 「いいですよね!」
石川 「弘兼さんが朗読されることに
今わたし、グッと来てしまいました」
弘兼 「こういう面もあるんですよ」
無縁坂 / グレープ (三田誠広)
●泣かせるポイント
年老いた母にも若かった頃がある――。
そのことに、
大人になった息子が胸を痛める――。
三田 「誰にとっても、母親の思い出は貴重なもの。
涙なしには
思い出せないものではないかな
と思います」
■リスナー投票結果
三田誠広 VS 弘兼憲史 “泣ける歌”対決を
番組をお聴きのリスナーの皆さんに
ジャッジしていただきました。
引き分け・・・ 1票
弘兼憲史・・・ 60票
三田誠広・・・186票
「第1回 泣ける歌 対決」は
三田誠広さんが制しました!!
三田 「弘兼さんの選んだ曲は
本当に心に染み入るいい曲だったなと思います。
でも私が選んだのもポップな曲ばっかりなんでね
1曲目聞いたときから
『私の勝ちだな』と思ってました」
石川 「王道をいく選曲と
比較的“知る人ぞ知る”というところで
タイプが分かれているのかもしれないですね」
ベスト5を挙げる中でお互いに
選曲が重なる可能性を心配したものの、
選曲の方向性には
明確な違いがあることがハッキリしました。
弘兼 「一回も重ならなかったですね。
(でも)三田さんの本
『男が泣ける昭和の歌とメロディー』の中には
“これを選ぼう!”という曲が
いっぱい入ってます」
三田 「弘兼さんは“通ウケ”するような
すごいものをリストアップされたな、と
ビックリしています」
■戦い終わって・・・
放送終了後には、対決を振り返りながら
しばし“延長戦”の泣ける歌談義。
▲敗因の分析と次回の戦略を練る弘兼さん
■三田誠広さんの最新情報
◆『新釈悪霊』(作品社)を執筆中◆
これまで『罪と罰』『白雉』を書き換えてこられた三田さんの
ドフトエフスキー新釈シリーズ第3弾は
「自分にとっては最高傑作」――と語る一冊。
三田 「『悪霊』という作品は一番難解な本だと思います。
これをわかりやすくするために
物語の前史――
登場人物たちの青春時代を描くことによって
きれいにわかる作品にしたいと思っています。
ただ、きれいにわかってしまうと
ドフトエフスキーの謎めいた魅力が
なくなってしまいますので
一種の“解説書”だと思って
読んでいただきたいな・・・と思ったんですけど、
原典の部分をつけないと一つの物語にならないので
原典も書き換えているうちに
結末を変えてしまいました」
弘兼 「正しくは『あくれい』なんですか?」
三田 「どう読んでもいいんです。
ただキリスト教では『あくれい』と(言います)。
ドフトエフスキーですから
『あくれい』かなと思ってます」
◆『男が泣ける昭和の歌とメロディー』(平凡社)発売中◆
価格:1,575円(税込)
▲『男が泣ける昭和の歌とメロディー』(三田誠広・平凡社)
三田誠広さんの最新情報は
三田誠広のHOMEPAGEをご覧ください。
■お送りした曲目
◆泣かないで / 和田弘とマヒナスターズ
(弘兼セレクション)
◆別れの宿 / 美空ひばり
(弘兼憲史の泣ける歌 第5位)
◆五番街のマリーへ / ペドロ&カプリシャス
(三田誠広の泣ける歌 第5位)
◆愛するってこわい / じゅん&ネネ
(弘兼憲史の泣ける歌 第4位)
◆錆びたナイフ / 石原裕次郎
(三田誠広の泣ける歌 第4位)
◆It's A Lonesome Old Town / ビリー・ヴォーン
(弘兼憲史の泣ける曲 第3位)
◆襟裳岬 / 森進一
(三田誠広の泣ける歌 第3位)
◆宿命(映画『砂の器』より)
(弘兼憲史の泣ける曲 第2位)
◆ヤマトより愛をこめて / 沢田研二
(三田誠広の泣ける歌 第2位)
◆I'm A Fool To Want You / ビリー・ホリデイ
(弘兼憲史の泣ける歌 第1位)
◆無縁坂 / グレープ
(三田誠広の泣ける歌 第1位)
◆YEEL / いきものがかり
(三田誠広の泣ける歌 番外編)
◆ユア・ソング~僕の歌は君の歌 / エルトン・ジョン
(RN・多摩の、いたとも ゆうひさんが初めて買ったレコード)
◆さくら証書 / 八神純子
(弘兼憲史の泣ける歌 番外編)
◇三田誠広さんの名言・好きな言葉(PC版)はこちらをご覧ください。
◇過去の放送レポート バックナンバー(PC版)はこちら
2012年05月05日