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2月25日 石川真紀 放送後記
◆ゲスト:篠山紀信さんの回◆
世界にそのお名前を轟かせる紀信さんは、
驚くほど大らかで、気さくで、
それでいて、もちろん繊細で。
被写体であっても、そうでなくても、
実際にお会いした方はきっと、
知らず知らずのうちに、
紀信さんを好きな度合いが上昇するはずです。
東日本大震災の被災地で撮影された
最新写真集「ATOKATA」で、
私が特に印象深く感じたのが、
とある民家の外観と内側から
窓外の光景を収めた2枚の写真。
津波によって居室を家財ごと流された外観と、
外に押し出された生活の様子を
居室から窓外に見る、この2枚。
あの災害は、
人が築いた
‘境’や、‘層’、‘線’、‘違い’、
そして‘軌跡’を、
一息に、あるいは無残に、なくしてしまいました。
紀信さんが、
ファインダー越しに感じながら撮影していたと仰る、
畏怖、畏敬、
そして、生きているということを、
写真集の後半に収められている
被災された方々の表情が
物語っている。 ―
様々な気づきを、
紀信さんの記録写真が与えてくれます。
私も、紀信さんと同じ
‘紀’の字が名前に入っている1人として、
‘紀心伝心’の言葉、大切にしたいです。
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2012年02月25日