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9月10日 ゲスト:真鍋 真さん
◆テーマ 『 決定! 恐竜研究 最前線! 』
夏休み終了後も、連日 大勢の人でにぎわう大人気特別展『恐竜博2011』から
“恐竜博士”真鍋 真さんがスタジオに登場!
『恐竜博 2011』の見どころ紹介から
恐竜の生態について――
「大きくなったワケ」「止まらない成長と寿命」「走る・歩く速度」
「恐竜の親戚・プテラノドンはいかにして飛んだのか」「絶滅の理由」・・・
数多くのお寄せいただいた質問の中から、放送でご紹介できたのはごく一部でしたが
真鍋 真さんにわかりやすく解説していただきました。
▲翼竜の解説の際には、両手を大きく広げる 真鍋真さん
■恐竜界の2大スターの競演! そして新たな骨格の復元
開催中の『恐竜博 2011』(10月2日まで)の見所の一つは
ティラノサウルス×トリケラトプス の2ショット展示。
最新研究に基づき『恐竜博 2011』のために、全身骨格を新たに復元。
これまでに、
ティラノサウルス、トリケラトプスの骨格展示を見たことがある人にも
新鮮な感動を呼び起こすことができるはず。
真鍋 「『違う!』と驚きがあるので、ぜひご覧いただきたいと思います」
ティラノサウルスが“しゃがんだ態勢”で
トリケラトプスを待ち伏せしている展示も新しい要素。
ティラノサウルスは全長12メートル。
しかし、前足は86センチと短いため、獲物をつかんで口に運ぶことはできません。
転倒すると、体を支えることも不可能。
頭が重く、一度しゃがむと立ち上がることが困難であるため、
立ち上がる際に、前足をつかなければ起き上がれなかったのではないか――
と考えられるようになりました。
真鍋 「しゃがんで、今から立ち上がるようなティラノサウルスを見てみたい
――ということで、骨格を組み合わせました」
さらに、これまで復元される機会が少なかった「腹肋骨」「叉骨」も再現。
真鍋 「今のところ、最も完全なティラノサウルスの復元になっています」
■ティラノサウルスに羽毛が生えていた
これまで、ティラノサウルスの小型の原始的種類に関しては
羽毛があったことがわかっていましたが、
“最大の肉食恐竜”ティラノサウルス・レックスには
今より温暖だった時代に羽毛があれば「暑かったはず」と否定的な考えが中心でした。
真鍋 「子どもには羽毛が生えているけど、
大人になると生え変わらない――と言われてきました」
ところが、去年、中国で発見された
7メートルクラスの新種のティラノサウルス類の羽毛が見つかり
「7メートルまでは羽毛はあってもリスクにならない」――と判明。
真鍋 「今回、ティラノサウルス・レックスに羽毛を生やしてみました」
『恐竜博 2011』の展示についてご紹介していただく際の多くは、
資料を見ながら真鍋 真さんの解説に耳を傾けての放送に。
ティラノサウルスの背中から尾にかけて生えた羽毛を見てスタジオの反応は・・・
弘兼 「これ、妙なもんですね」
石川 「『これティラノ??』」
真鍋 「大人の事情で羽毛を“盛り過ぎ”な感じなんです。
“さりげなく”すると気づいてもらえない。
“多め”につけると『これ何?羽毛?』『カッコいい・悪い』という
リアクションがあるので、ちょっと多めについています」
▲弘兼さんは『恐竜博 2011』の資料を見ながら真鍋さんに質問攻め
今後も進化する“恐竜研究”であなたも一緒に一喜一憂を――。
真鍋 「将来、たとえば、ティラノサウルスの肩からウロコがみつかれば
“恐竜博2011で真鍋さんが言っていたことは間違っていた”
ということになるし
羽毛のようなものが見つかれば“(この説で)いけるかもしれない!”
ということになる――。
近い将来、それが見つかって“皆さんと一緒に一喜一憂したい”
という思いもあって、仮説を提案させていただきました」
■恐竜の色を特定!
2010年1~2月に、2種類の恐竜の色が判明。
これまで、羽毛が残っていた場合も、
地層の中で黒や茶色に変色し、本当の色を突き止めることは不可能――、
恐竜図鑑で描かれる恐竜の色はあくまでも“想像”で
「恐竜の色について科学的に答えることは不可能」という考えが常識でした。
しかし、去年発見された羽毛から
「メラノソーム」(メラニン色素を含む細胞)が発見されました。
真鍋 「アンキオルニという種類が、唯一、全身の色がわかって、
全身が黒っぽくて、翼に白い帯がついていて、
頭とか頬のところに、
赤もしくはオレンジのワンポイントの色がついています」
弘兼 「パッと見て、羽の柄は“鷹”みたいな感じですね」
■『恐竜』の意味は“大きい爬虫類”
日本語の『恐竜』は明治時代に英語『ダイナソー』を訳したもの。
その「ダイナソー」はギリシャ語起源の『ダイノス』『サウロス』に由来。
『サウロス』(サウルス)は「トカゲ」を意味します。
(“恐竜”における“サウルス”は広く『爬虫類』の意で使われていると思われる)
では『ダイノス』(ダイナ)の意味は――??
正解は『恐ろしい』
真鍋 「“恐ろしいほど大きい”“大きいから恐ろしい”という意味だと思います」
石川 「『草食』なのに全部ひっくるめて“恐ろしい竜”っていわれるのは
かわいそうだな、と思っていたので、よくわかりました。
“大きい”というほうが、大きな意味が込められていたんですね」
■HAPPY Birthday !!
前日9月9日に64歳の誕生日を迎えた弘兼憲史さんに
たくさんの祝福のメッセージをお寄せいただきました。
石川 「64歳の1年はどんな年にしたいですか?」
弘兼 「まず『坐骨神経痛』を治すこと・・・(笑)
これは治りませんから、だましだまし…」
石川 「『おめでとうございます』と申しましたら
『あと20年は長生きできるようにしたい』と…そんな、20年と言わず」
弘兼 「石川真紀さんの幸せな姿を見届けるまでは死ねません(笑)」
放送終了後にケーキでお祝いした様子を放送後記でご紹介しています。
■『恐竜博 2011』は10月2日まで 未見の人は国立科学博物館へ急げ!
国立科学博物館(上野)で開催中の『恐竜博 2011』(10月2日まで)について詳しくは
特別展『恐竜博2011』をご覧ください。
■お送りした曲目
◆20th Century Boy / T. REX
(弘兼セレクション)
◆When I 'm Sixty Four / ザ・ビートルズ
(弘兼セレクション)
◆タイムマシンにおねがい / サディスティク・ミカ・バンド
◆やつらの足音のバラード / ムッシュかまやつ
◆夜空の星 / 加山雄三
(RN・SP盤さんが初めて買ったレコード)
◆シェリーに口づけ / ミッシェル・ポルナレフ
(真鍋 真さんが初めて買ったレコード)
◆メトロポリタン美術館(ミュージアム) / 大貫妙子
◇真鍋 真さんの名言・好きな言葉はこちらをご覧ください。
◇過去の放送レポート バックナンバーはこちら
2011年09月10日