614
11月6日 ゲスト:向谷 実さん
◆テーマ:『発車メロディは
そっと背中に語りかける愛のオタマジャクシ!』 ◆
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
大好評 鉄道特集!
今回は、発車ベルにとってかわり、すでに広く定着している発車メロディに焦点をあてた2時間。
ゲストは
フュージョンバンド『カシオペア』のキーボード奏者、
そして、様々な路線で
数多くの発車メロディを手掛けられた
“鉄道タレント”
時に、深すぎる話になりながら、
発車メロディにかけた想い、
制作秘話を伺いながら、
実際のメロディもお楽しみいただきました。
そして、来年3月全線開業の九州新幹線の発車メロディを本邦初公開!!
■話術で呼びこんだ 発車メロディ制作依頼
自ら作曲した発車メロディを聴きながら電車に乗る時こそ
「生きててよかったと思う瞬間」と語る向谷 実さん。
鉄道ゲームの制作を依頼された際、
発車メロディを試聴…感想を尋ねられ
持ち前の“話術”が本領発揮!
その場では「いい」とも「悪い」とも言わず
「う~ん、どうですかね」と答えるのみに留め、
翌日、自作の発車メロディを提案すると、
見事 採用!!
これをきっかけに、多くの鉄道会社から
発車メロディ作曲の依頼が舞い込むようになりました。
初めて作った九州新幹線全駅共通 発車メロディは
電車に乗る前のワクワク感を大切にしたのだそうです。
■モーター音を聞けば、車種がわかる!
「団塊倶楽部」ではシリーズ化してお送りしている鉄道特集・・・
この日は、過去最大級の深い話に!?
加速する際、♪ドレミファソラシドレミ…という音階を奏でる
インバーター制御モーターの話題になると・・・
高速時と低速時とのモーター音の違いをキーボードで再現。
向谷 「インバーター制御のモーターに こういう音が出る要素があるんです。
だんだん、この音が減っていて、
今、日本中の鉄道ファンに呼びかけて なんとか守ろうとやってるんですけど…」
弘兼 「みんな、ついてきてますか?」
石川 「かなりハイレベルですね」
■CD完売!京阪電鉄 54種類 発車メロディ制作秘話
京阪電気鉄道の発車メロディ全面リニューアルに伴い
「特急と それ以外」「上りと下り」で異なる
全54種類の発車メロディを制作することになった向谷 実さん。
大阪から京都に向かう列車を「上り」ということから
“京に上る”=“和モノ”のイメージが完成。
「淀屋橋」の特急・上りホームの発車メロディに
向谷 「発車メロディに鼓を入れたのは世界で初だと思いますね」
さぁ1曲完成! しかし「54種類」は膨大な数・・・
そこで思いついたアイディアが「つなげて一曲にする」こと。
大阪「淀屋橋」から京都「出町柳」を結ぶ京阪特急の区間の特徴から
地下~地上~高速区間…~速度を抑えるエリア~
~しかし“特急のモチベーション”を維持したい…~
このようなイメージを元に、駅ごとのメロディに変化をつけました。
「京橋駅」で地下から地上に出る際の“羽ばたき”をイメージ
放送では、一曲につなげた特急用発車メロディ「MIYABI」の一部をお聴きいただきました。
関係者に披露する際、作曲にこめた想い・制作意図を説明すると大喝采!
向谷 「社長以下、皆さん大ウケでした」
また、このメロディはCD化され、駅限定で販売したところ完売!
向谷 「全国の鉄道ファン新幹線に乗って2千円のCDを買いに来たんです」
■発車メロディに関する3つのルール
向谷 実さんの発車メロディ制作に関するこだわりを伺いました。
1.電車に乗る前に楽曲を終結させない
曲が“終わる”と乗りにくいため。
2.単純な音源を使わない
発車メロディは けっして音楽向きではない
駅備え付けのスピーカーから流れますが、
できるだけ自分のやりたい音楽をかけられるように研究。
向谷 「スピーカーの特性と状況に応じて出来る限り
オーケストレーションされた音楽を作りたい」
3.できるだけ生音と手弾きで演奏にこだわる
電子系のメロディは、機械でキッチリとリズムを調整されてしまいがち・・・
しかし、微妙にずれた“生音”“手弾き”の演奏によって人間味が加わります。
向谷 「できるだけ自分のグルーヴで弾いたもので
電子系の音でありながら“人間臭さ”“人間らしさ”を残す――。
理想的な不条理の世界を生み出すために
できるだけ生音と手弾きにこだわるんです」
■九州新幹線 熊本駅(使用予定)発車メロディを本邦初公開!
九州新幹線は来年3月に全線開業。
JR九州から熊本~鹿児島間の発車メロディには
“ご当地っぽさ”を取り入れるよう求められ・・・
熊本駅には“おてもやん”
鹿児島駅には“小原節”のイメージを盛り込んだという
発車メロディを いち早くお聴きいただきました。
弘兼 「おてもやんの感じ、最後のところでわかりました!」
向谷 「この曲(鹿児島駅)が一番苦労しました。
10回くらい聴くとわかります」
向谷さんは“九州新幹線全線開業の意味”として、
これまで【最終目的地】とされることの多かった【博多・熊本・鹿児島】などから
さらに移動することが容易となる――という点で
「鉄道旅行の面白さと、旅全体のダイナミズムが変わる」と力説されました。
■ジャズフェスティバルの期間限定!ビッグバンド バージョン
神奈川県横浜市旭区で毎年夏に開催される「旭ジャズまつり」。
盛り上がった街を支援するため、相模鉄道「二俣川」駅では
期間限定でビッグバンド バージョンの接近放送用メロディを放送。
もちろん、作曲は向谷 実さんです。
上り(横浜方面行き)と
下り(海老名方面行き)とで
異なるテンポの曲に仕上げた――
というエピソードとともに
夏にしか聴くことのできない
メロディをお聴きいただきました。
※下りホーム用のメロディは“ゆったり帰る”ことをイメージし、ゆったりしたテンポに
■お送りした曲目
◆ASAYAKE / CASIOPEA
(弘兼セレクション)
◆赤いランプの終列車 / 春日八郎
(弘兼セレクション)
◆VVVFの宴 / SUPER BELL"Z&向谷実
(アルバム『東横特急』より)
◆パリの四月 / カウント・ベイシー楽団
(向谷 実さんのリクエスト)
◆D51 走行音
(RN・げじまゆさんが初めて買ったレコード)
◆モンキーズのテーマ / モンキーズ
(向谷 実さんが初めて買ったレコード)
◆Twilight Stream / 向谷実×中西圭三プロジェクト
向谷 実さんの名言・好きな言葉はこちらをご覧ください。
(各画像をクリックすると拡大します)
2010年11月06日