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5月1日 ゲスト:富澤一誠さん
◆テーマ:『レコードじゃんけんで振り返る
“昭和”のミュージックシーン!』 ◆
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いよいよゴールデンウィークに突入!
のんびりと番組を
お楽しみいただきたい――と
この日は、時間の許す限り
曲をたっぷりとおかけする
新企画をお届けしました。
ゲストは1951年生まれの音楽評論家
富澤一誠さん。
1960年代から2000年代までの
年代ごとの名曲を
富澤一誠さん、弘兼憲史さんがセレクトし
おかけする曲は 生放送中のスタジオで
“じゃんけん”により決定!
大の男二人が真剣にじゃんけんで対決する
異様な光景・・・
予想を上回る熱気を帯びて、
番組の進行は
生放送の流れにまかせての大暴走?!
■東大を辞めてまで・・・音楽評論の世界へ
西郷輝彦さんに憧れ
「歌手になりたい」という強い思いを抱いていた
富澤一誠さんは高校3年の夏に、
家出同然に上京することを考えます。
「お前はいい声してるかもしれないけど、
音痴かもしれない」
「歌手になるのもいいけど、
東大に入る方が楽じゃないか?」
先生の助言により、半年間待って
“とりあえず”東京大学に進学。
「大学に入ったら好きな事をやろう」と
アルバイトで学費を捻出し、歌謡学校へ通い始め、
なんと、東大はわずか2か月で退学。
富澤 「自慢じゃないですが
大学の“単位”というものが全く分かりません」
石川 「もったいない!」
しかし・・・
先生の助言は正しかった??
歌謡学校で
「音痴かもしれない」と気づくと
やがて目指す道は“作詞家”、
(コンサートを開催する)
“イベンター”へとシフト。
さらに・・・
フォークソング黎明期でもあった当時、
ある時 目にしたフォーク雑誌の
“岡林信康特集”に感じたこととは・・・
「俺が書いた方がよっぽどいい」。
雑誌編集部に1200字の評論を送ると、これが評価され
編集部からの誘いを受けることとなりました。
1971年10月――二十歳の富澤一誠さんは、
一度も就職を経験することなく
音楽評論家の道を歩むことになったのです。
■生放送中に方針転換!完全決着へ!!
富澤一誠さんと弘兼憲史さんが
年代ごとにお気に入りの一曲をそれぞれセレクト。
生放送中のスタジオで じゃんけんをして
勝った方の曲をおかけする、実験的企画。
「これは面白いですね!どんどんかけましょう」と
音楽が大好きな弘兼さんの声もあり、
当初、60年代~90年代まで
10年ごとの4つの年代で“対決”をする予定でしたが
より多くの曲をおかけするべく、
引き分けの可能性をなくし、
より対決色を強めるために、急きょ、2000年代も追加。
初対面とは思えない
弘兼憲史×富澤一誠の本音トークに、
真剣勝負のじゃんけん――
もっとも、じゃんけんで手は抜けませんが――で
異様な盛り上がりを見せるスタジオ。
勝者が選んだ曲はフルコーラスで、
敗者が選んだ曲は
1~2コーラスまたはBGMとしておかけしました。
ラジオやパソコン(radiko)の前でお聴きの皆さんは
のんびりとお楽しみいただけたでしょうか。
団塊ジュニアの石川真紀アナウンサーなら、どんな選曲をしたでしょうか?
■富澤一誠 vs 弘兼憲史 じゃんけん対決!5番勝負
◆1960年代◆
WIN (弘兼)「雨に咲く花 / 井上ひろし」(60年)
vs (富澤)「友よ / 岡林信康、高石友也」(68年)
弘兼 「カラオケでよく歌う大好きな曲です」
富澤 「世界的規模で
学生運動が凄かった時代ですね。
70年安保に向かっていく中で、
デモの中で『友よ』が歌われました。
岡林さんは“フォークの神様”と言われましたけど、
なるべくしてなった“時代のヒーロー”
“時代が生んだヒーロー”ということでしょうね」
◆1970年代◆
WIN (富澤)「結婚しようよ / よしだたくろう」(72年)
vs (弘兼)「さよならをするために / ビリー・バンバン」(72年)
富澤 「よしだたくろうさんが
『結婚しようよ』で大ヒットして、
初めて“フォーク”がアンダー・グラウンドから
オーバー・グラウンドに出たんです。
よしだたくろうさんが出なければ、
今のJ-POPはないといっても
過言ではないですね。
岡林さんは
“政治・社会”のことを言ったんですが、
たくろうさんは“自分”のことを言ったんです」
“ユーミン”松任谷由実さんが台頭した75年を境に
日本の音楽シーンは
生ギターによる弾き語りのフォークから、
キーボードを駆使したニューミュージックへ。
富澤 「音楽性が変わって、ポップになってきたんですね」
石川 「富澤さんがじゃんけんで勝ってくれて
うれしいです♪」
『結婚しようよ』をおかけしている最中、
当時の男性が
髪の毛の伸ばしていたことが話題になって・・・
富澤 「かみさんとデートしている時
“女が二人”だと思って
男が二人来て、パッと顔を見て
『なんだ、男か』と言われましたよ。
あと、ラーメンを食べる時、たいへんだったんです。
バサーッと入っちゃうんで(笑)」
石川 「みなさん、髪が長かったのかと思ったら、
塚本プロデューサーは短いままだったそうです」
弘兼 「みんな(が長かったわけ)じゃないですよ。
“アイビー派”は伸ばしてなかったです」
◆1980年代◆
WIN (富澤)「ルビーの指環 / 寺尾聰」(81年)
vs (弘兼)「恋 / 松山千春」(80年)
富澤 「80年代に入って
“リズム”“ビート”が出てくるんです。
85~86年から“ロック”がきてバンドブーム。
ロックのリズムとビート、
それからポップの時代です。
歌謡曲は、松田聖子さん、
中森明菜さん、小泉今日子さんが出てきて、
裏では、歌謡曲とプップス、
ロックの戦いでしたね」
(写真右には、よく見ると【間違い】があります。わかりますか?)
◆1990年代◆
WIN (弘兼)「さよならイエスタデイ / TUBE」(91年)
vs (富澤)「ラブ・ストーリーは突然に / 小田和正」(91年)
富澤 「90年代は“ミリオンセラー当たり前”の
メガヒットの時代です。
なぜメガヒットしたかというと、
カラオケ人口が増えたんです。
カラオケで歌える歌が前提で、
それをちゃんとマーケティングして
作ったのが小室哲哉君。
あとはDEEN系といわれる
ZARD、DEEN、
ダンスミュージック、ユーロ・ビート…、
いろんなジャンルが花開いたのが90年代です。
その中で70年代にデビューした
小田和正さんがミリオンセラーを出せるのは
すごいことです。
それだけ“心のぜい肉”が
ついてないというですよ」
弘兼 「『ラブ・ストーリーは突然に』は
フルで歌えますよ。
女房の手前、覚えましたから」
※柴門ふみさん原作のドラマ『東京ラブストーリー』主題歌
◆2000年代◆
WIN (富澤)「また君に恋してる / 坂本冬美」(09年)
vs (弘兼)「HOTLL PACIFIC / サザンオールスターズ」(00年)
富澤 「今、皆さんが
一番聴きたいと思ってる曲を選びました。
オリジナルのビリー・バンバンもいいですが、
冬美さんは、演歌のこぶしを抑えることによって、
新しい大人の音楽が出てきたんです。
ポイントは“男歌”を
女性の坂本冬美さんが歌うことで、
男女関係なく、
たくさんの人が聴くようになりました」
弘兼 「『HOTLL PACIFIC』は酔っぱらって歌うと、
酸欠になって、目の前が真っ白になります(笑)」
<対決の結果はご覧の通り 3勝2敗で富澤一誠さんの勝利!
■お知らせ
◆本 『あの素晴らしい曲をもう一度 フォークからJポップまで』
(新潮新書/777円)
◆CD『あの素晴らしい曲をもう一度
~富澤一誠・名曲ガイド。時代が生んだ名曲39曲~』
(CD3枚組/5,000円)
富澤 「Jポップの50年の歴史を書いていて、
本の中で50曲を、
さらに厳選した39曲をCD3枚に入れました。
本を読んでいただいてから聴いてもいいし、
聴いてから本を読んでもらっても、よりわかります」
◆フォークコンサート 『フォーエバーヤング』
日時:5月16日(日)16:30開演
会場:須坂市文化会館メセナホール 大ホール(長野市)
出演:尾崎亜美、ばんばひろふみ、ブレッド&バター
富澤 「どこでもやったことのないメンバーで組んだ
ジョイントコンサートです」
■お送りした曲目
◇五月のバラ / 尾崎紀世彦
(弘兼セレクション)
◇さいざんす・マンボ / トニー谷
(弘兼セレクション)
◇雨に咲く花 / 井上ひろし
(60年代対決:弘兼憲史選曲)
◇友よ / 岡林信康、高石友也
(60年代対決:富澤一誠選曲)
◇結婚しようよ / よしだたくろう
(70年代対決:富澤一誠選曲)
◇さよならをするために / ビリー・バンバン
(70年代対決:弘兼憲史選曲)
◇神田川 / かぐや姫
(CD「あの素晴しい曲をもう一度」より)
◇ルビーの指環 / 寺尾聰
(80年代対決:富澤一誠選曲)
◇恋 / 松山千春
(80年代対決:弘兼憲史選曲)
◇さよならイエスタデイ / TUBE
(90年代対決:弘兼憲史選曲)
◇ラブ・ストーリーは突然に / 小田和正
(90年代対決:富澤一誠選曲)
◇ワン・ボーイ / ジョニー・ソマーズ
(RN・グランパとしちゃんが初めて買ったレコード)
◇君だけを / 西郷輝彦
(富澤一誠さんが初めて買ったレコード)
◇また君に恋してる / 坂本冬美
(2000年代対決:富澤一誠選曲)
◇HOTLL PACIFIC / サザンオールスターズ
(2000年代対決:弘兼憲史選曲)
◇少年時代 / 井上陽水
(CD「あの素晴しい曲をもう一度」より)
富澤一誠さんの名言・好きな言葉はこちらをご覧ください。
◆ オマケ ◆
ゴールデンウィークもスタートして、
気持ちの良い天気に恵まれたこの日、
弘兼さんはオープンカーに乗って局入り。
放送終了後、石川真紀アナウンサーとスタッフが
車をひと目見ようと駐車場へ。
(画像をクリックすると接近画像を拡大表示します)
2010年05月01日