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12月26日 ゲスト:服部克久さん


テーマ:・音楽家生活50周年!
         服部克久が半世紀に渡って追求してきた
            “服部サウンド”の秘密!』  

 ゲストは
 1936年生まれで今年73才
 11月に音楽家生活50周年を迎えられた
 服部克久さん。

 作・編曲の仕事に対する想いなどを
 たっぷりとお伺いするうちに・・・
 弘兼憲史さんとの共通点が次々発覚?!

 
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仕事は拒まず、締め切りは落とさず

ご自宅に所蔵のスコアは6~7万曲分にのぼるという
作・編曲を手掛けられた服部克久さん。

この日の放送では、弘兼憲史さんとの共通点が数多く発覚。

中でも、仕事へ取り組む姿勢に関しては・・・

服部 「『仕事は拒んではいけない』と言っていたので
     何でもやりました。
     お金を払っていただいた分は ちゃんとやります」

弘兼 「『来るものは全部受けよう』と。
     僕も漫画家になった時に同じ精神でやろうと思ったんです。
     出版社から『こういうのをかかないか?』
     と言われたら全部『やります!』とやってました。
     今はできないんですけど」

服部 「それが『誇り』で
     “できないものはない”
     “あいつはどこまでできるかわからない”と
     思われたい――と思いましたね」

“締め切り”に関する意識は・・・

 ○服部克久さん

 ・まず、依頼された曲数分すべて“仮に仕上げ”
  最低限“音が出る”状態に。

 ・その後、時間があれば一曲ずつ「音を足す」「音を厚くする」
  「音を直す」など、手を加え“完成度”を上げる。

服部 「時間(締め切り)がくれば、
     心残りだけれど・・・(時間があれば)・・・
     もっとよくなるんだけど(現状でも)“音はなる”」

○弘兼憲史さん

弘兼 「間に合わないと思ったら
     てきとうにやってしまいます。
     締め切りを落とすより、間に合わせなきゃいけないんで
     全部“10割バッター”である必要はないんで
     『5割打てればいい』
     『今回はダメだった』と思いながら原稿をだします」

服部 「最低レベルは守られるでしょ?
     私も時間をくれれば間違いなく良くなる・・・って言ったら
     『そんなことないだろ』って言われましたけど(笑)」

弘兼 「僕らの場合、単行本化のときに
     心残りの部分を加筆して書き直すことができるんです」

石川 「“巨匠”のお二人ですから
     “最低レベル”がきっととても高いレベルなんでしょうね」

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アレンジの極意

歌は“イントロ命”。
そして、いかに“歌詞がカッコよくみえるか”――。

谷村新司さんの『昴』の編曲では漠然とした注文を受け・・・

『勇壮なイントロを付けてください。
“我は行く”って感じですかね』

弘兼 「それであの“悠久の大地”を思わせるような
     イントロが思い浮かぶんですか?」

服部 「ホルンがいいだろうな、と。
     歌の場合はイントロが命ですから」

アレンジ(編曲)は
“曲を殺さない・曲を生かさなければいけない”
“いろんな舵取りが必要”と語る服部克久さん。
その極意としてご紹介くださったのが、次の2点。

  ・場合によっては“静かにしている”方が曲を生きる
  ・歌を“後ろから押してあげる”ことも必要

服部 「歌詞に『我は行く』とあれば
     後ろに“我は行くような”ドラムを入れたり・・・」

一方、漫画の世界で“編曲”にあたるものとして
弘兼さんが紹介したものが“原作がある漫画”。

弘兼 「原作者の作った骨子を
     (漫画家が)アレンジする作業に似てますよね」

    「ストーリーの前後を入れ替えたり
     主題を殺さないように、どうやってうまく魅せるか
     構成し直す時は、けっこう楽しいんです」

なお、弘兼さんの好きなアレンジャーは若草 恵さん。

弘兼 「演歌の編曲家・若草 恵さんがものすごく好きなんです。
     主旋律よりアレンジした部分が凄くいいなと思って。
     若草恵さんのお名前から聴く――ということをやってます」

服部 「それは本当にありがたいですね」

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服部家 親子3代で“一本の木”

お父さんは服部良一さん、息子さんは服部隆之さん。

服部 「3人で『服部』という一本の木があって
     葉っぱとか、根っことか、枝とか
     目立つところ・目立たないところをやって“一本の木”として
     日本の音楽のために頑張ろう――とやってます」

    「音楽はどこかで“キュン”とこないと
     “音楽”とはいえないと思います。
     三人とも“キュン”とするところを大事にしたいと思ってます」

弘兼 「音楽は“ここがツボ!”というところがありますからね」

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音楽家生活50周年記念アルバム

先月11日、音楽家生活50周年を記念したアルバムが
2枚同時にリリースされました。

   ●『服部克久』(税込3,000円)

  新曲のほか、50周年の活動の中で、
  ターニング・ポイントとなる楽曲を服部克久さんが自ら選び、
  ゲストには、さだまさしさん、佐藤竹善さん、ジェイク・シマブクロさん・・・
  そうそうたるメンバーが集結しています。

   ●『服部克久の世界 ~works』(CD+DVD 税込3,800円)

  映画、テレビ番組、アニメーション、CMへ提供した楽曲、
  プロデュースワークの楽曲、服部克久さんご自身の代表作を収録した
  コンピレーションアルバム。
  コンサートの模様を収録したライブDVD付き。

服部克久さんのホームページはこちら

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お送りした曲目

アイルランドの子守唄 / ビング・クロスビー
  (弘兼セレクション)
Friends・Love・Believing ~ぬくもりをありがとう / 
  (『音楽畑16 Friends』『服部克久の世界 ~ works』に収録)
カウライジャ / ハンク・ウィリアムス
  (RN・まっく さんが初めて買ったレコード)
I WANT YOU,I NEED YOU,I LOVE YOU / エルヴィス・プレスリー
  (弘兼セレクション)
紫野’09 / Chage
  (楽家生活50周年記念アルバム『服部克久』に収録)

2009年12月26日