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6月27日 ゲスト:布施 明さん
■テーマ:『“アラ還”の
人生、倖せは手のひらほどと見つけたり!』
弘兼憲史さんとは同い年、
1947年生まれの61才
歌手の布施 明さんを
ゲストにお招きして
大ヒット曲「シクラメンのかほり」や
最新カヴァー曲に関することのほか
映画化も決まった
童話「この手のひらほどの倖せ」の
ことについても伺いました。
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■歌手休業を吹き飛ばした『シクラメンのかほり』ヒット
1975年のヒット曲『シクラメンのかほり』は
布施明さんがデビュー10年を迎えた28歳の頃の作品。
当時、ヒット曲に恵まれなかった布施さんは
歌手活動を「休みたい(やめてもいい)」と考え
1年間の休業を申し出ましたが、事務所の返事は
「最後にもう1曲出して だめだったら休んでもいい」。
そうした中、発表されたこの曲は大ヒットとなり、
75年のレコード大賞にも輝きました。
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■「書く」ことのきっかけ
エッセー集や小説を出版している布施明さんは
コンサートで歌うすべての曲の作詞を手掛けるなど
元々、詩を書くことが好きだったそうで、本を書くきっかけは・・・
昭和30年代前半の小説には
傑作が多い一方、
東京五輪前・昭和37年頃から
ビートルズ来日=41年を経て、
大阪万博=45年の前までの
数年間には、興味深い出来事が
多くありながらも書籍化されない
ジレンマがあったそうです。
布施 「この何年間かの話はホントものすごく面白いのに、
『なぜ みんな書いてくれないんだろう?』
って思って、自分が経験したり、聞いたりしたものを
小説みたいな形で書き始めたのが
本を書く始まりになったんです」
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■朗読『この手のひらほどの倖せ』
布施明さんは、自らが執筆した童話
『この手のひらほどの倖せ』の朗読を
2005年の歌手生活40周年記念コンサートで披露され
大きな話題になりました。
童話制作のきっかけは、全国30か所以上のツアーで毎日歌うことの
“疲労”を考え、物語を書いて、朗読をすることで
“楽”になると思ったそうですが・・・
布施 「実はそっちの方がきつかったという・・・」
養護施設で育った幼い兄弟の物語――「ご自身の実話?」と
誤解されることも多いようですが実際はフィクションです。
ゴルフ場への往復の際、箱根にある養護施設の前を通り
その度に“物語の妄想”を重ねたのだそうです。
放送では、物語の後半の一部を布施明さんご自身に朗読していただきました。
布施 「実は“団塊の世代の男性に声に出して呼んでもらいたい”
というのが、本にした理由なんです」
この布施明さん原作の童話が『手のひらの幸せ』のタイトルで
映画化されることになりました。
今年7月、物語の舞台である新潟で撮影が始まり、
来年2010年1月に公開される予定です。
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■『Balaade II』
今年4月に発売された布施明さんの最新アルバム、女性アーティストの
J-POPの名曲をカヴァーしたバラードアルバム
『Balaade II』の中から3曲お聴きいただきました。
スタジオは『駅』の歌詞の内容から、
女性心理の話題で盛り上がります。
布施 「“2年前に別れた男にばったり会った”って話でしょ?
“今になって私のことを愛していたことがわかる”・・・
そんなこと ほっといてもらいたい!
女性詩というと“上から目線”が多いんです」
弘兼「“私と別れたからあなたは不幸なのよ”
みたいなのが ちょっと入ってる」
石川 「わかります!
どこか“優位にいたい”というか・・・
別れて“あなたはまだそこにいたのね”とニンマリするような
そういう感情移入をしながら歌ってしまいますね」
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■団塊ホームルーム
レトロアイテムは、かつて布施明さんも入っていて
町田忍さんは今でも委員を務めている
ボーイスカウト関連アイテム。
“ハッピ”には、日本で世界ジャンボリーが開催された際に、
世界中から集まった参加者と交換した“ワッペン”が
所狭しと貼り付けられ・・・その数、実に150枚!
町田 「これでジャンボリーに行くと人気者になれるんです」
『上下関係のルール』や『規律』を学ぶことができ、
何よりも「楽しかった」と語る布施さん、
「ボーイスカウトの『12のおきて』を言えますか?」と聞かれ・・・
布施 「スカウトは『誠実』である。
『忠節(を尽くす)』『人の力(になる)』
『友誼に厚い』『礼儀正しい』
『親切』『快活』『質素』『勇敢』『純潔』『慎み深い』
・・・あと一個 何だっけ??」
おしい!残る一つは『従順』でした。
※『おきて』は1988年、次のの8項目へ改定
「誠実」「友情にあつい」「礼儀正しい」「親切」
「快活」「質素」「勇敢」「感謝の心を持つ」
昨今の参加者の減少については
布施 「今はやることがたくさんあるから・・・
『規律を習ってどうするんだ!』と言われちゃう・・・。
全員ボーイスカウトに入れたら、絶対いいのに」
町田 「本当はこれからの時代こそ必要なんですよね」
ボーイスカウトを語る布施明さんと町田さん
町田さんが着ている派手なアロハシャツは、
骨董品店で購入した自転車メーカーの旗を仕立て直したもの。
子供の頃、ボーイスカウトで学んだことは、
長い年月を経ても忘れることはなく、
ある時、お子さんがプールで溺れてしまった際にも
瞬時に、人工呼吸の方法を思い出し
無事助けることができたそうです。
布施 「子供の頃に脳の刷り込んだものは
す ご い ものなんだなと思いました。
『ロープの結び方』も何かあれば思い出しますよ」
※この話題については町田忍さんのコラムも合わせてご覧ください。
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■お送りした曲目
霧の摩周湖 / 布施明
シクラメンのかほり / 布施明
君は薔薇より美しい / 布施明
恋 / 布施明
LOVE LOVE LOVE / 布施明 (『Ballade II』より)
駅 / 布施明 (『Ballade II』より)
Everything / 布施明 (『Ballade II』より)