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6月20日 三木たかしさん追悼スペシャル!
■テーマ:『今も歌い継がれる名曲はキラ星のごとく…
心を揺さぶる三木たかしメロディーは永遠に不滅です!』
先月5月11日下咽頭がんのため64才で
他界された三木たかしさんを追悼するスペシャルプログラム。
時間の許す限り、曲のリクエストにお応えしながら、
三木たかしさんと親交の深かったゲストの皆さんから
珠玉のエピソードを伺いました。
◇◆ゲストの皆さん◆◇
◇荒木とよひささん(作詞家)
三木たかしさんとは
戦友でありケンカ仲間。
言いたいことを言い合うことができた
40年来の親友。
三木たかしさんが作曲した
約2000曲のうち400曲で
コンビを組まれました。
◇石川さゆりさん(歌手)
「津軽海峡・冬景色」「風の盆恋歌」などの
三木たかし作品が大ヒット。
◇黛ジュンさん(歌手)
三木たかしさんの妹で、
4人兄妹の中でも 特に仲が良かったそうですが
「歌」に関してはとてつもなく厳しいお兄さんだった!?
パーソナリティーの弘兼さんは、大学時代から今まで
黛さんの大ファン。番組でご一緒できて感激!
弘兼 あの頃本当にみんな黛ジュンさんの大ファンで
いっぱいレコードも買いました。
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■ピッチャー三木、キャッチャー荒木のバッテリー
作曲家と作詞家の関係を、荒木さんは野球のバッテリーにたとえます。
主導権を握るのは
“ピッチャー型”の三木さん。
キャッチャー荒木さんが
“小細工の変化球”を要求しても
『ピッチャーは直球だ!』
といわんばかりに
首を横に振るケースが
多かったようです。
曲作りにおける意見のぶつかり合いはケンカに発展
することも多く「口をきかない!」となることも・・・
荒木 でも たかしちゃんの方から「ごめんね」と電話がかかってきましたね。
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■三木・荒木コンビの楽曲のほとんどは“曲先”で作られた
三木たかしさんと組んで楽曲を制作する際は
「9割5分」曲が先に作られ、あとから詩をのせたそうです。
メロディに合わせてフレーズを考えるのは
苦労が多い一方で、曲を先に知ることで、
感傷・情感・想い が伝わる利点もあるのだとか。
荒木 たまに詩を先に書いても「手直ししたよ」と
使ったのは出だしの一行だけで
あとは僕の詩を使ってくれない…
「なんでだよ!」って言いましたよ。
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■10代の石川さゆりさんが体当たり!「津軽海峡・冬景色」
番組11時台には石川さゆりさんが登場。
石川さゆり 十代の頃からプロデュースして、曲を作ってくださり
大勢の皆さんに覚えていただける
“石川さゆり”を作ってくださった素敵な先生です。
「津軽海峡・冬景色」は“メロディ先行”の曲。
初めてデモテープを聴いた時には
「地の底を這ったような暗い曲」「どんな詩がつくの?!」
と思ったそうですが・・・
石川さゆり ♪♪ あ~ 津軽海峡 冬景色~
ここだけ詩が入っていたんです。
そのあとにアレンジが加わって
♪♪ ジャジャジャ ジャーーン!
って(イントロが)出た時は
ホントに鳥肌が立ちました。
三木たかしさんは、石川さゆりさんへの歌唱指導で
歌の世界の“女性像”をとことん追及することを求めたそうです。
しかし当時のさゆりさんは・・・19才!
「この女性はどんな格好でここに立っていると思う?
“旅に出た”といっても、
準備万端 トランクを持ってきてると思う?
それとも、何も持たずに出てきたんだと思う?」
石川さゆり 10代で“その時の女の気持ち”なんて
わかりようがないですよね?
「さゆり、君の歌はウソをついてるよ。
理路整然とした うまい歌は感動しないんだよ。
人の喜怒哀楽って、もっと呼吸が乱れたりとか
もっと違うものがあるよ」
石川さゆり いろんなことを聞いて、結局は
私はこの歌に体当たりするしか…、
しがみつくことしかできない…と思いました。
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■黛ジュンさんの歌は、三木たかしさんの真似だった?!
番組後半には、三木たかしさんの妹・黛ジュンさんが登場。
黛 兄・三木は音楽の面では
ものすごく厳しかったです。
『なんでそこまで言うの?!』と
思うくらい。、私は兄の言葉で
ものすごく傷つきました。
指導が なにしろ厳しく、
絶対に妥協しないんです。
ジュンさんが自らの思い描く通りに歌えなければ
何時間かかろうと、できるまで歌わせたそうで・・・
黛 しまいには『こう歌って』と歌って聴かせるんです。
そうすると結局 私が兄の歌う真似をするわけです。
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■2008年7月、三木たかしさんが「日本の風潮」を語る
去年7月、「阿久悠さん追悼特集」をお送りした際
石川真紀アナは三木たかしさんにインタビューを行っています。
今回は、当時 未放送のインタビューの中から
“最近の風潮”について語っている模様を
お聴きいただきました。
三木たかし こんなに簡単に流行を作れる国も、忘れる国も少ない。
ファッション、本、映画…、
自分自身で良いものを見つけることが少なく
音楽もそうなんです。
例えば、若い人が演歌を聴くと
「かっこ悪い」「バカだな」と言われる。
(そうではなく)「私は嫌い」というなら よくわかる。
だから みんな同じ様な格好をしてるんです。
石川真紀 初対面だったんですけど、私の眼を見て
とてもやさしく、笑顔をみせてくださいまして、
音楽のお話をされる時の目の光が印象に残っています。
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■未来へ伝わる三木たかし作品――そして新曲も?
今回の三木たかしさん追悼特集では、
三木さんとは極めて 縁の深いゲストの皆さんから、
意外な一面、歌作りの裏側、プロの思考…など、様々なエピソードを
荒木とよひささん、石川さゆりさん、黛ジュンさんの
生の声でお届けすることができました。
また番組をお聴きのリスナーの方からも、たくさんのリクエストや
三木たかし作品に対する思い出・追悼メッセージをお寄せいただきました。
◆ラジオネーム・じゃがバターさん(30代女性)
今週は「三木たかしさん特集」ということで
調べたところ、知らない間にずいぶん
三木さん(作曲)の歌を歌っていたことに驚かされました。
曲はどれも歌詞カードを見なくても歌え、
すっかり私の体の中にしみ込んでいるようです。
三木さんは亡くなられても、遺された歌は
いつまでもいつまでも伝わっていくことでしょうね。
弘兼さんを含め多くの方から
“たとえ亡くなられても三木たかしさんは楽曲と共に生き続ける”
というご意見が寄せられる中、
荒木さんから、詩がついているもの・曲だけのものなど
多くの「未発曲」の存在が明かされました。
私たちには まだこれからも「三木たかしさんの新曲」と
巡り合うチャンスが残されているのかもしれません。
そして番組の最後には、荒木とよひささんから
リスナーの皆さんへのメッセージをご紹介いただきました。
荒木 三木さんの歌を「これも三木さんか…、あれも三木さんか…」
「こんなにすごい作曲家がいたんだな」と思い出してほしい。
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■ゲストが語る三木たかし語録
◆「自分は偉大なる素人で、好奇心を持って
何か空から自分の体に降ってくるものを 僕は書きたい」
石川さゆり ご自分が「プロ」であることを掲げない方でした。
◆「歌は声がひっくり返ろうが いいんだ。
そのままの想いで歌え!」
黛ジュン 『さくらの花よ 泣きなさい』を初めて歌った時
高い部分をファルセットで歌ったんです。
すると兄は「地声でちゃんと歌え」と…。
◆「ありがとう。とよさん、ごめんね。
つまんない歌を書いちゃダメだ」
(最後に交わされた筆談による会話)
荒木とよひさ 返事を書きました。
「『ありがとう』『ごめんね』はこっちの方ですよ。
つまんない歌は書き続けますよ。バカ」
って書いたら 笑ってました。
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■お送りした曲目
◇そばに置いて / 岩崎宏美(荒木とよひさセレクション)
三木たかしさんとの思い出の曲の中のひとつとして
荒木さんに一曲 選曲していただきました。
三木さんがアレンジを加えて書き下ろすはずだった楽譜が
未完成だったことから、レコーディングはいったん中止。
荒木さんは三木さんに「どうしてくれるんだ!」と
怒りをぶつけたそうです。
また、テレサ・テンさんへの提供楽曲の原点となったのが、
この曲なのだそうです。
◇揺れるこころ / 石川さゆり(石川さゆりセレクション)
まだ日本にミュージカルが定着していなかった1978年に
三木たかし&阿久悠コンビが楽曲を手掛けたミュージカル
『今竹物語~ヒカル翔んで行く~』の中の一曲。
石川さゆりさんの二十歳の頃の歌声をお聴きいただきました。
◇津軽海峡・冬景色 / 石川さゆり
この日お寄せいただいたリクエスト第1位。
石川真紀アナウンサーは三木たかしさんにインタビューした際
歌唱指導を受けました。
石川真紀 本当に大事な宝物として
胸にしまわせていただいています。
弘兼 それはすごい宝ですね!
今度は歌唱指導の効果がどれくらいのものか
聴かせていただきたいと思います。
◇さくらの花よ 泣きなさい / 三木たかし
遺作となってしまった「さくらの花よ 泣きなさい」は
2005年、三木たかしさんと荒木とよひさんの
紫綬褒章同時受賞を記念して制作されました。
放送の中でお聴きいただいたのは
手術10日ほど前に収録されたもの。
◇さくらの花よ 泣きなさい / 黛ジュン
当初、歌唱指導に戸惑いながらも
黛ジュンさんが“想い”を込めて歌い上げました。
◇みずいろの手紙 / あべ静江
あべ静江さんはこの歌を発表した1973年、
日本レコード大賞 新人賞 受賞。
◇思秋期 / 岩崎宏美(この日のリクエスト第7位)
岩崎宏美さんはこの歌を発表した1977年、
日本レコード大賞 歌唱賞 受賞。
◇乙女のワルツ / 伊藤咲子
伊藤咲子さんの1975年のヒット曲。
◇時の流れに身をまかせ / テレサ・テン(この日のリクエスト第2位)
1986年、日本レコード大賞 金賞 受賞。