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5月9日 ゲスト:由紀さおりさん、安田祥子さん
■テーマ:「童謡は情緒を育む魔法の薬!
由紀さおり・安田祥子姉妹の音楽 堂々一本道!」
ゲストには歌手、女優の由紀さおりさん、
声楽家の安田祥子さんをお迎えして
お二人の「音楽の原点」や
「童謡コンサート」に賭ける
熱い想いを伺いました。
大人になって初めて「そうだったのか!」と
歌詞を理解できるケースも多い童謡。
子供には とうていわからない言葉が使われることが多いものの
意味がわからないながらも、子供の頃に教わった童謡・唱歌は、
今でも覚えているもの。
言葉世代をつなぐ歌として、また日本語を守るためにも
古くから歌われる童謡を 未来にも残したい!
そして弘兼憲史さんも熱く語る、童謡への想いとは…
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■音楽の原点~童謡への想いとは
お二人の音楽の原点は幼少の頃に揃って所属した
「ひばり児童合唱団」。
その後「クラシックでオペラを歌いたい」と
東京芸術大学に進学した安田祥子さんに対して
由紀さおりさんは「姉を超えるには同じジャンルにいては無理。
今でいうJポップのヒットソングを持つ歌い手になりたい」
とそれぞれの音楽の道を進まれます。
そして由紀さおりさんは「夜明けのスキャット」でブレイク、
安田祥子さんはニューヨークのジュリアード音楽院で
学ばれた後、東京芸術大学講師に。
やがて、お母さんの
「姉妹で一緒に歌えないの?」
という声もあり
姉妹での活動で
「童謡コンサート」をスタート。
当時、同じ音楽といっても、クラシック界と歌謡界の間には
お互い相容れない“壁”が存在。
安田さんは周囲から「どうしてこんな歌を歌うの?」と
言われることもあったそうです。
由紀 日本の歌をこんな風に思っている人が多いということに
衝撃を受けて、それがすごく悔しかった!
先人が残した、いい歌がいっぱいあるのに・・・。
その悔しさが日本の歌、童謡を歌い続けるきっかけとなりました。
このパートでは「子供の頃を思い出す、とても好きな曲」という
弘兼さんのリクエストで、
お二人の歌唱による「みかんの花咲く丘」をおかけしました。
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■残したい!童謡・唱歌
23年目を迎えた由紀さおりさん、安田祥子さんの「童謡コンサート」。
「Songs With Your Life Concert ~ふるさとを遠く離れて~」と題し
~遠く離れていても、その歌を口ずさめば目に浮かぶ“心のふるさと”~
というテーマで、今年も全国ツアーがスタートしています。
石川 「故郷」をみんなで合唱させていただく時は客席の皆さん、
様々な年代のお客様が、みんな歌えるんですよね。
日本の歌は みんなで歌うと「いいよなぁ」と思いました。
安田 皆さんそれぞれの“絵”を描きながら歌ってくださると
思うんですけど、これは残ってほしい歌の一つです。
この日、番組では「21世紀に絶対に残したい童謡と唱歌」という
テーマで、メッセージを募集しましたが
ダントツで票数トップとなったのが「故郷」。
2位以下は「赤とんぼ」「夏は来ぬ」「いぬのおまわりさん」「花」。
今の音楽の教科書には掲載されないケースもありますが…
弘兼 なんとか無理やりでも 教えたい感じがしますけどね。
由紀 「これは必ず教えなければいけない」という
お達しをしていただけるとありがたいと思いますね。
また番組宛のメッセージには「歌詞を正しく伝えてほしい!」という内容のものも。
小さい時は歌詞の意味がわからず、
ずっと間違った解釈をしたままであったり
歌詞自体を間違えて覚えてしまうことも、よくあるケース。
例として挙がったものは
●『シャボン玉』の「♪屋根まで飛んだ」
→「屋根の高さまで飛んだ」ということですが
「屋根も一緒に飛んだ」と誤解されることも。
●『焚き火』の「♪落ち葉焚き」→「落ち葉滝」
●『故郷』でも「♪うさぎ追いし彼の山」→「うさぎ美味しい」
石川 “文脈”を考えると「そうだったんだ!」と
納得できることはありますね。
安田 大きくなって、改めて歌ってみて「そうだったのか」と
思うことは 私たちも今でもありますから
小さい時に聞いていて、今、子供さんに正しく歌ってあげたい
と思う方は、ぜひ「こころの音楽教科書」※を参考にして
歌っていただきたいですね。
※「あしたへ贈る歌―由紀さおり・安田祥子 こころの音楽教科書」
弘兼 (歌詞の意味は)わからないけど、覚えちゃうんですよね。
今は(意味が)わからないから(教科書に)入れないことが
多いらしいんですけど、
もっと難しい言葉、文語を入れてもいいと思うんです。
由紀 その時わからなくても、いつか気づく時が(ありますから)。
漢字の文言をしみこませる意味でも
(難しい歌詞の歌が教科書に)あってもいいと思うんですけどね。
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■由紀さおりさん、安田祥子さん最新情報
▼由紀さおりさんの歌手生活40周年記念アルバム
「いきる」 (EMIミュージックジャパン・税込み3000円)
コンセプトは「21世紀の歌謡曲を作ろう」「歌謡曲の復権を目指そう」。
▼安田祥子さんのニューアルバム
「なつかしき愛の歌~歌のホームパーティーにようこそ~」
(EMIミュージックジャパン・税込み3000円)
▼由紀さおりさん、安田祥子さんのコンサート
「Songs With Your Life Concert ~ふるさとを遠く離れて~」
6月7日(日)開場2:30/開演3:00
大宮ソニックシティ大ホール
S席:5500円/A席:4500円
▼安田祥子さんのコンサート
「歌のおくりもの 2009 ~なつかしき愛の歌~」
6月22日(月)開場6:00/開演6:30
会場:浜離宮朝日ホール(東京)
全席指定:6000円
※お問い合わせはいずれも「ちけっとぽーと」まで
03 - 5403 - 3330(受付時間:平日10時~19時)
※由紀さおりさん、安田祥子さんの公式サイトはこちら
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■団塊ホームルーム
今回のレトロアイテムは『それいゆ』。
イラストレーター中原淳一さんによって
1946(昭和21)年に創刊された雑誌です。
町田 単なるファッションではなく、
女性の文化的、進歩的な内容になってますね。
由紀 パリのモードとしての雑誌といってもいいいですね。
安田 当時は憧れの本でしたよね。
「家を探したらこの本 出てくるかも」
という 由紀さおりさん、
『ジュニアそれいゆ』のモデルに
なったこともある安田祥子さんからは
揃って「懐かしい!」という声が。
おソバが40円くらいの時代に
「170円」で売られていたことにもビックリ。
弘兼 今見ても、全然おかしくないですね。
石川 当時の“香り”も伝わってくるような貴重な資料ですね。
※この話題については 町田忍さんのコラムもご覧ください。