胸に刺さる?耳に残る?
眠たくて眠たくて目が開かない朝は、音楽をかけるようにしている。
(近所迷惑にならないボリュームでね)
邦楽だと、歌詞の意味を考えてしまうから、
この場合、洋楽の方が多い。
一人暮らしの家というのはほんとうに静かで、
自分が音を立てない限り、何か音が入ってくるとしたら目覚まし時計くらいだろうか。
トントントン と 母が朝ごはんを作っている音もなければ、
ドスドス と 音を立てて歩く父の気配もしない。
遮光カーテンのおかげで、私の部屋は朝なのにとても暗い。
社会人になってアナウンサーという仕事に就き、前職場で早朝の番組を担当していたとき、私の親戚は「よく有沙が朝起きられているもんだ」と一様に驚いていた。昔はとにかく朝起きるのが苦手で仕方がなかった。
でもどうだろう。
仕事となったら話は別で、意外とスイッチの切り替えができるようになっている。
その切り替えのツールとして『音楽』がある。
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あれは中学生のときに訪れたオーストラリアのホームステイ先での出来事。
その家では、毎朝ラジオがかかっていた。
DJがアップテンポな音楽を紹介し、朝のまぶしいひと時を陽気にした。眠たい目をこすりながら不思議な味のするシリアルをゴリゴリと頬張っていたのが思い出される。たしか、大きい犬もそばにいたような気がする。
言語の壁にぶち当たり、気持ちをうまいことホストファミリーに伝えられず、気まずい雰囲気が生まれていたが、朝の時間はラジオがかかっていたので自然とそういう気まずい空気はなくなった。
(あ。 このシリアル あんずジャムが入ってる美味しい。)
余計なストレスがなくなると、そういった素朴なことに気が付けるようになる。
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Don't worry, Be happyという歌をご存知だろうか。
(おそらく聴いたら、あーこれか!という耳馴染みのあるメロディーだろう)
1988年に大ヒットした、ボビー・マクファーリンの曲。
口笛で始まる陽気なメロディーが印象的で、耳に残る。
偶然にも自分の生まれた年にヒットした曲と知って、どこか親近感が湧く。
とにかく『ドント ウォーリー、ビー ハッピー』という言葉だけが頭でこだまする。
ざっくり訳せば、「心配すんな、楽しくいこうぜ」
なんと楽観的な。
(なんか、邦丸さんがいいそうな言葉だ。)
言葉の持つ力はすごい。
そういうポジティブな言葉を耳に入れているだけで、どこか気持ちが楽になってくることがある。
それを、気持ちのいい音楽に乗せて。
胸に刺さるわけではないけど、自然と耳に残る。
耳に残るくらいの「重み」が好き。
ラジオでも、自分はそうでありたいと願う。
今朝はEndah N Rhesaがカバーしたver.に合わせて口笛を吹いていたら、
家を出る時間まで<あと30分しかない>ことに気が付いた。
私はまだパジャマのままだった。
なんでもアリッサ:10:33
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