指し棒。
そうだ。彼女の話をしよう。
(今回は長いですよ)
先週少しだけ、実家に帰っていたんですが
その東京へ戻ってくる新幹線で、たまたま隣に座っていたニュージーランド女性と仲良くなった。
彼女は一人旅をする女性。
日本のことが好きなんだけれど、日本語は話せなかった。
突然英語でしゃべりかけられたわたしは、あたふたしながら
なけなしの英単語を搾り出して、頭が沸騰しそうだった。
日本での旅の思い出や、家族の話を聞かせてくれた。
彼女は京都へいって、そこでツアーに参加したようだった。
そのとき自分が撮った写真を私に見せ、彼女は私に尋ねた。
『添乗員さんが持っていた、てっぺんにリボンの付いている棒?Sashibou?(指し棒)っていうのかしら?わたし、これが欲しいんだけど、どこで手に入るかしら?』
見ると、ハタキのようなクタクタのリボンが先端についた細長い棒だった。
(こんなものが欲しいのかい。)
見た目は完全にハタキだったのだが、
「指し棒」だったらバラエティ雑貨売り場でありそうな気がしたので
...私はお店の情報を教えてあげた。
~~翌日~~
「昨日はちゃんと見つけられた?」と彼女にメールしてみると
『私が欲しいものはなかった』と返信がきた。
さらに彼女はたたみかけるように、他に売っていそうな場所を教えてと聞いてきた。
(...ただならぬ、指し棒への情熱!!)
やはり、目の付け所が日本人とは違うな~~、そう思った私は
なんだか楽しくなってきたので
一緒にその「指し棒」とやらを探してあげることにした。
バラエティ雑貨の売り場にはなかったようなのでどうしたらいいもんか。
旗のほうが近いのかな?
うーーーん うーーーん
(もはや金物屋みたいなところでハタキを買ってあげればいいのではwww)
どうしてもリボンのついた指し棒は見つけられなかった。
が、しかし、
たまたま昨日中継でドンキホーテに訪れたとき
「指差し棒」を見つけたので、買ってプレゼントしてあげようと思いメールした。
「あなたが探している指し棒を売ってる店を見つけられなかったわ。
添乗員さんは自分でそういうものを作っているんじゃないかしら?たぶん。
...その代わりに、日本のポピュラーな指差し棒を手に入れたから、今日プレゼントするね。」
『まぁ!ありがとう!!!会えるのを楽しみにしているわ!』
そんなこんなで、また彼女と会うことになった。
我々は渋谷のハチ公前で待ち合わせをし、
方向音痴の私の案内で渋谷のドンキホーテにむかった。
~~その道中~~
『待って!写真を撮りたいわ!』
「ぇ?...いいよ。」
(いいんだけど。ごめん。。
わたしが道を間違えてしまったため、ここはラブホ街なんだよ。)
派手な城やリゾート風のホテルが並ぶラブホ街で
にこやかにピースをする私が、なんの躊躇もなく彼女のカメラに収まった。
おばさんとおんなの謎の二人組は、
なんでもない話をしながらケラケラ笑ってラブホ街を闊歩した。
「ニュージーランドは何が美味しいの?」
『そうね〜〜ミートパイとか、、、、アイスも美味しいわよ』
「へぇーーー!どんな味のアイス?バニラ?」
『バニラも美味しいけど、、、ポキポキかなぁ』
「は? なにそれ。」
『え、ポキポキよ。』
「聞いたことないよw それ、どんな味なの?」
『え!!知らないの? そぉーーねーーークランチーなやつ。』
(え!想像つかないよ!笑)
ハワイのポキポキ丼ぐらいしか思いつかなかった私の頭には、
サクサクと食感のよい「マグロのづけ風味アイス」が浮かんだ。
(あの時、あなたはHokey Pokeyって言っていたんだね。)
ドンキにいってお菓子を買ったり、
娘(15歳)息子(13歳)のために家電量販店で大量にiPhoneカバーを買ったりした。
「あーーいいお土産が見つかってよかったわ♡」
つぶらな瞳でニコニコと微笑む彼女は可愛らしかった。
ちょうど彼女が泊まっているホテルと同じ方向に用事があった私は、
共に渋谷から山手線に乗り込んだ。
降車駅が近づいたとき、私たちは さよならを言いあった。
「これは、私たちがあった記念品ね。プレゼント( ^ω^ )」
私は彼女に「指差し棒」などが入った袋を渡した。
まぁ!私お金払うわよ、と言っていた彼女であったが
『ありがとう!!!』とにこやかに手を振り、駅のホームで見送ってくれた。
☆★☆
偶然出会って、話が弾んで...こんなこともあるもんだなぁ。楽しかった。
彼女が探していた「ハタキのような指し棒」は見つからなかったけど。いい思い出できたかな。
☆★☆
その夜、彼女からメールが届いた。
『Oh!! Thank you for your wonderful gift - I love it and it's exactly what I was trying to find!!
Where did you find it? Thank you SO much. 』
「あんた、指でよかったんかぁーーーーーーい!!!!!」
ニュージーランドで、日本の指が活躍する日を楽しみにしています。